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いまだにタトゥー入れたい

色々あって、私の大好きで最も尊敬する偉大な上司に相談事をしたら、「難しいよね〜」と笑った後に「まぁ、人生はそれぞれだから、他の人のことは気にしなくていいよ。放っておきな。」という返答があり、私は号泣した。

行く宛のない怒りを抑えきれず、愚痴る人もいないので不満が大噴火し、かといって派手に怒ったり、苦言を呈したりすることも上手くできず、心がめちゃくちゃになってしまった私は、
「自制心こそが強さ、冷静さこそ熟達」と心の中で一万回ほど唱えたが腹の虫が収まらず、自制心なんてあるかーーッッ!!となり、上司に泣き付いたのだ。

こんなしょうもないことにも丁寧に、ちゃんと回答してくれる上司の器の大きさに心から尊敬と感謝した。いつでも心に余裕があって、視野が広くて、「まぁ、人は人だからね〜」という一言で、他罰的な人間達のキーキー騒ぎ立てる攻撃をぬるりとよけて、「まぁ、放っておけばいいよ〜」と笑って、自分のすべきことを淡々と進めていく上司、人間として魂のランクが違う感じがあって本当にすごい。一体どんな訓練をされたらこうなれるのか。一万文字インタビューがしたい。どんな人生を歩んできたらこんなに人格者になれるのだろうか。想像もつかない。
「忍耐は美徳」みたいな風潮は古いとは思いつつ、頭が痛くなるようなヒステリックな意見を2時間くらい聴いても「うんうん、そうだよね、わかるよ。」と微笑んでくれそうな、凄まじい忍耐力が見えて、さすがに美徳だなと思わざるを得なかった。すごいんだもん。自分の父親を思い出した。子供が意味不明のワガママで泣きじゃくってても、「うんうん、今日は辛かったよね、でも明日は〇〇に行こうねぇ」みたいに、寄り添いつつも上手くコントールしてくれる感じ。美しいな、と思ったし、実際今回「そうだよねぇ、難しいよね」と気持ちに寄り添った言葉が出てきた瞬間、ありがたさと嬉しさと、そんなことを聞かせてしまった申し訳なさで、涙がポロッポロ出てしまった。

私は上司のように頭も良くないし、さまざまな技量もないにしろ、この余裕たっぷりの姿を見るたびに、自分もこういう社会人になりたいと強く思う。
実際、誰かに寄り添ってあげることって、すごく難しい。「寄り添いは人を救えない。真の優しさは説教。」と思っていた時期もあったけど、実際、この場面で説教されていたら、私はブチ切れて会社辞めるとか言い出していたかもしれない。もし仮に説教を始めるとしても、開口一番はやはり「そうだよね」とか「大変だったね」とか「話してくれてありがとうね」とか、なんでもいいから一回気持ちを汲んで欲しいものだと思う。
この一言だけでいい。そんなら簡単じゃんと思うかもしれないけど、これが言えないで人から敬遠されている人って沢山いる。プライドが邪魔をするのか、非合理的な仕草だと吐き捨てているのか、マウント取ってるのかなんなのか知らないけど、嘘でも寄り添えない人って、心底損をしていると思う。機械だって定義づけてやれば寄り添えるよ。でも、どういうわけか人間は、人間に寄り添ってもらいたいのだ。人に励まされたいし、人に認められたい。人間の言葉で励まされたい。なんでかはわからないけど。言葉には血が通っているように思うからかもしれない。

「人生はそれぞれだから、他の人のことは気にしなくていいよ。放っておきな。」という上司のかけてくれた一言を、私は一生大切にするだろう。
同じことを他の誰かが言ってくれてももちろん嬉しいけど、尊敬する人にかけてもらった言葉だから、余計に嬉しかった。
この話をするまで、「なんでこの人はこんな言い方ばかりするんだろう」と、怒っていたし、傷付いていたし、なによりすごく悲しかった。感情的に言い返されるから、ついこちらも感情的になりそうで、言葉を選ぶたびに消耗していくし、相手の気持ちを汲み取るとこが業務の一部みたいになっていて苦痛だった。その本人も悪気があって言ってるわけじゃないってわかってたけど、先に耳に届くのは言葉だ。心じゃない。だからいつも反射的にストレスが積み重なっていく。

でも、「あー、これって本当に気にしなくていいんだ!笑」と思えた。相手を悪くいうでもなく、私のことを気にし過ぎだの繊細だの責めるでもなく、「うん、まぁ、放っといていいよ。」という超的確な表現、ありがたすぎて涙が出る。よくよく考えたら、これ言われるの2回目だった。すっかり忘れていた。なんてことだ、私の脳みそって愚かすぎる。
タトゥーにして忘れないよように刻んでおきたい。日本語だとあからさますぎるから英語にでもしてさ、刻んでおきたいよ。

𝕐𝕠𝕦 𝕔𝕒𝕟 𝕝𝕖𝕒𝕧𝕖 𝕚𝕥 𝕒𝕝𝕠𝕟𝕖.

可愛いじゃん。いまだにタトゥー入れたいとずっと思ってたけど、ルーツとか、自分のアイデンティティとか特に入れたいものが思いつかなくて困ってたから、丁度いいなと思った。

世の中には、無視したり、無下にしてはいけないけど、放っておいていいものもある。気にしなくていい。それを忘れずにいたい。私は私の、やるべきことをやるのみ、である。

このお金で一緒に焼肉行こ〜