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おやすみなさい

寝て覚めたら終わってないかなあと思うことがある

明日からのテストもそうだし、

1/4しか進んでないレポートもそうだし、

月曜一限もそう

再履なんですけど

とかいろいろ

起きたら髪さらさらになっててほしいし

起きたらリップ塗らなくてもガサガサにならない唇が欲しい

夢をみていたい

のに、

どういうわけか毎日決まった時間に朝日は私の目をつんざくのだ

起きているということ

目を背けるのを許されないこと

一日を充実させないと誰かに叱られる気がすること

世間一般のものさしに自分があてがわれること

これまではみ出ていたら叩いてなおしてくれてたのに、気づけばわたしだけはみ出したままになっていること

それに責任を持つのが異様に怖くて嫌気がさすこと

自分という存在が自分の中にちゃんといるのか不安になること

他人に自分の資本としての感情を吸い取られること

時間指定までしたのにインターホンに出られなくなること

万物に感謝を持たなければならないこと

この一分一秒の間に老いるということ

6、70年先に私はこれら全ての答えをみつけないまま逝ってしまうこと

やっぱりどれだけヘアオイルを塗っても薬局の見本みたいに髪はさらさらにならないし

はちみつを塗ってみても唇の治安は一向によくならない

でもどうしても、この世の中は、「起きている」うちに全部起こって、全部どうにかしてしまわないといけないようで、というか周りはどうにかしているようにみえて、私だけできていないみたいなのだけれど、

目を背けるのは許されないらしい

一日ずっと勉強をしていないと勝手に他人に将来を案じられてしまうらしい

はみ出しものは何事もなかったように淘汰されるらしい

気づけば都合よく消費された私は肌を撫でる風でくしゃくしゃになるくらい脆い抜け殻になるらしい

自分の葛藤と諦観のために流した涙が無遠慮に他人に咀嚼されてその吐瀉物をかぶらないといけないらしい

4度目にようやっと届いた荷物を見て、自己嫌悪を覚えるらしい

他人の自己満足の産物に「私のため」というラベリングをしなければいけないらしい

起きている間は、誰かの満点をもらうまではどうせ無意味に生き急いで、自分探しに余念のない、それでいて、思い返せば空虚な日々を徒然に送るのだと思う

とりあえず今は、大好きな人達のために

幸せなふりをしている

ことにする

もう夜です