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CYK5周年に寄せて

今週末に迫りましたCYK 5th Anniversary "Into The Future"。久々のビッグパーティー。なんならCYK史上最大規模のパーティーを激動の時代の最中こうして行うわけであります。

遡る事2016年9月。アムステルダムからやってくるNachtbrakerの来日公演をサポートしないか?とのオファーを皮切りに、半ば偶然始動したCYKは5年の歳月をかけ世界中のアーティスト達と共にいくつもの夜を作ってきました。

時代の寵児Mall Grabを始め、スウェーデン鬼才アーティストBaba Stiltzやポスト・レイヴにおける新興ダンスミュージック騎手Ross From Friendsなどのメモリアルなアクトに加え、パリの賑やかB2B兄貴La Mamie'sや当時韓国拠点のDJデュオC'est Qui、香港のROAM Selectorsなど地域に根付いたパーティーを行う人たちとの共演も思い出深いものがあります。

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2017年の12月Mall Grab初来日にてCIRCUS TOKYOに450人近くの人々が押し掛けた超加熱パーティーを行ったのを境に自然とCYKの名が周知されるようになったと記憶しています。その勢いのまま2018年終わりまで既に20人を超える海外アクトをサポートしてきました。

そんな僕らは2019年、オリンピック(開催の是非はありましたが)も開催される'2020年'という記念すべき年を迎えるにあたって、より加速するであろう海外アクトの来日よって僕らが求めるパーティー像を見失わぬよう、国内のアーティストをよりフィーチャーした企画を行いました。

bonoboでの4ヶ月連続パーティーでは京都よりToshikiやTorei(当時京都在住)。大阪よりSEKITOVAや札幌からTomokiを招聘した他、DJ Honeypantsさんにもその際参加していただきました。

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また、Kenji TakimiさんやMoodmanさんをお迎えしてのパーティーも海外アーティストの招聘と並行的に開催。CYK単位でも18年より札幌、仙台、金沢、名古屋、大阪、京都、熊本、韓国、香港、タイと国内のみならずアジアも含めて対外的な動きを強めて行きました。

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そんな経緯で迎えた2020年はオーストラリアよりSKIN ON SKINをtokyovitaminとのコラボパーティーにて招聘したのを最後にコロナ襲来の影響にて現場でのパーティーはストップ。ディスコやハウス~テクノを軸にしたものでは国内最大級のオープンエアパーティーRainbow Disco Clubも2020年の現場出演が"幻"になりました。

残念ではありましたが、結果的にRDCの伝説的な配信により全国のフロア(=おうち)と素晴らしい時間を過ごせたのはコロナ渦最大の喜びでありました。

その後2020年6月末に配信企画を自主でやって以降は東京で数回出演した機会はあれど自主企画は一年半ぶりになります。

ここまで簡単にCYKのあゆみをまとめてみましたが、今回開催する5周年アニバーサリーについての話も少ししてみたいと思います。

僕らCYKが度々口にする広義のハウス・ミュージックという考え方は何もジャンル的な話ではなく、ハウス・ミュージックの発生における歴史や文化的側面への敬意が含まれていて、DJingにおいても音の質感や様式に縛りを設けずに自由性を尊重したいという方針が前提にあります。

ある種のハウスDJにおけるマナーやパーティーメイキングの考え方も個々では敬意を払いつつも、あくまでも現代の感覚に歩幅を合わせ、それを再定義していく道のりでした。

そんな指向性が今回のラインナップに存分表れています。ハウス・ミュージックの根源的な性格を援用しながら、その周縁に現在進行形で立ち現れる現象をフラットに迎え入れます。

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¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U aka 行松陽介さんも敢えて言うなればハウスミュージックを主に扱うDJという印象はありません。しかしハウス的な自由さとダンスミュージックの原初的な衝動を思い起こすには申し分ないアクトです。

今回唯一バンドとして参加するthe hatchのステージングには自由性を感じます。躍動感溢れるリズムと包み込むような生音の恍惚がフロアにいるそれぞれの身体性を解放し、陶酔を見た先に答えがあるかもしれません。我々としてもチャレンジングなブッキングになりました。

Licaxxxはテクノ/ハウス間を縫うように曲々を紡ぎその曲ごとの旨みを贅沢に引き出します。国内においては中々稀有なセレクトをするDJではないでしょうか?

Discopantsは石川・金沢でCYKを招聘してくれた仲間です。上京以後も固定概念に縛られないセレクションは健在で今回オープニングDJに抜擢です。

Studio Xフロアーは予測が掴めずハイライトが幾度も訪れるであろう亜空間フロアです。祝宴にふさわしく僕らがハウスをまた東京に取り戻すジャーニーになるだろうと思っています。

一方でContactフロアーはディスコ~ハウス/テクノとダンスミュージックな実直なグルーヴを軸に一晩を描きます。各組の個性が所々にどう表れるかが非常に楽しみなラインナップです。

Vinyl Youthは江ノ島オッパーラでもパーティーを行っています。コシのあるビルドアップSetはパーティー始めに最適かつ贅沢な時間を演出します。Kross Sectionは京都West Harlemで培ったアグレッシブ・グルーヴがあります。JPNは素晴らしい熊本の若手に揉まれながらディープな方向へと進化し続けています。札幌から上京した方の最終兵器Tomokiの真価は目に焼き付けてほしいです。

そして台風の目FoyerはStudio Xとも通じた予測不可能なフロア。DJ Honeypantsさんはbonobo以来2度目の参加になります。HI-NRG&LOW IQ!

nasthugは彼女がクラブスタッフ時代CYKとしてもかなりお世話になりました。Trap~Hiphopのノリにハウスのパーティーとの親和性を感じてるので個人的にかなり楽しみです。

KENGOとSAMOは大阪の賑やかし軍団筆頭FULLHOUSEの面々の中でもハウス/テクノを軸にヘッズのハートを射止めてます。アグレッシブな動きはフロア側も同期させられます。

Baby LociとSudden Starは最注目コレクティブetherのメンバーとして活躍中。'ニュースクールゲトー'と本人が形容したように、突き抜けるような疾走感とダーティーな感覚がコラージュされている一方で、時に内省的な表情も垣間見えるセットに心を打たれます。

KenchanとLOYALTY FLOWERSによるVIDEO Installationも期待しています。

僕は昨年9月に京都へ拠点を移して以降も東京を含めたあらゆる土地で起きた事象を観察して来ました。もちろんそれら全てに適切な時間をかけられたとは思っていませんが、彼/彼女らが蓄積して来た成果がパーティーとなって紡がれるその瞬間を目の当たりにしました。

今回は大阪・京都・北海道・熊本からアーティストを招聘します。この日が終わりそれぞれがその土地に帰って以降に紡がれる話には期待しかありません。

また他地方と同じく東京も面白い動きが活発で、全てはフォロー出来ずともその旗手であるアーティストも今回参加しています。

ハウスミュージック文化への敬意と共に多様なラインナップとなりました。
コロナ渦における現行のクラブカルチャーをハウス的な解釈で語りつつCYKのパーティースタイルにアレンジして送り届ける準備が出来たと思っています。

思い起こされるパーティーの熱狂、午前4時台の多幸感、みなの清々しく朗らかな表情、幾度とも訪れるそれぞれのハイライト。もはや愛おしくもあります。

また、時代の閉塞感、立ち入る思惑、様々な事へのやるせなさ、幸福への戸惑い、孤独の嘆き...それらすらもきっとハウスミュージックは受け入れます。

とにかくハウスミュージックが引き出すあの恍惚感を味わって欲しい。そしてそれが実感として脳裏に、身体に焼き付かれて欲しい。快楽主義でもなければ現実逃避でもなく誠実に実直にある8時間のストーリーを堪能していただければ嬉しいです。

何卒遊びに来てください!もちろん終電まででも。体調にはお気をつけて。それではフロアーでお会いしましょう🙆‍♂️

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(写真は先日のRDC)

Rainbow Disco Club
Twitter: @Rainbow_Disco
instagram: @rainbowdiscoclub

Masanori Naruse
instagram: @mnp.hoto


2021.11.20(SAT)
CYK 5th Anniversary
“into the future”

at Contact Tokyo
OPEN:22:00

Tickest:
ZAIKO https://contacttokyo.zaiko.io/_item/344320
RA https://jp.ra.co/events/1470079
*ADV.11/1 on sale

ADV. ¥2500 / DOOR ¥3500

UNDER 23 / BEFORE 11PM / G MEMBERS / EARLY BIRD ¥2000 FB DISCOUNT : ¥3000

Line Up(A to Z)
Studio X:
CYK
discopants (Mo'House)
the hatch
Licaxxx
¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U

CONTACT:
JPN (EVEN/KUMAMOTO)
Kross Section(PAL.Sounds/KYOTO)
Tomoki(STROMA)
Vinyl Youth

FOYER:
Baby Loci + sudden star (ether)
DJ HONEYPANTS
KENGO + SAMO (FULLHOUSE/OSAKA)
nasthug

VIDEO INSTALLATION:
KENCHAN + Loyalty Flowers

<introduction>
CYKが1年10ヶ月振りにリアルパーティーとしてContact Tokyoにて開催される。
停滞と飛躍、変化の渦に巻き込まれながらそれでもパーティーは続いていく。少なくとも私たちには、その実感と欲望がある。

今回はCYKのこれまでの活動を色濃く反映するように、北海道から熊本まで、現在も地方に拠点に置くアーティスト、もしくは地方でパーティーを主催しCYKを迎え入れてくれたDJ、垣根を越えてコミュニティを広げる内に出会ったスタイルの異なるパーティー・ピープルたちが出演。多種多様なラインナップが顔を揃える。

以前のようにパーティーへの期待を膨らませるだけの気分でもないのかもしれないし、日々への不安は今もなお間違いなくあるだろうし、同時に、もしかしたらこれまで以上に高揚する気もしている。いずれにしても、内面の混沌や身体的な情熱を受け入れてくれるハウス・ミュージックのパーティーが、来たる11月20日に開催される。

今こそ未来の話をしよう🌟👀

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