六角橋仲見世商店街彷徨
昨夜もこのバーで酔いつぶれたようだ
いつものようにピン札を置いて店の外に出ると、狭くて長い商店街を歩き出す
様々な匂いが空腹を責め立てるように漂っていた
狭い商店街は人と売り物のガラクタと臨時の屋台がひしめき合っていて、前に進むことが難しい
焦っては駄目だと言い聞かせていても背中に冷たい汗を感じ始めていた
もうすぐ、あれが通る筈だ
そして、それは現れた
チンドン太鼓を先頭に、サキソホン、インディアンの羽飾りを被った陽気な大男、続くにぎやかし達が人混みをすり抜けて来る
何十回目か
初めて彼等を見て以来、この商店街から脱け出すことができないでいる