#35 お前の海じゃねーし

「もっと早くこうして話したかったです…。
ずっとブロックされてきた理由が分かりました。」

お義母さんと繋がったことで、
今まで心に引っ掛かっていた結び目がスルスルと解けていきます。

「葉山のマンションは彼の所有だと聞いていますが、
違いますよね?」

「私のよ。私が購入しました。」

「ハワイのお父さんの別荘というのは?」

「ないない(笑)!そんなの持ってないわよー。」

はい、地球滅亡。再び。

それから少し嘘の確認をしたあと、
「とにかく、今は帰りを待ちましょうか。
それからどうするか考えましょう。」

と一旦電話を切ります。
私たちが繋がった事が彼にバレたら、暴力に走るかもしれない。
「もうこうして繋がったんだから、これからはコッソリ連絡を取り合いましょう。」と。

「私もアクビちゃんとは話したいと思っていたのよ。
きっと私に関してはいい話しは聞いてないでしょ。
どんなに悪い女かっていう話を聞いてると思うわ。
今までもそうだったから。」

『私の事は信じて欲しい』
と言い残して電話を切りました。

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