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自分のことではない様な

人は、あまりにもショックなことがあると
その出来事がどこか他人事の様に感じるという。
 
夫の不倫してました激白を聞いたその時の私も
まさにそういった状態で。
 
衝撃のダメージは体にしっかりと残っているのに
それと自分に起きた事が繋がらない。
頭がホワーッとしていて、思考が停止する。
ただ、何かが頭の中でグルグルと回ってる。
何なのかは、わからない。
耳が遠くなった様な…そんな感覚。
 
 
触らないで
と叫んで泣きながら一階へ降りた私を追いかけて
夫も降りてくる。
 
子供は、ただならぬ私の様子に驚き
『お母さん。』
と言って抱きついてきた。
 
『◯◯ちゃん、ごめん。ごめんなさい。』
と焦った様子で言う夫。
 
ごめん…??
ごめんで済んだら警察いらんわ
とか昔はよく言ってたよなぁ…。
 
いや、ホンマに!!
ごめんで済んだら警察要らん!!

 
もう何を言われようと、私の耳には入らない。
拒絶モードに入ってしまっているのだ、私自身が。
 
『ごめん。ごめん。愛してるねん。
◯◯ちゃんと、△△(子供の名前)のこと
愛してるねん。ごめんなさい。』
と繰り返す夫。
 
自分がしでかしてしまったことを
起こしてしまったことを
もしかしたら色んなものを壊してしまったかも
しれないという事実を
無かったことにしたいかの様に
必死で謝り、私をなだめようとする。
 
でも、そういうのは冷静な相手に対しては
ある程度効果があるとしても
私の様に取り乱してしまった人間には
逆効果になるだけ。
 
ダメだ。
夫の言葉…、いや言葉だけじゃなく夫の何を信じれば良いのかわからなくなってしまった。
 
というより、私自身を信じられなくなった。
私の判断や、私の感覚…
そういうものを私自身が信じて良いのかわからない。
 
『やめて、やめてー!寄ってこないでー!』
と拒絶反応を示す他、何もできなくなってしまった。
 
『わかった。わかった…。もう寄らないから
落ち着いて。とにかく落ち着いて。』
 


 
自分に起きた事があまりにも大きすぎて
処理しきれなくなった私は、2階に上がり
とりあえず横になった。
 
何かを考えようとするけれど
頭が焦げ付いて何も考えられない。
ただただ、涙が出てくる。
目も腫れて、泣きすぎて頭も痛くなってきた。
痛い、色んなところが痛い。
 
一番痛いのは、心…?!なのかもしれない。
もしかすると自尊心とかプライドとか
そういうものなのかもしれない。
 
パニックなのにどこか他人事。
ショック過ぎて、ガラスの向こうの出来事の様。
まるで、離人症といわれる症状みたいだ。
 
しばらくして、私は疲れて寝てしまっていた。

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