「ラガヴーリン62 第10回記念公演 箏・三絃・胡弓コンサート」
東京藝術大学邦楽科生田流箏曲同期生の会の演奏会です。
62とは、大学を卒業された年とのこと。
それから30ウン年?
それぞれが演奏活動を続けられてきて、このコンサートで一同に会します。
大学に入るまでのバックグラウンドも、卒業してからの環境も音楽性も様々。
ある意味、メンバーの共通点は、あの時あそこに一緒にいた、というだけと言っても過言ではないと思います。
そんな方々が、30年以上もそれぞれの道でお箏(三絃・胡弓)を続けてこられた。
それだけでもすごいことだと思います。
そして、そんな個性豊かすぎる方々が、一緒に演奏会を、しかも継続的に開催してくださる。
とても、とても有り難いことだと思います。
オープニングMCからおもてなし感満載の温かく楽しい空間。
お客様は常連の方も多いようでしたが、通ってしまうのも納得です。
プログラムも、バラエティーに富んでいて、それぞれ趣向をこらした聴き応えのある曲が次々に披露されます。
お一人ずつカラーが全く違うので、曲が変わるたびに、別世界へ飛び回るような楽しさです。
そして最後に全員で古典の「尾上の松」
なんという贅沢なひとときでしょう。
会を立ち上げた第1回目は、東日本大震災が起こった2011年7月7日。
コロナ禍を経ての第10回目の今回は、年頭に能登半島地震が起こっています。
今回のプログラムの表紙(チラシ)は、2024年2月14日の七尾湾近郊で撮影されたものとのこと。
暗い海の向こうの水平線に、一筋の光が見えます。
楽しい演奏の中にも、メンバーの皆様の邦楽への情熱、邦楽に携わるものとしての責任と覚悟、その強い思いを感じました。
温かく、力強い思いを、次の誰かに渡すために。
今日もまた、幸せな気分で家路につきました。
*箏の波では、演奏会情報をご案内しております。是非、生の演奏を聴いてみてください。
https://kotonoha-1tw1.glide.page/dl/d0a5f4
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会場 古賀政男音楽博物館けやきホール
日時 2024年7月23日(火) 18:00
プログラム
1「谷間の水車」に寄せて 長谷川愛子 構成
春になる瞬間(とき)~春の声~ 長谷川愛子 作曲
谷間の水車 宮城道雄 作曲
長磯箏 長谷川愛子
尺八 長谷川将山
2浪曲地歌「初代・高砂浦五郎」其ノ四
~絶頂からの転落と終焉の段(竹澤悦子 委嘱初演)
松田哲博 原案 樅山智子 作曲
三味線弾き語り 竹澤悦子
相撲甚句 松田哲博
3闌拍子 杵屋正邦 作曲
箏 轟木美穂
4上弦(じょうげん)の曲 沢井忠夫 作曲
箏 田中美香
尺八 長谷川将山
5花の季(とき) 伊藤早苗 作詞 村澤丈児 作曲
箏 村澤かをり
三絃 長谷川愛子
尺八 村澤寶山
6鉄(かな)輪(わ) 尾州某 作曲 中澤眞佐 胡弓手付
柳川三味線 梅辻理恵
胡弓 小池典子
7尾上の松 作者不詳 宮城道雄 箏手付
箏 長谷川愛子 田中美香
三絃本手 村澤かをり 轟木美穂 竹澤悦子 小池典子(手事のみ替手)
三絃替手 梅辻理恵
(*梅辻先生の辻の字は点が一つです)