Mr.Children 90's 聴きどころ

#1,2 名もなき詩
言わずと知れた代表曲。印象的なギターリフから始まり、タイトなリズム隊に爽快でキャッチーなメロディ、示唆に富み奥行きのある歌詞、gt.田原の渾身のスライドギターソロ…どこを切り取っても文句の付けようがない名曲。

#3 光の射す方へ
打ち込みのビートに粘るベースライン、乗っかってくるボーカルの譜割りは小気味良く、グルーヴ感のあるR&B風。曲通して彷徨いあぐねている歌詞ではあるがメロディが相待ってどこか希望のある曲。

#4 ニシエヒガシエ
彼らのイメージを払拭するようなヘビーでダークな曲。ハードロックのような激しさと厚みのあるギターリフが特徴的で、歌詞は当時の世相への皮肉が散りばめられている。今ではライブの定番曲だか、個人的にはファンのノリが好きくない。

#5 シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~
馬鹿馬鹿しいくらいのキャッチーなメロディにポップなサウンド、甘さたっぷりの歌詞。阪神淡路大震災後の初のシングル曲と思うとカラ元気を出していたのかもとも想像できる。こちらもライブ定番曲。

#6 渇いたkiss
個人的に好きな曲。寂しげなメロディにアダルティな歌詞、シンセやブラスでどことないオシャレ感もある大人なナンバー。この頃の桜井のソングライターとしての力は絶好調で、風景描写と心理描写の結び方、婉曲的で想像の余地がある表現はこの頃ならでは。

#7 友とコーヒーと嘘と胃袋
個人的に好きな曲2。この頃特有の肩の力が抜けた佳作。空間的な上物に余白のあるベース、そこに急かすようなドラムが乗っかって独特な雰囲気を帯びている。聴きどころは間奏中の櫻井による長広舌で、レコーディングはベロベロに酔っ払った中で行われ、本人も録音中の記憶が無いという。

#8 口笛
2015年当時のファン人気投票一位を獲得した曲。真っ直ぐなバンドサウンドに耳に残るキャッチーなメロディ、何よりもこの頃特有の伸びやかな高音が気持ち良い。冬の寒空と対比するような暖かな気持ちを見事に描いた歌詞は何度読んでもため息が出る。

#9 NOT FOUND
個人的に大好きな曲。バンドがオルタナティブロックを志向していた時期ということもあり、タイトなリズム隊がバンド全体を突き進めている様はポストパンク的にも感じる。リリース前のインタビューでは最高傑作とバンドが自称したことからファンの期待は高止まりしていたが、本作が発表されるとそのポップさから掛け離れたメロディ、展開の少ない構成、キャッチーさを殺したタイトなバンドサウンドに多くの不満が上がったという可哀想な曲。

#10 party is over
最新アルバムからピックアップ。ピークが過ぎ去ったことへの戸惑いを終始歌っており、Mr.Childrenひいては桜井の心情と重ねないことは難しい。ただメロディのキャッチーさは過去の名曲と遜色なく、アコギ一本でも耐えられる強度を持っており、まだまだ衰えていない底力を感じさせる。

#11 終わりなき旅
楽曲を通して鳴っている力強いギターのストローク、それが象徴するように聴く人の背中を何度でも押してくれるギターロック。多くの人がそうだったように自分個人としても挫けそうな時になんども助けられた曲。メッセージ性が強いだけに歌詞ばかりが有名になっているが、演奏としても聴きどころは多く、特にラスサビ開始とともに演奏される約1分間のギタープレイはこの上なくエモーショナルであり、ボーカルはラスサビ中に2回の転調がなされるという変態ぶり。

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