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鳥取で本を作る その一

「小取舎っていうひとり出版社を昨年立ち上げまして」と名刺を渡すときに言ってしまう。が、特に疑問もなく「へぇーそうなんですね」という返答が返ってくる。

「あぁ、一人でやってるんだな、出版社を」とくらいにしか思われていないかもしれない。

そもそもひとり出版社って何なのでしょうか。いや、まず出版社の事から説明しなければならないかもしれない。小取舎の説明はその後からだ。

「出版社は本を作るところでしょ?」

概ね合っている。

書籍や雑誌などを発行する会社。
つまり本や雑誌を出す会社だ。小説、絵本もそうだし漫画もそう。地図や教科書だって立派な本だ。ここで区別して欲しいのは本の定義だ。

本は規定により49ページ以上ないといけない。いけないわけじゃないが「本」ではない。49ページなくても本だよ!って言いたい気持ちもわかるが、ユネスコで「表紙はページ数に入れず、本文が少なくとも49ページ以上からなる印刷された非定期刊行物」と決まっている。

本の後ろについているバーコードみたいなやつ、「ISBNコード」がついていないと本ではない・・・わけではないが、そのあるなしで区別している人もいる。そして、本には広告を載せてはいけない。広告を載せるとそれは雑誌になる。雑誌にはISBNコードではなく雑誌コードというものをつける。

それらを作っているのは有名な大手出版社から小さな出版社まで世界中にすごい数存在する。

さて、本や雑誌の大まかな工程であるが、

企画→執筆→編集→印刷→取次→書店

といった具合に皆様のお手元に渡る。暴力的に大まかすぎるのだが、こういう具合だと思ってもらってよい。執筆のところは写真集や画集もここに入る。校正や校閲は編集に入るとしよう。ここまで出版社と著者のお仕事。印刷は印刷所が担当する。

次の取次ってなに?

日販やトーハンとか聞いたことないだろうか。代表的な取次会社なのだが、要は出版社と書店の間をつなぐ流通業者のこと。卸売り問屋さんです。ここを介して全国の書店に本が発送される。

ああ、もう取次のことを書こうとするとかなり長くなるので割愛。

とにかく取次会社から書店に届くのが一般的なのです。


ひとり出版社は、ネットが普及し本が売れなくなったとか出版社の自転車操業とか色々あって、この取次をすっ飛ばして本を作っていこうぜってミニマルでシンプルな出版社が2000年代からポツポツとでき始めた。一番の利点は本を作りたい人が作りたいものを作れるという点。一般市民がこういう本を作りたい!と思っても大手出版社は相手にしてくれない。では自分で作ろうということになるのだが、まっったく持ってわけわからんとなる。何をどうしていいか。

で、どこに相談するかというところなのだが、そこで小取舎がお手伝いできればと。

この鳥取には人口も少ないこともあってか出版社がほぼない。タウンページで調べても2、30社は出ているのだが、実働している出版社は数社のみ。もっと気軽に本を作れたらと思って作ったのでした。

鳥取県東部、県庁所在地である鳥取市だけでも「もう本出しちゃえよ」という面白いことをしている人間をたくさん知っている。そして本に残すということは歴史に残すことだと思っている。ネットがあたりまえになった時代に、紙に残すということはそれだけ力があるということなのですよ!noteだってLINEだってインスタ、Twitterだって運営会社が潰れたら全部消えるわけですよ。30年先にあるかどうかわかりません。

本を作りましょう!本を!

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