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キャラクターガイドライン策定から得た学び

先日、コミュニケーションデザイナーのオフラインイベント「Comminication Design Night Vol.3」略して「コムデナ Vol.3」に参加し、登壇させていただきましました。
今回は、登壇させてもらったLTの内容を記事にしていこうと思います!




01. キャラクターの名前

自己紹介でもお伝えしたかもしれませんが、私、株式会社タイミーのコミュニケーションデザインGに所属しておりますmuroiと申します。

タイミーにはとてもかわいいマスコットキャラクターがおります。
こちらのマスコット、かなり強いアトラクトを持っていてタイミーの象徴になっているキャラクターなのですが、つい先日まで名前がありませんでした。

「名前」がないということで、いろいろな課題がありました。

課題①|オペレーション的な課題

各方面から「かわいい」「親しみやすい」などいろいろとお褒めの言葉をいただきます!(嬉しい限りです!!)
お褒めの言葉をいただいた後には必ずといっていいほど、「名前はなんていうのですか??」という質問をいただきます。
その際に、名前がないことを説明するというオペレーションが発生してしまっておりました。イベント出展などをしていると、意外とこのオペレーションが大変になってました 笑。

課題②|勝手に名前がつけられてしまうという懸念

名前がないからこそ、方々で独自の名前がつけられてしまう懸念がありました。
独自の名前がついてしまうと、想定していない印象がついてしまい、その結果、ブランドイメージにも影響してしまうという課題感を持っていました。


そこで「タイミーマスコット名前大募集キャンペーン」という形で名前を決めようということになりました!

実際にご応募いただいた数は6,346件!

一つの企業のマスコットにこんな多くの応募がいただけることに感動をしつつ、厳正な審査の結果、キャラクターに名前がつきました!

命名「タイミン」!!!!!

こちらの名前、
・「タイミー」との結びつきが瞬時に認識できる。
・英語の“Timing(タイミング)”を想起させ、「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンを掲げるタイミーとのイメージにマッチする。
といった理由からが選ばれました。

その結果、名前がないことによる課題は無事解決されました!


02. 喋る?? or 喋らない??

名前が決まるということで、並行してガイドラインも進めておりました。
その際に出た問題が「喋る?? or 喋らない??」という問題。

こちら、代理店さんなどの外部クリエイティブ管理も行っているマーケティング部署からタイミンの設定を「喋る」ようにできないかという提案をいただきました。

キャラクターが喋ることで、
・コミュニケーション訴求が効果的になる
・クリエイティブの表現幅の拡大ができる
・現状、喋っているように見えるクリエイティブがあり、設定に矛盾を感じていて、そこを解消できる
との、理由からでした。

喋っているようにも見えるクリエイティブ


なるほど、と思いつつもキャラクターを生み出し、育てている感覚のあるデザイナーとしては、「喋らせたくない」という想いがありました。

喋るとなった場合、
・誰かが変な言葉を喋らせてしまうかも...というリスクが生まれてしまう
・リスクヘッジのために、運用ガイドラインが必要になってしまう
・ガイドラインとともにチェック機能も必要となり、コストがかかってしまう
そしてなによりも、、、
誰からも愛されるキャラクターでいてほしい」という想いが強くありました。

喋る設定になってしまうと、大人の意見やビジネス的なメッセージを喋ることになってしまうだろう。
そうなると、愛らしさが薄れてしまうのでは、、、という懸念がありました。
発言や表現によって、キャラに意図しないイメージがつかないようにしたい。少しでも嫌われてしまう可能性の懸念があるのであれば、できる限りなくしたい。
という、誰からもずっと愛され続けていくキャラクターでいてほしいという強い想い・熱量がデザイナーの意見として挙げられました。

キャラクターをどう育てていくか、この考え方はブランディングの方針的な観点としても重要な要素であると感じました。
マーケティングチームは「攻め」の姿勢として、新たなタイミンを作り上げていきたい。
デザインチームとしては、ある種「守り」の姿勢で今まで通り誰からも愛されるマスコットキャラクターとして育てていきたい。

両者がそれぞれの意見に敬意を持ち、論点を整理しつつ建設的に意見を交わすことで、とても良い議論ができたと思っています。
最終的には、デザイナーチームの熱い想いが伝わったこともあり、「喋らない」という設定で合意形成がなされました。

ただこの時点では、現状で喋っているように見えるクリエイティブの問題は解決できていません。


その解決策として、
“ふきだし”の中にテキストやセンテンスがあれば、キャラクターが喋っていると見なし、その表現はNGであるというルールを設定することにしました。

キャラクターが喋ってるように見える、見えないという点に関しては、見る人の印象によって左右されてしまうため、コントロールをすることは難しい(できない)。
であれば、そのコントロールの仕方に論点を置かず、誰が見ても一目でわかるルールを設定することで解決策を見出すことができました。



03. キャラクターのガイドライン策定を通して学んだこと

他部署間ではあるあるであろう「解釈の相違」。
領域が異なる事で多様な考え方があるので見解や解釈がぶつかる事が多くあると思います。

その中で大切なことは、「他者の解釈を理解をする事」。
背景や経緯などの事実をきちんと聞き出し、事実と意見を分解し、理解する。

そして、「こちらの解釈を理解してもらう事」。
分かりやすい情報や事例の共有など、デザイナーであれば図解など視覚的にも伝わりやすい方法によって理解を促す。

解釈の違う他者間でのすり合わせや歩み寄りをおこない、
視座を上げた視点で、会社や事業にとって有益な最適解はどこなのかを
ディスカッションする事が大切なんだと学びました。

ロジカルに考えつつ、並行して、想いや熱量・能動的な意思も重要な要素になってくると感じる事ができました。
なによりも、まずは自分の意見や意思を持つ事がとても大切だなと。
その意思や情熱をステークホルダーに伝えることで、よりクオリティの高いアウトプットに繋げる事ができると感じることができました。


04. 登壇という経験を通して得られた気づき

オフラインで登壇するという経験は正直ハードルが高すぎて、直前一週間はソワソワしてしまい、お腹の調子が上がらない状態で過ごしておりました(笑)

当初LT登壇をするということは、登壇者から参加者さんへの一方通行な情報共有の場であろうと思っていました。
しかし、実際はオフラインならではの笑顔や表情が見えたり、LTの内容に対する質問や、賞賛のお声がけをいただけたこともあり、他社デザイナーさんとつながりなどの嬉しい収穫を得ることができました!

LT自体は自身の意見や情報発信の場であると思いますが、その内容についてお話しできるという点で、一方通行ではなく双方向のつながりを持つことができる素晴らしいコミュニケーションの場なんだということに気づかされました。
このような場を通じて、いろいろなフェーズのデザインチームの課題感などを互いに共有しあい、横のつながりを広げつつ、学びを深めていきたいなと感じた次第です!

今後は登壇という形ではないかもしれませんが(お腹痛くなっちゃうので!笑)、オフラインのイベントには参加させていただこうと考えております!
もし機会がありましたら、記事を読んでいただいた方とつながりを持てると嬉しいです。


最後まで閲覧いただき、ありがとうございました!!



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