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灯台足元暗し。都庁エリアを訪れて思ったこと。

新宿都庁前をひたすらまっすぐ歩くと、必ず目にする光景がひろがる。
それは10年前もなんら変わらなかった。
しかさ今回の光景は何かとても訴えかけるものがあった。

都庁は一体何を目指しているのだろう。
知事の学歴詐称などで騒いでいる場合ではないのだろかと、ふと情けなささえ感じてきた。

外国人が数多く通り過ぎる交差点付近にそれは点在している。無造作に置かれた段ボールの囲いの中には布団が置かれており、人の姿は見当たらない。

雨風を最低限防げる環境下ではあるものの、ひっきりなしに通る交通量の多い場所で砂埃が常に舞う状況だ。

通勤時には必ず誰もが目にするだろう。都庁職員を含めて。
人目を気にして生活する場合には、到底寝ることは無理な場所にある。

日中彼らが存在しないのは、野外に出て活動しているからだと想像する。

過去に彼らのような環境に置かれた団体を支援するビッグイシューという雑誌を新宿交差点で購入したことがある。

それを購入すること自体が恥だという考えの人も多く、購入した私をみて差別的な視線を投げかけてきた人たちはとても多かった。

今現在は彼らの雑誌はどうだろうか、きっと10年経過しようとあまり変化はないだろうと思う。

観光客向けばかりに意識を投じ、肝心の最低限の生活さえ送れない都民の生活には意識を持たないこの光景は、とても辛いものだった。

灯台足元暗し。

とうだい【灯台】 下(もと)=暗(くら)し[=暗(くら)がり]

(灯台①のすぐ下はかえって暗いところから) 身近な事情にうといこと、身近な事は案外わかりにくいものであるというたとえ。
※俳諧・毛吹草(1638)二「灯台(トウダイ)もとくらし」

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