ニンジャスレイヤーTRPGソロリプレイ~ミッション・フロム・シルバーフェイス~
ミッションその9・野生のアーチソウル
※サンシタ級文章力注意な※
※このリプレイにおけるバカシ・ニンジャクランメンバーの言動は独自解釈でありオケガワ/Toui氏に一切の影響を与えるものではない※
※わかったか※
ネオサイタマ特有の重酸性雨に濡れたコートで身を包みながら、少年めいた面影を残す男ことデッドチェイスがすっかり馴染みとなったワイルドネス・ドージョーに向けて歩いていた。
今回の依頼人であるシルバーフェイスは手頃なソロミッションをいくつも用意しており、繰り返しこなしているうちにいわゆる顔馴染みという奴になっていったのだ。その縁でサツバツナイトなる謎のニンジャとカラテを磨く機会を得たりもしたのだが、それが語られるのはまた別の話である。
◆◇◆
デッドチェイスはシルバーフェイスの待つ部屋へ到着すると、ノックを二度繰り返し入室する。「ドーモ、デッドチェイスです」
そういえば途中ですれ違ったブレイドアーツがなにやらニヤけ面でデッドチェイスを見ていたが「ワッザ!?」
「ドーモ、シルバーフェイスです。言いたいことはわかる。修行をしてきたらこうなったんだ……」
そう語るシルバーフェイスの姿は以前と明らかに変わっていた。中性的だった銀のワーキツネは髪が伸び、胸は平坦なものの身体はオイランめいて魅惑的な曲線を描き、自然な内股になっていてヒールの入ったレガースがモデルめいて長く扇情的な膨らみのある足を強調する。が、彼は男だ。
だが待ってほしい、カワイイに性別が関係あるのだろうか?体は大人なのに胸が平坦とか最高では?率直に言って前後「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」インガオホー!デッドチェイスの邪に満ちた視線に制裁!「キミまでそんな目を向けるとは。ブレイドアーツ=サンから何か影響でも受けたのか……」
「そんな事はない。オレもモータル時代に怪しい男から声をかけられた事があったが、今なら彼の気持ちも分かるようになっただけだ。というわけで一晩前後「次は急所だぞ」「アッハイ」
ニューロンに浮かぶボールブレイク体験談を語るブレイドアーツの姿。
デッドチェイスは真顔で頷いた。
「では改めて。今回は危険の伴う任務だ。カミカクシと言われている事件を知っているな。あれはバカシ・ニンジャクランのアーチ級のジツが絡んでいる。カラテはたいしたことはないとはいえ、生半可な実力では死にかねない。キミの力を見込んでの依頼だ」
バカシ・ジツ。ゲン・ジツの一種という認識でしかないのだが……。
「何か対策はあるのか?」
「え?バカシ・ジツの対策?…そうだな、あり得ない現象を自信をもって否定することだ。あとは本体を殴ることだな」
なかなか難しい事を仰る。この裏社会に入ってからニンジャには驚かされっぱなしなのだ。「となると、本体を狙えばいいわけか。そういう事なら話は早い。腕っぷしだけには自信があるんだ」
標的のニンジャはフェイクオーラム。
ワーキツネのニンジャだ。相手をキツネスタチューに変えてしまうという
一撃必殺級のジツを持つ、 恐るべきニンジャである。
「ドーモ。吉報を待っててくれよ」
デッドチェイスは礼儀正しく扉から退出した。ジツ偏重の気乗りしない相手だが、仕事は仕事だ。誰であろうと追い詰めて殺す。
さあ、いつものように、名が示すように、その身一つで死を追いかけよう。
「まあ、ハズレ・ニンジャさんと戦うのね?」
ドージョーの出入り口に向かうデッドチェイスを金のワーキツネが呼び止める。その体は豊満だった。
「ドーモ、アンタはたしか、マドイ=サン」
詳しい事は知らないが彼女はバカシ・ニンジャクランのアーチ級ニンジャらしい。ウカツに怒らせてしまえば命はないとも。
軽く紹介された時にアイサツしたきりだったが、ソウルは彼女に最大限の警鐘を鳴らしていたのを今でも覚えている。お互いの命をチップにしたイクサこそがデッドチェイスの至上の喜びなのだ。訳も分からぬままジツで死ぬのは御免だった。
彼女もジツに特化したニンジャらしくカラテを磨いてないというのもあり、あまり関わらないようにしていたのだが……。
「もう、そんなに警戒しないの。アドバイスしにきたのよ。彼は相手をキツネに変えたあと、真鍮にしてしまうという手段をとるわ。全身を真鍮に変えられると簡単には元に戻れなくなってしまうの」
「わざわざキツネに変えてからかよ。随分と悠長な事をしやがる」
生物でなければバカシは通じない、ということなのだろう。なんにせよ相手の攻撃には猶予があるということだ。
「それとこっちはプレゼント」
一枚のオフダを渡される。渓流が描かれた涼やかなオフダだ。
「バカシのエンチャント・オフダよ。これを持っていれば自力でジツを解けるし、バカシをかけられても自我を失わなくなるわ。ただ動けなくなってしまうとやっぱりどうしようもないから、その時は私が助けてあげるわね」
それは今のデッドチェイスには何よりもありがたい対抗手段。彼女は純粋に親切心で声をかけてくれていたのだ。
((それに比べオレはどうだ。いささかブレイが過ぎていないか))
デッドチェイスは己の先程までのシツレイな態度を思い返し、深く恥じた。
「ありがとうございます。ではオタッシャデー」
「ええ、いってらっしゃい。オタッシャデー」
オフダを懐にしまうと、デッドチェイスは振り返ることなくドージョーを後にした。
◆◇◆
ゴールデンフォックス・ヤクザクラン事務所
今は誰もいない。
一滴の血も流れず、そこには誰もいなくなった。
…いや、一人、いる。
金に輝くワーキツネのニンジャ、フェイクオーラムが。
「ゴールドがいっぱい!もっとゴールドに溢れたい!」
今は美しい女性の姿のフェイクオーラムはもともと失業しスリをしていた
みすぼらしい男だ。
違法パチンコや電子ドラッグなどの目先の快楽に溺れ、瞬く間に財産を使い潰した。
路頭に迷っていたところニンジャソウルが憑依。道行く人を金のキツネスタチューやアクセサリに変えて売り捌いていったのだ!
バカシの性質上、生き物を狙う必要がある。
これにて足がつき、シルバーフェイスのキツネ耳に入った、ということだ。
ちなみに金ではなく真鍮なのだが、彼は気付いていない。
◆◇◆
絶え間なく重酸性雨が降り注ぐネオサイタマの一画。
ゴールデンフォックス・ヤクザクランの前にデッドチェイスは居た。
さあ、盛大なノックをかましてやろう。
「イィィィィ……ヤァアアアアアーーーーッ!!!!」
KRAAAAAAAAAAASH!渾身の前蹴りを受けたドアはその勢いを余すところなく壁に伝え破損!音を立てて倒れ込む!
デッドチェイスが事務所内に踏み込みコートを脱ぎ捨てると、ダークブルーに染まったニンジャスーツとバンテージをメンポめいて巻き付けた姿が露わになった。「オジャマシマス!」
その入り口は異様なアトモスフィアに包まれていた。真鍮のキツネスタチューがたくさん置いてあり、守るように道を塞いでいるのだ。
そして、その内の三体のキツネスタチューがデッドチェイスへ襲いかかる!「オウオウ、お出迎えってわけか。いいぜ、かかってきな!」
先頭のキツネスタチューが上半身めがけ飛びかかる!デッドチェイスは上体を反らして回避!二番目のキツネスタチューが下半身めがけ飛びかかる!デッドチェイスは前方宙返り回避!三番目のキツネスタチューが着地際めがけ飛びかかる!デッドチェイスはハンドスプリング跳躍によりバネめいて回避!
回避されたキツネスタチューたちは壁にぶつかり運動を停止!
それと同時に奥から今の攻撃の主が現れる!
金属光沢毛皮のワーキツネのニンジャである!
「ドーモ、フェイクオーラムです。お前もゴールドにしちゃうぞ!」
「ドーモ、デッドチェイスです。お前のデッドがチェイスしにきたぞ!」
イクサの始まりだ!
先手はフェイクオーラム!先程のキツネスタチュー攻撃を再度放つ!
リピートめいて飛来する三匹のキツネスタチュー!だが軌道が変わらぬのであれば話にもならぬ!デッドチェイスもリピートめいて回避!
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」距離を詰めて牽制の左カラテパンチ!
直撃!
「どうしたどうした!カラテが足りないぞフェイクオーラム=サン!」
「クソッ、ゴールドにしてやるー!」距離を取ったフェイクオーラムはフェイクゴールド・スリケンを二連投擲!
デッドチェイスはニンジャ跳躍力で飛び越え回避!そのまま攻撃に移る!「イヤーッ!!」サツバツ!!
ALAS!あのバウンドボールを仕留めたギロチンめいたカカト落としである!
「ウワーッ!!」しかしフェイクオーラムはかろうじて回避!再び距離を取りながらキツネスタチュー攻撃を繰り返す!「キツネになれー!」
しかし軌道は変わらずデッドチェイスはリピート回避!「イヤーッ!!」
「ウワーッ!!」距離を詰めてのアッパーカット!だがフェイクオーラムはこれまた回避!再び距離を取りフェイクゴールド・スリケンを二連投擲!
「イヤーッ!」「グワーッ金属化!」なんたる事か!二枚の内一枚が命中!
ガードした左腕が真鍮と化す!
「ゴールドヤッター!」「ザッケンナコラー!イヤーッ!!」サツバツ!
怒りに満ちた右足は吸い込まれるように急所に飛び込む!「ウワーッ!!」
しかしフェイクオーラムは逃げるように回避!「キツネになれー!」
三度キツネスタチュー攻撃!「グワーッキツネ化!」左腕のせいで回避がままならぬ!全段直撃!「キツネカワイイヤッター!!」
(((調子に乗るなッコラーッ!!)))シルバーフェイスは本体を殴ればジツが解けると言っていた!ならばここは攻撃に全ニューロンを集中させる他ない!「SHAAAAAAAAR!」「グワーッ!!」SLASH!キツネの右爪がフェイクオーラムの顔を切り刻む!PON!と音を立ててデッドチェイスのバカシ・ジツが解除された!
「ブッダミット!今のは負けを覚悟したぞテメー!!」
「チクショウ!もう一回ゴールドになれー!」フェイクオーラムは距離を取ってのフェイクゴールド・スリケン二連!痛みからか狙いが杜撰!
デッドチェイスは難なく回避し再びカラテ!「イヤーッ!!」
「ウワーッ!」フェイクオーラムは逃走回避!「キツネになれー!!」
四度キツネスタチュー攻撃!この攻撃だけは受けるわけに行かぬ!
デッドチェイスは2体のキツネスタチューを避けるとニューロンを加速させ最後のキツネスタチューの軌道を見切った!ブレイクダンスめいた回避運動からのハンド跳躍ドリルスピンキック!!「イヤーッ!!」サツバツ!!
ゴウランガ!コンクリート壁10枚をぶち破るであろう重機めいた渾身の一撃は再びフェイクオーラムの急所へと吸い込まれる!直撃!工事完了!
「アバーーーーーーッ!!!」
◆◇◆
「よう、フェイクオーラム=サン。痛みに悶えてるところ悪いがインタビューの時間だ」
うずくまるフェイクオーラムの首に脚をかけ体重を乗せる。反抗しようものなら即座に首の骨をへし折られるだろう。
「あァン?こいつらの大半は戻せねえの?」
残念ながら聞き出せたのはフェイクオーラムのロクでもない経歴と、二度と元に戻ることのない哀れな被害者が出てしまったという事だけだった。
「ハイ!ゴメンナサイ!」うずくまったフェイクオーラムは震えながら機械のように謝り続けている。
さて、どうしたものか。処理については一任されているが……。
1.このままカイシャクする。
2.やられた分をやりかえそう。拷問する。
3.カエサルのものはカエサルに。ワイルドネス・ドージョーへ連れて帰る。
ファック&サヨナラを考えないでもなかったが、コイツでは品が足りない。
せめてシルバーフェイス=サンぐらいの色気を出してもらいたいものだ。
というわけでバカシ・ニンジャクランの問題はバカシ・ニンジャクランに。
「よし、カイシャクはなしだ。お前は一旦ワイルドネス・ドージョーに来てもらう」「ハ、ハイヨロコンアバーッ!?」
首にかけていた脚をそのままフルスイング!フェイクオーラムは頭部を強打し失神!デッドチェイスは米俵めいて担ぎ上げると帰路につくのだった。
◆◇◆
ワイルドネス・ドージョーの一室。
「ドーモ、シルバーフェイス=サン。終わったよ」
「危険な任務お疲れ様。興味深いジツだったな。君にもそんなジツがあるんじゃないか?」
「どーだろね、何かしら目覚めてほしいがソウルの方はうんともすんとも言ってくれねえや」
「…まだわからないか。ではそいつの始末をつけよう…ドーモ、シルバーフェイスです」
「ドーモ、フェイクオーラムです。ゆ、許してくれるんですかー!」
「そうだな…本来は指の数本をケジメしてもらうところだが、私はそういうの好みじゃないからな。私の元で働くなら許してやろう」
「ハイヨロコンデー!」
「どれ、カラテを見せてみろ」
「カラテ…こうか!」
フェイクゴールド・スリケン投擲!だがそれは…
「それはジツだ!イヤーッ!」
シルバーフェイスの掌打がフェイクオーラムの無防備股間にめり込む!
「グワーッ!?」
衝撃で地面に深くめり込みマントルまで届きそうなほどの激痛。目を見開き耳と尻尾をビクンと反応させ、崩れ落ちるフェイクオーラム。
「……あのー、シルバーフェイス=サン。今回のイクサの決め手、急所破壊だったんですよ」「エッ?」
デッドチェイスは、この短い間に二度も股間を強打されたフェイクオーラムの冥福を強く、深く祈った。「いやいやまだ死んでないからね!?」
※このリプレイは実際にダイスを振りながら書き上げたものであり、ご都合主義めいた展開はブッダの導きなのである。いいね?※
※俺は悪くねえ!シルバーフェイス=サンが急にPLの性癖を突きまくったのが悪いんだ!俺は悪くねえ!!※
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