たまにいく喫茶店の
たまにいく喫茶店の、素敵なジャズが流れているオーディオ。もしもそうだったら面白い話。
私が以前バイトしていた書店では、年に2回ほど、期間限定でオーディオの販売をしていた。
値段は忘れたけれど、とんでもなく高級なオーディオで、お金持ちそうな老夫婦なんかが購入を決めて、少しだけ売れていた。
メーカーの人がレジ横に立って、実際の音楽を流しながら丁寧に販売をしていて、その期間にはいい音楽を贅沢に聴きながらレジ業務に励んだ。
正直、お昼休憩のあとには眠くなるし
お客さんの声も聞き取りづらくなるので、あまり好きな期間ではなかった。
もしも、あの時、あの店オーディオを買ったのは、私がたまに行く喫茶店のマスターだったとしたら。
私があの時「この音楽ずっと聞いてるのやだなぁ」と思いながら売っていたオーディオ。そのオーディオに、ジャズ喫茶で、今の私が癒されているのかもしれない。あくまで例え話だが。
仕事って不思議で、舐めてかかっていると突如として、猛烈な感謝に襲われる、有難い出来事に出会ったりする。
働くのはとんでもなく疲れるし、いつも良いコンディションでプロの仕事をするなんて、並大抵のことじゃない。
たまにやってくる、奇跡のような有難い瞬間のために、なるべく油断せずに、背筋を正していたい…と思う。
未来から見ると、過去の自分はいつも、恥ずかしい。
エチカ
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