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六枚道場003、読んでみた(誤読の塊)

ガイドライン|オンライン文芸サークル〈六枚道場〉

https://note.com/6mai_dojo/n/n92c4997ba394

■読者の皆様へ
 読者の皆様にお願いすることは次の3つです。

1.投票グループの作品を読む
2.一番だと思う作品に投票する
3.作品の感想を書く

とありまして、感想を03までツイッター放流したのですが、作家さん・読者の方の感想が神すぎて、感想も乱取りとなりつつある六枚道場。きっと「私も感想を呟きたいけど、こんな高度な感想群の中に飛び込めないわ」っていうシャイな読者がいっぱいいると思うの。だいじょうぶ、こんなおかんでも楽しく読んで勝手に呟いてる。一緒につぶやこう・・・(勝手に勧誘)今回もいっぱいごめん寝した。くみ取れない読者ですみません。

第3回〈小説〉部門・グループA

https://note.com/6mai_dojo/n/n866c64394854

六枚道場も、もう3回目ともなると「常連さん」に対する愛着がわいてきます。作家さんは意識されるのかどうかわからないのですが、毎回お見かけする方に対して、作風の好き嫌いとは別に何かこう・・・こう・・・

ジャンプ購読したら、推し漫画とはまた別に(ナカザワさんと乙野さんを推していないという意味じゃないですよ)毎回掲載されている作品があってこそのジャンプ、みたいな安心感があるじゃないですか。こちらのグループ、ナカザワさんと乙野さんがそうで、個性が確立していて「ああ、ナカザワさんだ」「これでこそ乙野さんだよね」という作品にまた会えた安心感は格別です。

継続は力なりっていいますけど、定期的に読者の目にふれるって、ものすごいアドバンテージなんだなあ・・・。六枚道場に限らず、なかなか本を読む時間をまとまって取れないひとが簡単にアクセスできる場が増えるといいなって思います。

1. 「花の歌」ケイシア・ナカザワさん

Twitter 別名義

「雨垂れ」(https://note.com/6mai_dojo/n/n8a226c92c63f)「アイ・ウィル・セイ・グッバイ」(https://note.com/6mai_dojo/n/n987b1c1bb9d1)に続く3作目。

六枚道場はじまるよ、と告知されると、「お、今回もナカザワさん書いてはるかな」ってなる作家さんのおひとりですよね。みなさまもちろん個性的なのですが、ナカザワさんの魅力は小説としての内容に拠っていない(物語が魅力的ではないということではなくて)という点で、色を違えていると思っております。たとえ話が細部に至るまでネタバレされたとしても、読む楽しみが全く損なわれない作家さんって、稀有ではないですか?

描かれる世界がそれこそ絵画のように完成されて美しい。今回派生していた、タイトル道場で人気の詩的なタイトルを生み出したのはナカザワさんだったのも、納得です。(ランゲの『花の歌』から、なんですって)

都合のいい花≒一方的な欲望をぶつけていい「女」、いつまでも庇護下にある「娘」として扱われてきた茉莉花が、一人のひととして→彼女自身の歌を自ら唄い上げる日がきますように。彼との出会いにその萌芽をみたように思います。頑張れ・・・!

(うちなるオカンが「ピアニストは、ナックルパンチで殴りたい」と荒ぶったのは秘密です)

2. 「雪に溶ける」ヤマダヒフミさん

ツイッター @kirinoryuuichi

小説家になろう mypage.syosetu.com/213983/

ブログ https://yamadahifumi.exblog.jp/

note https://note.com/yamadahifumi

破滅派 https://hametuha.com/doujin/detail/yamadahifumi1/

「カノ姿」(https://note.com/6mai_dojo/n/n083f5af86169)の作家さんだ。

タイトル、美しいですよね。
世界の終わりをこのタイトルで読める…なんて贅沢。読書の幸せ!

予告された世界の終わりを待ちながら、突然訪れたパートナーの死の理由を考え続ける男性。不幸にして気持ちはすれ違ってしまったのだけど、これは愛の物語ですよね。

世界が終わるにあたって、徹頭徹尾、彼と彼女の物語だったのがとてもよかったです。ありとあらゆるものがひとつになる終末、けれどもう失われた彼女とは永遠にひとつになれない。ようやく掴んだ彼女の心の在り方も全部溶けていく最後がよかったです。

(よかったしか言ってないですね。語彙力も光の中に溶けちゃったということで、すみません赦してください)

追記。「カノ姿」・「雪に溶ける」と、置いて行かれた側の物語を上梓されていて、読んだ後にしんとした寂しさが読者のなかにぽつん、と置いて行かれる感じがします。置いていく側の物語もいつか読んでみたいです。

3. 「無辜の檻」乙野二郎さん

Twitter @otsunovel

AMAZON著者ページ https://www.amazon.co.jp/%E4%B9%99%E9%87%8E%E4%BA%8C%E9%83%8E/e/B01MG8FAJX

「クレイジーソルトシティー」(https://note.com/6mai_dojo/n/n8a226c92c63f)「ロング・グッドバイ」(https://note.com/6mai_dojo/n/n083f5af86169)に続く3作目。乙野二郎さんが書かれたぞ、とわかれば、読者はスピード感ある物語についていくためにギアチェンジ。

これ、ネタバレしたら3日間は口きいてもらえないやつだ。
うっかりネタバレされないうちに、みなさん読もう。急いで!

感想は怖くて書けないので、タイトルにルビふってくださってありがとうございますとだけ。漢字って難しい。

追記。たしか、1回ではVSナカザワさん、2回ではVSヤマダさんだった乙野さん、今回はお二人ともに2回戦となるわけで、くじ引きの因縁を感じます。

第3回〈小説〉部門・グループB

https://note.com/6mai_dojo/n/n76cc415a848e

突き抜けた発想の伊予さん、
共感性抜群の小林さん、
これぞ短編小説な千早さん、

Bグループ、どこに投票すればいいの・・・?!

Bグループ、選べないやろ。
こんなん選べないやろ。

千早さんはすごいの一言やし、
みんな、うちなる松浦くんがいたやろ、荒ぶるやろ、応援したいやろ、
切れ痔の妖精なんてもう二度とどこでも読めないやつやろ…

3票くださぁい!!!!

と、めっちゃ荒ぶりました。このグループに一票は酷すぎる。

4. 「コボレモノ」千早兎羽さん

ツイッター (@記載ということは、隠してはらっしゃらない?)

note note.mu/toranekobook

pixiv https://www.pixiv.net/en/users/33156754

六枚道場初参戦にしてダークホース、きたーーーーーー!

記憶をそっくり移植されたロボットは、その対象(動物であれ人物であれ)たりうるか。
中盤まで生命倫理を問う作品なのかな、と思っていたらラスト・・・ラストでまたもツイスト!

小説の完成度とかを論じられるような玄人ではないのですが、この二重三重に仕掛けてあるテーマと変転は、すごいのでは?なにかの賞をとっててもおかしくないのでは?

次回作が楽しみだなあ!楽しみだなあ!!

5. 「「反省文」一年二組三十五番松浦正樹」小林猫太さん

note https://note.com/04140414/magazines

Twitter 別名義

はりこのとらのあな https://www.haritora.net/sp/script.cgi?writer=6808

「孤高の右翼手」(https://note.com/04140414/n/nab816ac9f5b7)「私の先生」(https://note.com/04140414/n/n680b8c2c0e1b)に続く3作目。六枚道場・ティーンエイジャー文学を背負って立つのは小林さんでしょう。さりげなく既出作品から友情出演されるキャラクターがいたり、と、コレクター魂までくすぐってこられるところがニクい。

ティーン文学の雄、小林さんがなんと反省文をひっさげて登場。ああ、わかる、そんな時代がありましたねぇ、なつかしきかな学生時代。
さて、先生は最後の一文に真摯に答えてくれるのか、それとも屁理屈こねるな再提出というのか。

松浦くんの学生生活に幸あれ・・・!

6. 「切れ痔の傷口より妖精が出てしまう事案について」伊予夏樹さん

ノベルアップ https://novelup.plus/user/957175266/profile

カクヨム https://kakuyomu.jp/users/kurehanogensou

NOTE https://note.com/natukiiyo

エブリスタ 作品2つは検索されるが、著者ページは見つからず

Twitter https://twitter.com/kurehasaeki0920

ブンゲイファイトクラブ https://note.com/kotonetakahashi/n/nda7c8319dafc#k2Tov

「影」(https://note.com/6mai_dojo/n/n987b1c1bb9d1)の作家さん。本領発揮の怪作です。こんなん、この方以外にだれが書けるというのか。

壮大な出オチなんですが、このネタこのタイトルで一気に読ませる伊予節が唸る。こんな可愛くない妖精さん、久しぶりですわ。しかも臭そうと思ったら…ら…

四里森さん、無理かもだけど強く生きて…

第3回〈小説〉部門・グループC

https://note.com/6mai_dojo/n/n4e159379882a

7. 「眼に映らない」今村広樹さん

カクヨム https://kakuyomu.jp/users/yono

ツイッター 別名義

理由(https://note.com/6mai_dojo/n/n4849983447cd)の作家さんだ!

読もう!まずはそれからだ!

おぅふって声が出ました。(ギリギリの感想)

いや、ほんと、これもネタバレしたら、三日間くちきいてもらえない系統の話だから・・・うん・・・

8. 「世界はますますカジュアルに」宮月中さん

Twitter https://twitter.com/ChuMiyatsuki

note https://note.com/chumiyatsuki

徳島大学文学クラブ https://tokushimaulc.weebly.com/234702637620013.html

文学賞の世界 https://prizesworld.com/prizes/name/%e5%ae%ae%e6%9c%88%e4%b8%ad

「だれがかあさんをころしたの」(https://note.com/6mai_dojo/n/n987b1c1bb9d1)

宮月中さんの書かれる話、毎回「わかる」って呟きながら読んでしまうのですが、「作家グループ宮月中」じゃなくて、ホンマに単独の作家さんなのだろうか。アンテナ力…!

○○にむかついたところ、ゾワッとしました。

追記。おひとりだそうです。まじっすか。何を書いてもトンデモな共感力、中の人は一人じゃなくて、絶対に宮月一族だと思ってた。

宮月中さんは読者としても超一流で、宮月中さんに読んでもらえた(そして感想をもらえた)作品は本当に幸せだと感じる感想をかかれるのです。ほんまに一族じゃ(まだ言ってる)

9. 「都市の夢」あさぬまさん

Twitter @asanumasanuma

B-review https://www.breview.org/keijiban/?author_id=228

脱兎(https://note.com/6mai_dojo/n/ne2e6ce98fedb)「モジホコリ、あるいは文字埃について」(https://note.com/6mai_dojo/n/n987b1c1bb9d1)に続く3作目。1作目を拝読した時、あまりの上手さに(そしてペンネーム「あさぬま」で探して見つけられずに)、本当の筆名とは別に、六枚道場用にペンネームをつけて発表されているのかと思っていました。今回、他にも書いていらっしゃる場をみつけて、ニンマリしております。楽しみが増えたぞぅ!

またしても宮月中さんとあさぬまさんが同グループに。因縁が生まれかけていますね・・・!

あさぬまさん版の夢十夜みたいだった。冴える文章力。どのお話も美しい。最後の余韻がまたよかったです。

いいお話を読みました。最初の方のお話が第一文で「えっ」と思わせて次へ次へって目が行く感じで、最後の3つはゆっくり盛り上がるのは、計算なのかなあ…

タイトル選手権でも人気でしたが、タイトルの期待を裏切らない、幻想的なお話でした。

第3回〈小説〉部門・グループD

https://note.com/6mai_dojo/n/nf9b54b41cebc

こちらも、三者三様に「この方ならでは」というオリジナリティがあって、たった一票というのはつらすぎるグループ。選びようがないやつでしょう。全然被ってない。小説って広いですね・・・。

10. 「水上荼毘」化野夕陽さん

ツイッター 別名義。

「死んだら、何も言われん」

最初の一文から、これは好き…めっちゃ好きな系統だ…!とビリビリ来ました。好みストライクドンピシャで、興奮で涙出てきちゃった。

愛するひとを生かすためにループする、という話自体はたくさんありますがイサミとナギの、相手に届かない「なぜ」と焔の幻影が、延々と読者のなかで響き続けるような話でした。生涯ただ一度、好きなひとの死を告げられるイサミとなんどもなんども好きな人の死をみてくるナミと互いに生きてほしいという願いだけが通じあわないまま、円環?螺旋?を描いて繰り返されていく弔いの炎のイメージが焼き付きました。

出版されてたら、これのためだけに私、その本買うね。間違いない。

追記。

何回も読んだのですが、名前からの連想でしょうか、伊邪那美命が落命してからの神話を思い出します。伊邪那美命は肉体的には火之迦具土神の出産で命を落とすわけですが、精神的に殺害されたのは伊邪那岐命に黄泉での姿を見られ拒まれたときで、いわば女神が二度殺される話ですよね。

ナギ≒伊邪那岐命は自分の死をもってイサミ≒伊邪那美命を死すべき定め(予知された世界線:ウシホと結婚、のち戦争、死亡)≒黄泉国から引き戻そうとするわけですが、それに必要な荼毘=炎≒火之迦具土神が定めが訪れる前にイサミを殺してしまう。ナギが行動しても、しなくても、イサミは死んでしまうわけで、化野夕陽さんの描かれる地獄のかたちにもみえてきます。

「だから死ぬな」

その願いが通じる道は、見つけられるのか。

11. 「ギターケースと夜と帽子」風呂さん

ツイッター https://twitter.com/huro97

これ、すごく新しくないですか。重すぎず、軽妙で、かわいくて、最後ふふってなる、ポップな都会の話。

リアルになりすぎない、ちょっと幻想的な挿絵をつけて、こじゃれた雑誌とかに載ってほしい。

かわいいお話でした。

(読み終わって、「あれ、お風呂が出ないぞ」ってなった慌てものは私です。風呂さんはペンネームでタイトルには含まれませんね…)

12. 「ここ十年」吉田柚葉さん

ツイッター @yuzuhayoshida

破滅派 https://hametuha.com/doujin/detail/yuzuhayoshida/

はてなブログhttps://yuzuhax.hatenablog.com

あおびょうたんさんの足だったりしないよね、あれ。

おくさん、集団に属してたりしないよね…?

なんかゾワッとするのですが、何にゾワッとしてるんだろう。難しいです。

第3回〈小説〉部門・グループE

https://note.com/6mai_dojo/n/n7871383251db

「小説」というカテゴリにおさめてよいのか、詩歌や書簡に近い作品群で、投票した方は、もう好みで選ぶしかなかったかも・・・。誰が上手いとかは全然わからない・・・。作品をとおして自分の人生観とかをみせられる感じがします。

13. 「風呂と桶」澪標あわいさん

金網(https://note.com/6mai_dojo/n/nb9f8da018d05)

前作が印象的で素敵だったので、再登場がとても嬉しいです。
想像の余地の広さというのでしょうか、主人公の容姿や性格、置かれた状況等がはっきりとは明示されておらず、たぶん読んだ人全員が異なる物語を想像しているんだろうな。詩歌に近い小説だと思います。文章が本当に美しい。読む幸せ。

文章のスタイルは違うのですが、やはり詩歌のようなお話を書かれる6◯5さんと同グループというあたり、紙文さんのおっしゃるとおり、くじびきの神は確実にいらっしゃいますよね。

14. 「交換」6◯5さん

Twitter @rokumarugo605

note https://note.com/rokumarugo

朝(https://note.com/6mai_dojo/n/n491f94417b67)夕暮れ(https://note.com/6mai_dojo/n/n29f60127c864)につづく、第三弾。

病院に行くまで読んで、本当に6◯5さんのかしらってタイトルと著者名を見返してしまいました。とてもストレートで、勝手に6◯5さんスタイルだと思っていた詩歌みたいな小説じゃないや。しかし最後まで読んだらやはり6◯5さんでした。

6◯5さんのお話をよむと、北野勇作さん「じわ100」の使用上の注意を思い出します。6◯5さんのお話の読み解きに正解はあるのかもしれないけれど、力及ばず私にははっきりと掴むことが出来ません。でも好き。わからないことが落ち着かないけれど、面白い。そんな小説でした。

15. 「あがちご日記」いみずさん

エブリスタ https://estar.jp/users/137884161

Twitter 別名義

声のまにまに(https://note.com/6mai_dojo/n/n971a8d26de9b)

タイトルの意味を知らずにラストまで読み、
ただちに2度読みを敢行し放心する(私です)のが
一番この話を味わえると思うので、いますぐ読むんだ、さあ!

ハンカチ横において読もうね。

おかん視点で読むと泣いちゃう…泣いてしまいます…!

ネタバレしても面白さは損なわれませんが、これは何も知らずに読む楽しみを奪えないやつなので語り尽くせなくて地団駄ふんでます。

よかったです!

第3回〈小説〉部門・グループF

https://note.com/6mai_dojo/n/n48f5d7800164

繊細な心の動き、大胆なイマジネーション、先駆性・・・別個のオリジナリティがここにある。さあ、どれがお好みか!

・・・お願いだからもう、複数票を投じるシステムにしませんか・・・

16. 「アイリスアウトで夢から醒めたい」中野真さん

Twitter @nakanomakot0

note https://note.com/nakanomakoto

破滅派 https://hametuha.com/doujin/detail/makoto/

「永遠に一緒」(https://note.com/6mai_dojo/n/nb9f8da018d05)「ワイパーに笑われた」(https://note.com/6mai_dojo/n/n4849983447cd)につづく3作目。

読み終わって即、アイリスアウトを調べに行きました。「どちらでもいいが」って、よくないよ読者めっちゃ気になる主人公しっかり。

しっかりしていない(きちんとするのに疲れたのかもしれない)主人公が日常からふらりとドロップアウトする話は
「もうちょっと頑張れば?」とか「もう少し早く決断すればよかったのに」みたいな
書き手との齟齬をかんじることが多いのですが(作為を感じやすいシチュエーションなのかもしれない)、中野さんほんまに読者を引き込むのが上手いですよね。

1行目でもう全部持っていかれました。最高にかっこいい。ポップとかあの文で作ったら絶対にその本を手に取ってめくっちゃう。

もしかして超能力があるから、誰とも何とも深くは繋がってこれなかったのかな。彼が、入れ替えたいとは思わない、換えのきかない大事な誰かといつか繋がれますように。

17. 「退化夜行」松尾糢糊さん

Twitter https://twitter.com/matsuken0217

破滅派 https://hametuha.com/author/blur-matsuo/

はてなブログ https://blurmatsuo.hatenablog.com/

note https://note.com/mokomatsuo

「巨人と涙の海」(https://note.com/6mai_dojo/n/n971a8d26de9b)で圧倒的なイマジネーションをみせつけた松尾さん、またしても・・・またしてもすごいのキター!!

た、タスクーーーーーーーーーっ!?

終わって悲鳴を上げたでござる。
次の発売日まで待てないやつなのに
次回六枚道場では、もしかしなくても続きは書かれないんじゃ。
そんな…そんなのってないわ…ないわ…

物語の定型が全部裏返しで
美少女ではなく丸眼鏡の少年(しかも精…済なあたり可愛い年は過ぎている)がkidnapped(ふせてみた)されたりとか
話の流れ的にショーはきれいなお姉さんのはずが…だったり(何をどうする気なんだ)
敢然とたちあがるのがまさかの…だったり
定型を乗っ取りに来てますか?

一番驚いたのがカザミの扱いで、

え…そこはカザミがかっこよく決めるところじゃないの?!

美少女とか気が強いという記号か、≒主人公格という定型に強く結びついていたのがわかって、面白かったです。

いつかお気が向かれましたら、ぜひ続きをお恵みください。

18. 「タイトルと著者名」一徳元就さん

Twitter 別名義

note 別名義

ゲンロンスクール https://school.genron.co.jp/works/sf/2019/students/tygennari/

「メアリに書いて欲しかった」(https://note.com/6mai_dojo)「エディは13歳」(https://note.com/6mai_dojo/n/n29f60127c864)につづく3作目。

一徳元就さんは六枚道場の申し子というべきか、この長さ、この形式で出来ることを追求することの先駆性で他の追随を許さない。「来たよ・・・」「来ましたね・・・」「そうきたか・・・」と皆が呟くまでが六枚道場。

今回も、めっちゃ身構えたのに、やっぱりスマホに突っ伏しました。

げんなりさんにはもう誰も何も勝てない。「このわしを対等の地に立たせる男はおらぬ」(ですよね)と言ったラオウの風格があります。

凄すぎる。

全然違いそうですが、連想ゲームかな、と思いました。

白い牙といったら、いーぬ!
犬といったら、犬をえらばば。犬をえらばばといったら…みたいな。

最後の欄なのですが、調べてもヒットしなかったので、「ようこそ火星の生活へ」だけが架空の本です、とか書くのかと思っちゃいました。
(多分違う)

それとも、月→銀河ヒッチハイクガイド→火星ときたからには、

最高の宇宙SFのタイトルを書くべきなんだろうか。

それとも、最高のSFを書こうぜ、ここに名前が乗るくらいのさ!というお誘いなんだろうか…

作家さんの思考の旅なのかな、とも考えたんですけど、最後の問題があるっていうことは、こちらにも何かしらのアクションが求められているのかなって・・・

思考の迷宮にダイブする感じが楽しいです。

第3回〈小説〉部門・グループG

https://note.com/6mai_dojo/n/n84c4b4ea3a81

尸解仙さんあらため浮屠士さんが先陣をきって、六枚道場読者を困惑の渦に叩き込んでくるグループG。全編通じて、「愛・・・愛はどこ・・・」って呟いちゃう、愛の砂漠が再び到来。

19. 「希臘風短篇〈饗宴〉」浮屠士さん

「誹諧的短篇〈散髪〉」(https://note.com/6mai_dojo/n/n083f5af86169)尸解仙さんの2作目。高評価だった前作で使用したペンネームをあっさり変えて、謎の作家さんとしてまたも登場。のちに、ふとしくんは実在のワンちゃんのあだな(ただし飼い主は認めてない)だと判明しました。

犬が書いた小説は、元徳さんがすでに上梓され、セクシュアリティの問題にもかなり切り込んでこられましたが・・・これは・・・おもいっきりタブーやら境界やらを文章力というバスタードソード(いっそバトルアックスとかバトルフレイルかもしれない)でぶったぎってこられましたね・・・。なんという確信犯。これ、文章力がなかったら読者に逃げられておわり、な物語なのですが、読み始めたら最後まで読むでしょう、この卓越した癖のある文章。本好きであればあるだけ、読んじゃうでしょう・・・もうもうもう!

マイカという女性を巡る、男性からの欲望の眼差しネズミを添えて、の第二弾(たぶん)。まさかの犬が書き手。犬ってこう崇高だったりかわいかったりする擬人化(流れ星銀だとか)はみますが、こんな小説かく犬は初めてです。作者にとって犬って何なのか。ちょっと聞いてみたい気がする。

マイカを(小説という二次元の上で)実在する女性、と読むとあまりにひどい話ではありますが、この場合マイカはもう単なる記号で、そういう事態に直面した男性の内なる嵐(と犬が想像する)がふきあれる六枚なんだろうと読みました。難しいこと並べてるけどパニックになったままで、思考停止というか、上滑りしてるでしょう。

(おかんとしては、主人公にナックルパンチ案件ですが)

犬が書いているという設定ですが、前作よりさらにエグい女性の性被害を扱う小説なので、読み手の戸惑いと困惑がツイッターにぽろぽろあがっていましたよね。作者さん、おそらくそれをわかってわざとやっているので、みなの困惑をにんまりみてたんじゃないかな、と思います。

作者には、作品には、倫理が必要かについて少し前に話題に上がりましたが
それについて改めて考えさせられる作品でした。

凄惨な犯罪にパートナーが巻き込まれ、それを告げられた時に思考停止してしまうことは、残念ながらあると思う。
相手を思いやるのではなく、「パートナーがそんな目にあった自分」の気持ちだけの処理に追われてしまうこともあると思う。

現実逃避(だと読んだんですが)に走った主人公に共感したり、認めたりすることは(女として、おかんとしても)全くできませんが、こういう反応しかできない一人の人間を書かねば、と(犬をとおして)思った作者の方や作品を否定するのもまた違うと思いますし、色々な意味でとても難しい作品だと思いました。

20. 「恋のようなもの」夏川大空さん

Twitter @natukawa_sky

カクヨム https://kakuyomu.jp/users/natukawa

小説家になろう https://mypage.syosetu.com/257291/

note https://note.com/soratobuningyo

「六本木の紫陽花」(https://note.com/6mai_dojo/n/ne2e6ce98fedb)「わたしの彼女」(https://note.com/6mai_dojo/n/n4849983447cd)につづく第三弾。

読み終わってすぐに、速攻で2周目に入りました。最後まで読んではじめてタイトル(1行目もかな)が効いてくる、遅効性パンチが重い。

5p最後の行、ああいう言葉がでてくるってことは、書いてないけど、もう貢いじゃったんでしょうか・・。
(ゼロなら、あの言葉はでない気がする)

「あれは恋ではない」と言い切り、6pの行動にでる彼女は、心身ともに日常に帰ってきたのでしょうか。夏川さんの書く女性は芯のところで強くて好き。

21. 「されし雷と暴風の咲かれ足る結晶のケトラルカ」ハギワラシンジさん

Twitter @hagiwarasinzi

スクライブ @hagiwarasinzi

ツイキャス https://twitcasting.tv/hagiwarasinzi

note https://note.com/deartherver1048

短編 http://tanpen.jp/authors/179-8.html

カクヨム https://kakuyomu.jp/users/Haggyhash1048/works

破滅派 https://hametuha.com/doujin/detail/haggy/

エブリスタ https://estar.jp/users/7346877

「朱色ジュピター」(https://note.com/6mai_dojo/n/nbde42a22d072)と同じ世界線?の話なのかな。

どうやってこの単語を組み合わせました?!みたいなタイトルで、「よっしゃ、こい!」と身構えた読者をなぎ倒す怒涛の3ページ。すごい・・・タイトルの破壊力を、文章(文章?)が凌駕したよ。

ハギワラさん、こないだもピアノを沈めていらしたし、もしかして創作の源泉に、一度存在意義を根本から否定された、それでもまだ美しいと感じさせる風景みたいなのがあるのかなー、とか考えていました。

雷と暴風の中から生まれた「お前/君」への問いかけで終わっているのですが、続き読みたいです。

続き・・・読みたいです・・・

はじまったばかりじゃん!
これ、序章じゃないですかーっ!

ハギワラさぁん!きこえますか、ハギワラさぁん!

第3回〈詩・俳句〉部門・グループH

https://note.com/6mai_dojo/n/nedfc69a74510

22. 「みせじまい」和泉眞弓さん

カクヨム https://kakuyomu.jp/users/izumimayumi

Twitter 別名義

前回、がっつりハートを奪われた「伝法な人」(https://note.com/6mai_dojo/n/n971a8d26de9b)につづく第二作、今回は詩部門でエントリーされました。

じわっとよかったです。

好きなひとがいて、
結婚?恋人?が理由で訪れなくなった話なのかなって想像しながら読んでいました。
違ったらすみません、でもでもよかったです。血が通ってる感じがする詩だと思いました。

(違ってました)訪れをまっている女性の話かとおもっちゃいました。

和泉さんの書かれる話には、(私が読んだ中では)全部重さとか体温とかが感じられます。文章そのものに同調・共感があって、その上で物語が展開するので、ぐっと入っていけて好き。

23. 「カニクイザルと共に」草野理恵子さん

Twitter @riekopi158

AMAZON 著者ページ https://prizesworld.com/prizes/name/%E8%8D%89%E9%87%8E%E7%90%86%E6%81%B5%E5%AD%90

文学賞の世界 https://prizesworld.com/prizes/name/%E8%8D%89%E9%87%8E%E7%90%86%E6%81%B5%E5%AD%90

「おはなし皿」(https://note.com/6mai_dojo/n/n491f94417b67)「寒い夏」(https://note.com/6mai_dojo/n/nf150fa807318)につづく第三弾。六枚道場の詩部門と言えば草野さん。今回もものすごいインパクト!

絵本「食べてあげる」を思い出しましたが、○○した相手≒カニクイザルへの態度が全く異なりますよね。マイナスの気持ちがカニクイザルに対してないのは何故なんだろう。もう脳を支配されちゃったのかな。それとも現実世界よりカニクイザルのほうが元から大事だったんだろうか。

草野さんの詩の語り手は、毎回いじらしくて胸がきゅーっとなります。境遇を憎んだり呪ったりしてもいいはずなのに…

24. 「いたいのいたいの」紙文さん

Twitter @km_kzr

note https://note.com/km_kzr

道場主にして、読み手のこころをえぐる力が唯一無二。詩でもその破壊力は健在です。心してお読みください。いや、本当に・・・

紙文さん・・・紙文さん・・・
切れ味は、小説から詩に移行しても健在だった。

おぅふ。

こんなに嫌な「はーい」は初めて見た。

(褒めてます!)

おかんは瀕死です…