蕃東国年代記を読みました

みんな大好き、西崎憲さんにチャレンジ！初回は『蕃東国年代記』から。文章がとにかく美しい。これがプロの力・・・！

登場人物

ネタバレしないように、誰とはいいませんが、某とか某はださないことにしますね。

＜主人公とその周辺＞

宇内　16～30歳。最終登場時小四位
藍佐　17～？歳。17歳時宇内の従者
菜生（なよい）　女房

蓉　下仕え

嘉七かしち　宇内の伴

＜主人公の友人＞

聞音（ききね）　宇内の友人
花足　笵の社の司、宇内の父の友人
香蓮　商人
当麻（たぎま）　剣の名手

＜権力者たち＞

臨光帝　御言

明遠帝　先代
美門卿　重臣
羽有うゆう　美門卿の従者

＜その他＞

仙道　蹴鞠上手

赤仁あかひと　受領

有明中将　正五位
志波　炭焼きの子、力士
冬白中将　四位
火眺（かちょう）　力士
東乃（とうの）　捨て子
夜平（よへい）　総領の息子

矢荻（やおぎ）　神羽主計の娘
瑞衣（みずぎぬ）　虹亮の娘
集流（たかる）　監藤佐唯の娘14歳
遊千（ゆうせん）
定方（さだかた）
有賀　公卿
消見（けしみ）　公卿
朗桂ろうけい　盤晶の社の司

①雨竜見物

そぉい!
え、ちょ、主人公ーっ!

え、みんなそう思わなかった？ラスト５行ぐらいで、「え、ちょ、おま・・・？！」って思わなかった？

藍佐は宇内に「もう愉快犯なんだから！」（意訳）とつっこみましたが、本人もやっぱり愉快犯で、お友だちの聞音さんも（以下略）・・・蕃東国、そんなひとばかりなのか。飄々として、このお話が一番好き。

②霧と煙

このメンバーで何作でも書いてくださいよ、いいよこのひとたち・・・！と思わせておいて、がらりと変えてきました。ファンタジーというより怪奇譚。ネタバレ怖いから書かないけど・・・ぞーっとしたよね。インターミッション的なお話かな、と思わせておいて、他４編への重要なキーがあるからしっかり読んどかないとだめです。が、このお話が一番没入したので、余計なお世話かしら。文章の力で話に引きずり込まれて、最後のページではっと顔を上げて、メモも取れなかったです。固有名詞もってるの一人だけだけど。

③海林にて(藍佐の話)

親を亡くした引き取り子、という藍佐の設定が回収されました。お仕事って厳しいよね・・・。あいたたたた・・・。

④有明中将

一番怪奇色（というかホラーに足を踏み入れたかもしれない）が強いのがこちら。ただそこに在るだけの有明中将を愛し、惹かれ、死んでいく。
物語の最初から予言される二人の凄惨な死は、欠片も彼には響かない。残酷な美しいお話。

ところで、さらりと流されましたけど、志波の性癖はそうとうヤベェやつですよね。かわいそうって気持ちがいまひとつないのは、それでなんだと思います。生い立ちの不幸がまさかそんな歪みを・・・

⑤気獣と宝玉(宇内16歳の話)

××!お前だったのか!!あの話、まだここでも重要！！！

あと、一話で宇内さんがやもめやってた気持ちがものすごくわかった。あなた絶対女難の相もちよ。