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ブチギレる女は美しい

前々から言っているが、真の女子力とは「瞬時にブチ切れること」だと思う。

不公平を感じた時は、逆転裁判ばりに派手なフォントで「意義ありィィ!!!」を口にする。

ナメられを感じた時は「アンタバカァ!?」と、アスカのようにキレ散らかし、
「何様のつもりよ?!」と、涼宮ハルヒばりに高圧的に「怒り」を表現する。

その早きこと稲妻のごとく、瞬発力の勝負とも言えるそのスピードで、怒りのエネルギーをぶちまける。
それこそが『女子力』。
泣く子を黙らせ、古い価値観のジジイどもをぶちのめす。いまだに奢り奢られ論争でぐだぐだ言ってるチー牛ですら「僕に奢らせてください」とひれ伏すような圧倒的パワー。すごいぞガストン、イケてるガストン、って感じで、とにかく圧倒的な火力、筋力、瞬発力。

「私は、お前に、意義がある」という、超絶わかりやすい意思表示を、ためらいもなくやってみせる。それが出来る女が1番女らしい。
女の怒りは美しい。生命力に溢れ、魂の躍動を感じる。


つまり、女は怒り。女は炎。
サラダを取り分け、つつましくグラスに酒を注ぎながらキャバクラさしすせそを言うなんて、化石の価値観。誰がそんなことやってやるもんか。そんなものはお前がやれ。私はやらない。そういう心構えが「女らしさ」だ。
そんなことを、よく思う。

とはいえ、私はわかりやすくINFP。内向的で自責の念が強く、うまく人を怒ることは苦手だ。集団の中で意見を言うのも得意ではない。

嫌なことがあったら怒る前に落ち込むし、素直にブチ切れられる人を羨ましく思う。
人前で怒っている人は愚かだと思う反面、人前でも屈せずに、まっすぐに怒りを口にできる意志の強さは見習いたいといつも思う。





先日、父親が入院したというので、心配して家に電話をした。

父は昔から身体が弱いので、色々な制限事項があるのだが、それをたまたま破ってしまい、夜中に病院へ運ばれたらしい。

母が日頃どんなに気をつけて食事を作っても、どんなに気を配って生活を共にしていても、
自分の目を離した隙にそれをされてしまったらどうしようもない、と、責任感の強い母は怒っているに違いないと思って電話をかけたが、案の定ブチ切れ散らかしていて安心した。

こう言う時、「あーあ、あんなに気を付けてケアしてたのに」なんて言って落ち込まれていたら、私としても心配になる。
大人なんだから、お父さんの身体の責任はお父さんのものだよ、と励ました。

母の責任感はとても素晴らしいし、根底にグランドキャニオンみたいに深い愛情があるのもわかってる。
愛してるから、日々ケアしてても苦じゃないというか、責任感は愛情の裏返しなのだ。

わかってるけど、もうお互い定年退職した老人なのだから、相手の面倒を見るのにだって限界はある。犬じゃないんだから、冷蔵庫に鍵をかけるワケにもいかないし、父だって最近体調が良くて元気だったから、大丈夫だろうと判断したんだと思う。誰も悪くないけど、この件でお母さんが落ち込んでいたら、私は本当に心配したし、悲しくなったと思う。
「こんなに気をつけていたのに守れなかった」とか言われたら、泣いてしまう。

でも、違って良かった。


「ダメって言ったじゃん!!!!もーーー、バーカバーカ!!!」と言って存分にキレ散らかしているが、
結局は入院手続きも、26年間に渡るあまりに長すぎる病歴も、入院するたび毎回巻き物が出来るのではないかと思うほどの量の様々な書類や同意書にサインして、面倒を見てくれているのは母なのだ。
夜中に病院に連れてって、いろんな手続きをして、夜中の3時に車で家に帰ってきて、翌朝また様子を見に行く。予約してた旅行のキャンセルをして、代わりに楽しくもない入院費用を払うのだ。


私は、母のパワーに頭が上がらない。
普通の人間は、こんなことを26年も続けていたら、鬱病になってしまう。私だったらきっとなってる。そこにどんなに愛があっても、人の面倒を見ると言うのは、すごい労力が要る。

普通の人間は、その労力で燃え尽きてしまって、怒りのエネルギーなんて出てこなくなると思う。私だったらきっとそうなってる。
「なんでまたこうなっちゃったんだろう…」とか思って、でもそれを本人に伝えるのは可哀想だなと思って言えなくて、負のエネルギーが体内に充満して、死神に取り憑かれたかのような顔をして、ジメジメしてしまいそうな気がする。

しかし、母は違う。

「なんでそんなことするの!!!!」
「もーーー!!!ふざけんなばーか!!!」
と言って、
いまだにブチ切れ、怒り、その思いをまっすぐ父にお届けする。

その素直さが、その真っ直ぐさが、
愛の正体ですと言わんばかりに。


その姿を、私は美しいと思った。

父はしょんぼりして「ごめんなさい」と言っていた。
私はお父さん子だし、父が母に怒られてしょげてる姿を見るともう可哀想で可哀想で、つい擁護して「まぁ、あんまり怒んないであげてよ」と言ってしまうんだけど、

どちらかと言うと、いつも母親が正しいと思っている。
全て母が正しいでございます。全ハ。

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エネルギーの総量が違うっていうか、詰んでるタンクの大きさが違うって言うか。「母親」って、とにかくすごい。エネルギー量がすごい。

人は、落ち込んでるよりキレてる方が良い。
穏やかに暮らしたいけど、むしろ、穏やかに暮らすために、素直にキレ散らかすことが大切なんだと思う。

アンガーマネジメントとか言ってないで、本当の意味で怒りを手放したいなら、怒りを口から出した方が良い。解決が早い。

言わなくて良いことはもちろんあるけど、
思ってることって、基本的にちゃんと相手に言った方が良い。相手のことを大切に思うなら、なおさらだ。

察して文化は、俺たちの代で滅ぼそう…。
女は火力。誰よりも強く、まっすぐに炎を口から出した方が美しい。意思も感情も、全部しっかり口から出す。ひるまない。ドラゴン文化に進化した方が良い。国民全員リザードン。だいもんじで、この世の不満を燃やし尽くそう。男どもは、愛の炎を思い知るが良い。その火力の前にひれ伏して、女という美しき炎を崇め奉ると良い。

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