【13才下の男との恋1】クリスマスの約束
クリスマスに13才下の男と生牡蠣を食べる食事デートすることになった。
13才下って、中1の時に生まれているのかぁと思ってはみるが、感覚としてはつかめない。ちょっと前に好きだった2才下の人のときは、女が年上ってどうなんだろうとずっと気にしてたのに。
離れすぎてて脳が麻痺してるのかもしれない。
バスさん(バスが好きだからnoteでのあだ名)とは、仕事で出会った。バスさんが、私の関わっていたプロジェクトに外部アドバイザーとして入ってきたのだった。
そのプロジェクトもおわり、2021年11月24日。
プロジェクトリーダーの男性と、メンバー2人(男1、女1)と、外部アドバイザーのバスさんともう1人の男性と私、の6人で目黒の羊鍋をかこむ会が催された。
話せばややこしいのだが、メンバー2人は同じプロジェクトのメンバーだが、ちゃんと接したことがなく、だけど奇跡的にマッチングアプリでマッチしていたことが判明し、「その2人のお見合い」と「外部アドバイザー2人、ありがとう、お疲れさま」を兼ねたような不思議な会だったのだ。
そんな訳で、件のマッチングしていた2人はなんだかいい雰囲気になっていて(後日、女の方に聞いたら、そのあと2人でバーにいって「俺たち付き合う?」って言われたらしい。なんかすげぇ。断ったらしい。それもすげぇ。)プロジェクトリーダーとバスさんではない方の外部アドバイザーは既婚者。
バスさんとわたしは独身でフリーだから、飲み会によくあるノリで「2人はお互いどうなん?」なんて、ちょっと冷やかす感じに一瞬、なった。その時、少し離れた席のバスさんが「まんざらでもないんでやめてください」と小さい声で言った。(ほんとに小さくて、聞き間違えだったかもなと思うレベル)
私のぼやっとしたリアクションもあいまってその話題で盛り上がることなく、鍋を途中からカレー味に変更できるという話題に変わった。
おっと。
私はというと、はじめてバスさんと仕事の合間で雑談した時に、あぁこの人っておもしろいなと好印象だったものの、そこから雑談する機会はなく、それをごはん会の数日前に思い返して、ごはん会で仲良くなれるかなぁと思っていたから、だいぶ年下の男性からのちょっとした好意に、少しこころが柔らかくなった。
ただ、年齢が13才下。
干支はひとまわりと一匹ちがう。
私が38才で、バスさんが25才。
これはもちろん恋愛にはならないな、と思ったけど、ピュアでまっすぐなところや、お世辞や気が使えないけどそれを自覚していて、がんばってるところが素敵だなとは思って、友だちにならなってくれるかもな、と思った。
ごはん会のあと「もし1ミリでも可能性があるなら連絡してくるだろうな」と思っていたが、まてどくらせど連絡はない。
そういえば駅で別れるときに「また仕事で会いましょう」って言ってたしなぁ、と思い返し「あーはいはい、そりゃそうだよOK」となった。
こちらからも連絡する用事もなく、突然ごはんいきましょうと誘う勇気もなく、だけどなんとなく心にひっかかっていて、たまに思い出しては
「人生って、1つ行動するかしないかで変わるのかもな」
と思ったりしていた。(思うだけ)
ごはん会から1か月くらいたった、12月中旬。
上司から「バスさんなんですけど、ギャラの支払いが1か月遅くなるから伝えといて」と言われ、連絡するチャンスがまいこんできた。(この上司のあるあるで、自分の処理忘れなのだがこの時ばかりはだらしなさに感謝した。)
連絡したら、向こうから誘ってくれるかな?いやそんな訳ないか。自分で誘うしかない!何て誘う?誰か他の人も誘う?ぐるぐる考えた結果「むこうがストレスなく断ることができるように誘う!他の人は誘わない!」という結論に至りラインを入れた。
『ギャラのお支払いが1か月遅れてしまうのですが、問題ないでしょうか?』
『大丈夫ですよ、まったく問題ないです』
『ありがとうございます!ちなみに、仕事とぜんぜん関係ないんですけど、生牡蠣のことどう思ってますか?』
これが38年生きてきたのに、未だに高校生みたいな恋愛しかできない女が出したワード!
「苦手な人が多いものを食べに行きませんか?と誘う(この言い回しでは、もはや誘ってるか謎だが)」というワザ。
きっと、生牡蠣が好きでも行くのが微妙なら、そんなに好きではないです、と言ってくるはず!生牡蠣は断りやすいはず!と。
『焼き牡蠣は好きなんですけど、生牡蠣は食べたことないので、食べてみたいと思ってます!』
訳の分からない誘い文句にも関わらず、あれよあれよと生牡蠣を食べに行こう、とまとまった。
ここで大切なのは日付をすぐ決めることで『また空いてる日連絡します!』なんて言ってしまうと、また躊躇してして連絡できなくなってしまう。
『年内、暇な日あります?』とすかさず聞く。
『年内だと、25、27、28日は空いてます!』
ー12月25日…!!!
内心大大大大動揺。
さすがに、じゃあ25日で♥なんて言えるはずもなく、とりあえず『私、浅草に住んでるんですけど、そっちの方で仕事の日とかって、あります?』と聞いてみる。
『25日ですね』
25日ですね!?
そうして12月25日クリスマスに生牡蠣を食べに行くことになったのでした。
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