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戦略③ プロテクティブ・スプレッド

①と②はボラティリティ無視でしたが、ここではボラティリティに焦点を当てたスプレッドになります。
なんとなく一撃必殺の要素が大きいスプレッドなのでカツカレーの写真にしてみました。

1. プロテクティブ・コール

2. プロテクティブ・プット

表からもわかるとおり、オプションのデルタは先物によって消しています。すると、ガンマ・ベガがプレミアムの決定要因として強く作用します。一方でセータがマイナス要因として残りますので、時間の経過が敵になるスプレッドです。

個人的には、イベント前に仕掛けることがよくあります。よく大きな経済指標発表時には数日前からIVの増加がみられます。

そして、経済指標発表少し前にIVはピークを迎えます。その後、オプションの利益確定に合わせてIVが低下(プレミアムも低下)、そしてまたIVが高まっていきます。

サプライズがあった場合のIVの変化。いったんIVが下がることが多々あることに注意。

このとき、ポジティブサプライズであれば、プロテクティブ・コールを組んでいた場合は大きな利益となるでしょう。ネガティブでも利益になります。
一方で予想並みである場合はIV低下後、そのまま低IVとなるので損失となります。

また、オプション建玉が溜まっている価格に到達しそうな場面でも使えます(イベントよりもこっちの方が多いかも)。
例えば、相場が上がってきているとき、建玉が溜まってる価格に差し掛かると踏み上げの可能性と反落の可能性があります。踏み上げの場合はIVの急上昇を伴いますので、まさにぴったりではないでしょうか。

このスプレッドの優秀な点は、どちらに動いても利益を得られる点です。例えばプロテクティブ・コールを組んだ際、上昇相場であればそのままコールから利益を得ることができます。一方で反落しても、先物売りで利益になるほか、コール側のIVが上昇(原資産価格の下げによるコール需要)する可能性が高く原資産が下げても利益となりうるからです。
ただ、時間が最大の敵となりますので、決済は即座に行うことを推奨します。

【メリット】
① 利益を得られる可能性が高い
② 証拠金が少なくて済む
【デメリット】
① ボラティリティがないと損失となる。
②時間との勝負


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