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真珠腫性中耳炎という病

先々週のこと。

主治医の先生から左耳の聴力が悪いのを指摘され、CTを受けることになった。

今朝そのCTの結果が出たのだが

昨年に比べると、何やら不穏な影が大きくなっていた。


私の患っている病気の名前は、真珠腫性中耳炎という。


簡単に説明すると、耳の中にたまった耳垢や出血などが名前のとおり真珠のような塊となり、大きくなってくると鼓膜を突き破り、耳の機能をことごとく低下させてしまう病気だ。


私は生まれつき耳が弱く、幼少期から中耳炎や耳の出血などがあったが、その都度近くのお医者さんにかかる程度だった。


この病に危機感を覚えるようになったのは、実は30代を過ぎた頃からだ。


当時は仕事第一で毎日を送っていて、

自分の身体の異常を異常と思わず、とにかく朝から晩まで働くことにしがみついていた。

今思えば、当時の自分がもっと早く自分の耳を大切にしていたら良かったのに、と悔やんでいる。

自分を放ったらかしにしていた代償を今の自分が受けている。


ある日、気づくと耳だれがやたら頻繁に出るようになった。

耳の中が耳だれでタプタプしてくると周りの音が全然聞こえないので

バックルームで耳の中に綿棒を突っ込んでは耳だれを拭い、毎日毎日1箱ずつの綿棒を全部使いきっていた。


そのうち、めまいもひどくなり始めた。

近くの耳鼻科に診てもらってはいたのだが、薬を出してもらう程度だった。


めまいと同時に、今度は白い粉がパラパラと耳から出てくるようになった。

(後に主治医の先生から聞いた話で推測すると、白い粉は真珠腫で耳の骨が溶けたものだと分かって愕然とした。)


そんなある日。

朝からめまいで全く動けなくなってしまい、救急搬送されることになってしまう。


一旦は帰宅しようとしたが自分で歩くことが出来ず、一時入院をする。

当初、診てもらったのは外科だった。

めまいの原因がよく分からないとのことで次に耳鼻科に移った。耳鼻科の先生に自分の耳の状態が深刻であることを告げられた。

しかもその病院では対処出来ないし手術出来ないと説明された。

私が転院しなければならないのは、耳の手術が可能な執刀医が在籍する大学病院か医療センターのどちらか二択だと知る。

私は、医療センターに転院することになった。

右の耳は真珠腫で破壊寸前だった。左の耳にも真珠腫が何個か出来ていた。真珠腫によって鼓膜が破れ、聴力は低下し、めまいの症状が止まらない。


私はようやく手術をしなくてはならないほどの病であることを自覚する。


それから、医療センターでお世話になること6年。


右の耳を2度、左の耳を1度、3度の手術をしてもらった。

今朝のCT結果を受け、左の耳も2度目の手術が確定。


通算4回目。気乗りしないが、もう常連だ。


病気を患うようになってから(自覚するようになってから)

不自由なことがたくさんあり、気持ちの浮き沈みも激しいが、

主治医の先生をはじめ関わって下さる方々に恵まれており、今は安心して治療をお願いしている。


次の手術入院はコロナ禍ということで面会等の制限もあるし、感染状況によっては私の手術の予定も変わってくるかもしれないと説明があった。


耳の手術は全身麻酔なので麻酔がとけてからの痛みや怠さが辛く、手術は何度しても慣れるものではない。


が、悪いことばかりではない。

入院生活には良いこともある。

病室の静けさの中での読書時間は、

普段の生活ではなかなか持つことの出来ない豊かなひとときだったりする。

(イヤホンがNGだからテレビはつけないし、面会が無いなら尚更だ。)

持っていく本のチョイスだけは、入院生活の中のささやかな楽しみだ。


追記。

左耳の手術日が、岐阜スゥープスの最終戦直前になってしまった。

退院が間に合わない。

最終戦の不参加確定だ。

病はいつも突然にやってくるものだ。


ガッカリしていた矢先、リリースがあった。

荒川選手がシーズン終了を待たずして肩の手術をするらしい。


心強い手術仲間が出来た。


本音を言うと、やっぱり手術はイヤだ。

耳の後ろを切開するから術後も出血が多く、枕や髪の毛にいっぱい血が付着する。
神経が通っているところに近い部分の手術なので味覚神経がまた麻痺するかもしれない。


でも、ひょんなタイミングで手術仲間のお知らせ。


これはガンバれってことだね。


荒川選手、私もガンバるね。

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