その6:剣道と哲学(2) ―初心に返る―
父が79歳の時に脳血栓で倒れ、私は29歳で東京興武館を託された。そして義兄安藤宏三先生と二人三脚で守った。稽古に関して、義兄は「君の考えている通りのことをすればいい。私は全面的に協力する」と言ってくれて、基本と切り返し・懸かり稽古を中心に行ってきた。
加えて、義兄は高野弘正先生主催の「中西派一刀流講習会」に度々参加して古流の形を習って来ては、「やらないと忘れるから一緒に稽古しよう」と言って随分教えて頂いた。今稽古している「形」がその一部である。そのお蔭で、このコロナ禍の世