六枚道場002、読んでみた(誤読の塊)

ガイドライン|オンライン文芸サークル〈六枚道場〉

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今回も超がつく面白さだったでござる。

毎回思うのですが、これお金も取らずにインターネットの海にプカリしていいものなのですか・・・。いや、読者は嬉しいですけども。売られている短編集収録の作品より「こりゃすげぇや」っていうの、ありましたよ・・・?

第2回〈小説〉部門・グループA

https://note.com/6mai_dojo/n/n971a8d26de9b

1. 「伝法な人」和泉眞弓さん

カクヨム https://kakuyomu.jp/users/izumimayumi

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和泉さんは六枚道場初参戦。そして私のハートを盗んでいきました。いや、だって、これ好きです。めっちゃ好き。この話が入っているだけで短編集買ってしまうやつだ…!甘辛バランスが絶妙で、コミカルな中に鋭い針が仕込んであって刺してくるの。

生田目さんのキャラクターがまたよくて、大辞泉の「伝法」の欄に生田目の奥さんって書こう?タイトルがまんま「ですね!」「せやな!」で、読み終わってニンマリしちゃった。

最後がまたよかったなあ…。わかってたかどうだか不明ですが(たぶんわかってて言ったと思っていますが)男装した娘に「あなたのことは知らん」と言った相手とのマウント合戦、是が非でも勝たねばなりますまい。お母さんめっちゃ頑張ったと思います。お母さんやってて、娘(息子もだけど)に応援してもらったり、お礼をいわれたりする瞬間は「母やっててよかった・・・!」と打ち震えるので、お母さん報われたと思います。結果はうん・・・うん・・・敵は強かったのだけど、この勝負は無駄じゃなかったと思いたいな。

Twitter文学賞とかに推す方法はないんでしょうか。過不足なく完璧にオチた落語みたい。

重ねて、大好き!
いいもの読ませていただきました。

2. 「声のまにまに」いみずさん

エブリスタ https://estar.jp/users/137884161

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泣かされたあああああ!

いみずさんの作品(まだ全部読ませて頂いたわけではないのですが)はジュブナイルとしても優れていると思っていて、若い人にこそ、ぜひ読んでほしい。主人公のこころの動きを丁寧に追いかけたからこそ、最後のたった一言の重さがせまる。ぐっと気持ちを持っていかれる小説です。

いまは声をあげるのが精一杯な主人公も、いつかは誰かが話したいときにずっと待ってあげられるひとになれたらいい。そう思いました。そのとき、果梨奈にああいう形でしか接することが出来なかった自分と和解できるのではないでしょうか。

3. 「巨人と涙の海」松尾糢糊さん

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破滅派 https://hametuha.com/author/blur-matsuo/

はてなブログ https://blurmatsuo.hatenablog.com/

note https://note.com/mokomatsuo

イマジネーションの勝利!
巨人の涙で洪水なんて、それだけでわくわくです。
表面的には絵本の世界のように不思議だけど捉えやすいけれど、深堀りしたら楽しい寓意性の高い物語だと思いました。
ルペン爺さん・息子のドール(爺さんの息子さんということは成人済ですよね)・痘痕の男巨人という、徹底的にかわいさを排除した男子'Sが小動物を囲んでわちゃわちゃする絵面がシュール。鳥類は好きだけど爬虫類はどうでもいいあたり、とても自己中心的かつナチュラルに理不尽で、あーこれは神でも仏でもなく巨人だわあ、と思いました。それをまるっと受け入れる爺さんがいい味です。

これ、絵本になりませんか?たぶん子どもたち、この話すきですよ。

第2回〈小説〉部門・グループB

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4. 「ワイパーに笑われた」中野真さん

Twitter @nakanomakot0

note https://note.com/nakanomakoto

破滅派 https://hametuha.com/doujin/detail/makoto/

「永遠に一緒」に続き、二回目の登場の中野さん。

登場人物の心のやわらかいところが剥きだしになっているお話で(もっと自分のことを守っていいのよ・・・?)と心配になってしまうような読み心地。

もしかして甘えだったり依存だったりする関係なのかもしれないですが、一緒に(ペアだったりするのかな)マグカップを買うのをそれだけ楽しみにしてくれる相手と巡り会えて一緒にいるのは、とてもすてきなことだと思います。
どんなに弱くても、この主人公には「しっかりしろ」とかは言いたくない。きっと読者も最後、「仕方がないなあ。(でもいいよ)がんばれよ」って、くすっと笑ってしまうような小説でした。
もしかして盛大に惚気られたんじゃ?とは思ったのですが、こんな赤裸々かつ不器用に語られたらなら、もう赦すしかないよ。

お幸せに・・・!

5. 「わたしの彼女」夏川大空さん

Twitter @natukawa_sky

カクヨム https://kakuyomu.jp/users/natukawa

小説家になろう https://mypage.syosetu.com/257291/

note https://note.com/soratobuningyo

夏川さんも、「六本木の紫陽花」に続き二回目の登場。

このカップルは有りだと思います・・・!

お互いの最愛に敬意を払い、同じ気持ちを共有する踏み込み過ぎない、大切なひと。唯一と結ばれるだけが恋愛ではないと思いますし、最愛の幸せを壊してまで自分を選んでほしい、と言わないのも共感できます。

結ばれることを選ばない大事なひとがいることで、下を向かない主人公、好きです。読むと元気になれますね。

6. 「理由」今村広樹さん

カクヨム https://kakuyomu.jp/users/yono

そうきたかーっ!

主人公は、作家さんの持ちキャラだったりするんだろうか。それはもう裏設定があるようにお見受けするのですが、物語をさらっと流すのでゴテゴテした感じがないのはすごいなあ、と思いました。大きな物語の一部(というか、プロローグ?)かと思いますので、同じ主人公の話をまた読んでみたいです。

7. 「いのちのなかにあるもの」紙文さん

Twitter @km_kzr

note https://note.com/km_kzr

道場主にして、読み手のこころをえぐる力が唯一無二。今回もゴリッゴリにすりつぶされて、グループCの感想が一時出ない惨事に(絶対に紙文さんの作品でHP0昇天したのが原因だと信じています)

紙文さんのお話は、悪の教典(同じタイトルの小説ではなくて、文字通りの意味で)みたいだなって思っていて、いままで弱かったり搾取されていたもの(主人公)が、自分より弱いものに牙をむくことで、「虐げられている」というある種の聖性(身も蓋もなくいうなら「かわいそうね」っていう位置づけできる)が堕ちる瞬間の醜さを書いてらっしゃるように思います。

正視に堪えないような、ゾッとする悪意を見せつけられるのはつらいのですが、どんなに弱いようにみえたキャラクターにも牙があった、グロテスクな形でしかあらわれなかったけれども強さがあった、というのは、逆説的に望みがたちあらわれてくるように感じます。徹底的に搾取されるしかない人間はいないのではないかと。

第2回〈小説〉部門・グループC

https://note.com/6mai_dojo/n/n29f60127c864?creator_urlname=6mai_dojo

8. 「夕暮れ」6◯5さん

Twitter @rokumarugo605

note https://note.com/rokumarugo

「朝」につづき、二回目の登場。今回は詩部門から小説部門へ。

詩と小説のあわいに位置するような物語で、特に二ページ目のせりふが雨垂れみたいできれい。最後まで読んで、なるほどこれは小説だって腑に落ちました。

かなしいのは~の段落が特に好きで、何回も読み返してしまいました。かなしさやさみしさが文章に結晶化したみたいな、美しい文章です。

9. 「私の先生」小林猫太さん

note https://note.com/04140414/magazines

Twitter 別名義

はりこのとらのあな https://www.haritora.net/sp/script.cgi?writer=6808

「孤高の右翼手」につづき、二回目の登場。本来ならば主人公に感情移入してよむものだと思うのですが、シチュエーションと言い年齢といい、ついつい母の立場で読みたくなります。読んだ後で、現実の子育てについて色々考えたくなりますので、小林さんの属しているグループは最後に読もうと思っています。

先生という職業の業を感じます。

未成年が家族に次いで接する時間の長い大人が、子どもに仮託される役割のなんと多いこと。小説では(現実でも)疑似的な親であったり恋人であったりはまま見ますけれども、小林さんの小説ではまさかの猟奇殺人疑惑。なんということでしょう。「ハァ?!」とか文学的でもなんでもない返しをしなかった上川先生、30にもならない身で先生を極めてらっしゃるのか、それともおまいのようなガキはおよびじゃないという素がでてしまったのかは気になるところです。

このお話は特殊ケースで容疑者が逮捕されてしまった、という外部要因で主人公の夢想はあっさり冷めましたが、迷宮入りでもしていたら拗らせてえらい目にあったかもしれないわけで、先生って本当に大変だな、と・・・。

先生に限らず、子どもに接する大人には、子どもが勝手に託してくる色々なものに揺れない芯が必要ですよね。上川さんはいい先生だと思います。

とても面白かったです。
「私」の理不尽さとか身勝手さがとてもリアルでした。

追記。

一部に犯罪者が混じってくるのはまた別の問題として、普通の大人である先生にとって生徒は生徒でしかなくて、恋人・子ども・あるいは殺人のターゲット(おおう、強烈ぅ・・・)他の役割を課すほどの・・・ぶっちゃけると重みはないわけですが、(正常なことですけど)発達過程で自意識が肥大する学生期の人間には、先生(に限ったものではないですけど)という大人は自分を生徒以上のものとしてみない、という可能性がみえない。恋に恋しているといいますけど、ぶっちゃけ鏡やら池にうつった自分、みんなのものである先生が自分だけを特別視する妄想にうかされて夢をみるのはままあることかと思います。息子も娘もそのプロセスを踏むのだろうな、と思うと、うまく流してくれる先生にあたることを神に祈らずにはいられません。勘違いされたりしたら大変ですが、そうかといって無慈悲に「おまえなんてどうでもいい」みたいな対応をされて心にザックリも無惨ですしね・・・。

10. 「エディは13歳」一徳元就さん

Twitter 別名義

note 別名義

ゲンロンスクール https://school.genron.co.jp/works/sf/2019/students/tygennari/

「メアリに書いて欲しかった」で六枚道場に金字塔をうちたてた一徳さん。盛大に誤読しましたが、誤読もたのしかったし、謎解きしてもらって「おおうそういうことかああああ!!」というのも楽しかった。もしわたしが出版関係者に知り合いがいたら、六枚道場の一徳さんの作品を読めっていうね。文芸の爛熟期とかなんとか目にすることがありますけれど、そんなのは嘘だ。まだまだ未開のフロンティアがここに。

「画像で縦読み」一徳元就さん・・・なんてことを思いつくんですか。あなたは天才か。天才だな。

小説では群像劇であろうとも、読んでいる箇所でそれぞれ主体がいて、一瞬には一人の人生しか体験できない直列仕様のはずなのです。が、このお話では複数の主体が同時に動いていて、物語が並列回路なんですよ。・・・なんていうのか・・・説明できない!読んで、とにかく読んで。現実世界の描写として、圧倒的にリアルです。そうこの混沌が日常ってものですよね。凄いものをみたぞ・・・!

この群体の人生が一瞬交差するわけですが、それぞれのプチ(なんだか1名、すでにルビコン川を渡ってきたみたいなのがいましたが)クライシスがあって、ちょっとでもズレたら終わっていたな、というところをすり抜けて、また日常に戻っていく。

最初、ちょっと読み間違えて、エディがたべるのは大きなバックパックのなかみなのかと青くなりましたが、ささみですよねささみだと言ってください。

第2回〈小説〉部門・グループD

https://note.com/6mai_dojo/n/n987b1c1bb9d1

11. 「だれがかあさんをころしたの」宮月中さん

Twitter https://twitter.com/ChuMiyatsuki

note https://note.com/chumiyatsuki

大学のWEBサイトと文学賞受賞の写真はリンクしていいものか・・・?

いきなり、タイトルで母が殺されるとは、現実でおかんやっている身としては、「はっ?!」ってなりますよね。それは私 とスズメが言った・・・みたいな感じかな、と思ったら・・・ら・・・ら・・・。

扱われる主題が、私にとって生々しいので(いろいろな意味で)冷静に物語について、小説について語れはしないのですが、とても優れた短編なのは間違いない。なぜこれがお金を払って買う本に載ってないのだ。

「誰」を指向しない言葉にざっくり切られた主人公ですが、だからこそ最後、やっぱり「誰」を指向しないままの言葉を放つことはできないのじゃないかな。ひどい言葉が、どれだけひとを傷つけることが出来るか知っているから。抱えていることで昇華できず、自分が傷ついたとしても。

できない表向きの理由を積んで、もうお母さんは手放してしまった思い出と一緒に、ずっと抱えている気がします。だってどんなにひどくて歪でも、もうその傷ごと返ってはこない思い出の一部でもあるから。

12. 「影」伊予夏樹さん

ノベルアップ https://novelup.plus/user/957175266/profile

カクヨム https://kakuyomu.jp/users/kurehanogensou

NOTE https://note.com/natukiiyo

エブリスタ 作品2つは検索されるが、著者ページは見つからず

Twitter https://twitter.com/kurehasaeki0920

ブンゲイファイトクラブ https://note.com/kotonetakahashi/n/nda7c8319dafc#k2Tov

ブンゲイファイトクラブ、本戦出場者さんが登場。優れた幻想/怪談の書き手でいらっしゃる。私、うっかり作者さんを確かめずにこの「影」を読んでですね・・・作者が伊予さんだと知っていたら、もっと身構えて読んだのに、大惨事。ここはハートフルワンちゃんのかわいいお話がくる場面じゃないですか。まさかの・・・まさかのベヘリット(犬)。真昼間っから怪談をするハッピーじいさんがとばしていていい感じですね。そしてこんな怖い話されるのをわかっていて、話をせがむあたり、こどもって犬でも人間でもかわらないのですね。絶対夜に一人でトイレいけないやつでしょ。

13. 「アイ・ウィル・セイ・グッバイ」ケイシア・ナカザワさん

Twitter 別名義

「雨垂れ」に続く、二回目の登場。作者が書こうとされる世界と、文体/語り口がすばらしい結婚をされているタイプの書き手さんで、相応しい写真/絵とあわせてリーフレットにして、表題の曲のCDにつけるべき。手にした買い手が躍り上がります。

あと一歩で決定的な別れに至るふたりの(登場するのはひとりだけど)最後の場面。
前作もそうでしたが、完璧で、この一瞬が一番美しい!という場面を印象的に書いていらして、大人の文学だなあと思いました。悲哀も何もかもが美しい。

そして、完璧な別れすぎて、二次創作魂に着火しますよね。脳内絶賛「このあと海で何がおきたか」で彼女が幸せになるパターン模索がはじまっています。

しかし、「彼は私を信じ切れずに去っていった」・・・主人公、強いな。(確信)きっと彼女は大丈夫。区切りがついたらまた新しい恋ができる。そんな気がします。

14. 「モジホコリ、あるいは文字埃について」あさぬまさん

Twitter 同名で存在はしておられますが、発信していらっしゃらないので(情報収集用かな?)リンクは控えます

一行目から読者を張り飛ばしてくるスタイル、嫌いじゃない。うぉぉ凄いのきたな、と思っていたら、別の意味で凄かった。え、ちょ、主人公、どうした、どこにこの話は帰結するの?

全然違うのかもしれないけど、「君の膵臓をたべたい」みたいなシチュエーションなのかな、とも考えました。蘊蓄は全部・・・(一行目)してくれない彼女への、届かないラブレターなんじゃないかと思うのです。全然違う気もしますが(難しかった・・・)最後の「君ならなんというだろう」、答えが返ってこないことを知っている感じがする。

そうそう、モジホコリ。どこまでが本当なの・・・?と調べたら、本当にいた!

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/6867/

えー・・・この話何処まで本当なの・・・?!私はいまとても迷子。

第2回〈小説〉部門・グループE

https://note.com/6mai_dojo/n/n083f5af86169

15. 「ロング・グッドバイ」乙野二郎さん

Twitter @otsunovel

AMAZON著者ページ https://www.amazon.co.jp/%E4%B9%99%E9%87%8E%E4%BA%8C%E9%83%8E/e/B01MG8FAJX

「クレイジーソルトシティー」につづく、二回目の登場。

細かい設定よりなにより疾走感が凄くて、最後までわっと読者を連れていく力があると思います。読んでいて「あ、乙野さんだ」ってなる独特のスピード。文体が、とかじゃないのかな・・・どこから生まれているんでしょうか、これ。個性的!

今回はハードボイルドで、このジャンル大好きなのでにやにやしてしまいました。このふたりいいキャラだったのに・・・これだけで消えてしまうのはもったいなくないですか。いや、躊躇なく捨ててこそ乙野さんなのかもしれないけど、そんな。

過去編とかあったら読みたいなあ。

16. 「誹諧的短篇〈散髪〉」尸解仙さん

もしや、あの方なのか。私、文体とかで作者をあたることが致命的に下手なのですが(読む能力が低すぎて)、どんなにエグいことを書こうとも読者に読ませきる暴力的なくらい魅力的な言葉運びに心当たりが・・・。

この方、きっと何を書いても読みたくなる書き手さんだ。
ジャンルとか登場人物とかではなく、文章そのものが読者のこころを握っちゃう系。作者さんに、この世はどんな風にみえているんだろう。

もうわたし、明日入道雲をみたら変な笑いがでるから絶対に晴れるなよと思ってるし、朝ごはんに予定していた食パンとしばらく睨み合ったけど冷凍した。圧倒的敗北。

タイトルの謎を誰か解き明かしてほしい。だって切る髪は(ピー)

この文章でこのストーリーとか、時空が捻れたとしか思えない。エヴァじゃないけど、読者はみんな「こういうときどんな顔すればいいかわからないの」になっていたと思う。ラストとかもう、私たちどこに連れてこられちゃったの。

続編(別の話でももちろん)を強く強く希望します…!

17. 「カノ姿」ヤマダヒフミさん

Twitter https://twitter.com/kirinoryuuichi

小説家になろう http://mypage.syosetu.com/213983/

note https://note.com/yamadahifumi

破滅派 https://hametuha.com/doujin/detail/yamadahifumi1/

決定的に終わってしまった何かについて振り返るお話。
もう会えない誰か/何かが自分の中に残した空洞のかたちを確かめるのはとても切ない。

こんなにもわかりあえる、私たち似ているね、という相手ではなく、
あまりにも違うのに、主人公の最奥をわかってくれる存在(もしかして通常のひとではないのかもしれない感じもする)はたぶんもう二度とあらわれないだろうことがわかっていてのラストシーンがしみじみと痛いお話でした。

第2回〈詩・俳句〉部門・グループF

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18. 「寒い夏」草野理恵子さん

Twitter @riekopi158

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文学賞の世界 https://prizesworld.com/prizes/name/%E8%8D%89%E9%87%8E%E7%90%86%E6%81%B5%E5%AD%90

「おはなし皿」に続く、二作目の登場。六枚道場の「詩」部門と言えば草野さんですよね・・・。恐怖がほらすぐそこに。

バイオ系マザーホラーの趣がありますので、茂木さん(「青の母」)の挿絵でリーフレットになってほしい。

3段落目の「母」は冒頭の「ははのようなひと」ではなく、「僕」の未来の姿で、延々と再生産しているのではないかと思ったのですが、違うかな…。

「僕」は多分男の子で?、2次性徴を迎えないまま「母」になろうとしているのがとても倒錯的で歪んだ魅力がありますよね。

19. 「踏みつけられれば苦しいという」野村日魚子さん

note https://note.com/gtgquzlc/archives/2019

Twitter 真っ白になってる!

5句のうち、果たして踏めるものがあるんだろうか。

例えば(そんなこと思ってないですけど)「この句はひどい出来だ」とか言って作者さんのこころを踏むことは出来るかもしれません。

でも、そんなことで、
4句目(こちら大好きです)でわあっと持っていかれた私の感動だとか句がもつ力自体を踏むことは出来ませんよね。

踏みつけることって何だろうな、と、いつまでも考えてしまいます。