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【好きなひと6】家にきたけど泊まらず帰った

待ちに待った会える日。
前日に仕事の予定を聞くと「20:40には仕事終わります」と返ってくる。
うちまでの移動の時間を考えると、終電まで2時間とちょっと。
きっと、泊まる気はないんだな、と察してしまい寂しくなる。
泊まってくれる気があるなら、この関係をなんとかできると思っていたのに。

前回は、絶対に帰れない24:00に着く日を指定してきた。
本当にわかりやすい男だ。

「21:30に着きます」と連絡がきた。
「ラーメン用にお湯をお鍋に2つ沸かしておいてください!」
早く帰るために、作る時間も短縮しようとしているのかなとまた心に影が差す。

家につくと、私のお土産のラーメンとは別に知り合いにもらったというラーメンを持ってきていた。
(家に調理器具も冷凍庫もないから人の家で調理するしかないと前に言っていた)
そうか、家に来ることをそんなに嫌がらなかったのは、これがあったからかと納得しつつ、また心に影が差す。

ただ、そのラーメンを作らせてくださいという口実で、家に行っていいか聞くような関係の人が他にいないことはほっとした。

作りながら「前借りたハーフパンツみたいなのいいですか?下だけ」という。
「下だけ」ときっぱり言うところに、帰る意思を感じてまた影が差す。
「ありますよー」ってニコニコしてる自分がとても滑稽。

じろうさんが持ってきたラーメンができて、机に運ぶとちょうど22:00でテレビをつけて「水曜のダウンタウン」を一緒に見始める。

20分くらいで1つ目のラーメンを食べ終わり、2つ目のラーメンを作ることになった。

あと1時間30分もある。
次のラーメンを食べ終わったら、もうやることはない。

テレビを一緒に見ていると、隣でスマホを見ながらすこし口を尖らせるような表情をしていた。
どうしてその表情をしているのかは聞いていないけど、嬉しいことか、嬉しいう連絡があってにやりとするのをこらえているのかもと思ってしまって、また悲しくなる。

なんか言いたいことも言えないで勝手に悲しくなってるばかりで、好きになると弱くなる自分ほんとに嫌だ。

結局23時すぎには帰ると言い出し、とっとと着替えて帰って行った。
駅まで送って、何も言えずにバイバイした。

情けなさすぎるな。

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