3年半の塾講師アルバイトを終えて
塾講師のアルバイトを始めたきっかけは高い時給目当てでした。
求人サイトに記載されていた2400円という金額に大学1年生の僕は目を引かれ応募をしました。
そこから3年半を通じて、高時給を得ることが出来るという目的から2つ、自分が塾の講師のアルバイトを続ける理由を多くの経験を通じて考えることが出来ました。その理由は何かそしてどんな経験が起因するのか、塾講師のやってきた学びをnoteにまとめます。僕はこれまで多くのバイトメンバーが次々と辞めていく姿を見てきました。きつくもありシフト固定、講習といった数々の拘束がある中での学び経験もまとめていきます。
結論から言うと高時給を取得できるという目に見える対価以上の価値を僕は塾講師のアルバイトを通じて得ることが出来た。そんなお話です。
全体の流れを言うと僕は大学1年生の冬に先生デビューを果たしました。大学入学時から塾講師のアルバイトを始めたのですが実際に先生になるまでに半年以上の時間を費やしました。もちろん生徒に教えるだけの学力であったりそれを他者に教えることが出来るだけのスキルを身に着ける必要があるからです。
僕の記憶が正しければ国語数学英語理科社会から2科目選択しその科目の高校入試の過去問を解いて、80点以上が合格ラインだったと覚えています。高校受験をしたことがなく3年前に勉強した内容のテストを80点以上取ることはかなり難しかったです。数学と理科をその時選択(英語を選んどけばと後悔しています。)しました。結果は数学合格、理科は不合格でした。
そこまでその塾講師のアルバイトを行うことに対して執着がなかったので、他の会社の塾の講師のアルバイトを探そうとその日の帰り道に他の会社の塾の講師のアルバイトに応募しようとした時にテストを受けた会社から電話がかかってきました。
内容は
「テスト前に直前まで勉強する姿勢が素晴らしかった。もう一回テストを受けてほしい。」
正直なことを言うと、その時テスト対策を疎かにして全く勉強してなかったので焦った僕は少し早めに本部に行って勉強をしていただけだったのに相手からはぎりぎりまで勉強をすることを評価していただいたみたいです。
内心ラッキーと思っていましたが、その期待を裏切らないために再試は入念に対策を行い無事合格をすることが出来ました。
それだけでも一苦労でもあったのですが、その後の方が大変でした。
授業をする上でのマインド設定や授業の型、生徒に対してのアプローチ方法。飲食店で言う接客の仕方をみっちり教えられました。問題を生徒に出すだけでも合計5つの工程がありそれをスムーズに行わないといけない中、ひたすら本部の先生が生徒の役になって授業の練習を行ってました。練習を繰り返していた理由も後にようやく理解したのですがデビューを果たし、教室に配属されると生徒からの評価も電話対応も保護者対応もすべて同じ土俵で社員と見られるのです。多くの生徒はバイトであるということを生徒に知られていなかったので、一人の先生として他の社員と同じく見られていました。社員の方も中途半端な状態で教室でデビューさせるわけにはいかないので、本気でフィードバックをするし、まずここで何人もバイトは辞めていった人を見てきました。
生徒が問題に正解したら全力で褒める、そしてその褒める言葉も同じ言葉を繰り返して生徒を飽きさせていないか、もし生徒が問題を間違えたらその生徒にフォローする声掛けをできているか、それを瞬時に授業で展開しないといけない即興力の訓練もしていました。なので生徒役をした社員の方が発問に対して、わざと間違えてその後の対応ができているかの練習もしていました。
そんな練習を半年間繰り返し、ようやく一人前の先生として遜色なく出来た大学1年生の冬、冬期講習で初めて生徒の前に立ち授業をしました。
結果は散々、、思いもよらぬ所で生徒が間違えた時のフォローする言葉も考えておらず、沈黙が続いたり、説明するときもわけのわからない説明をして生徒の不満そうな顔を見て焦ってどんどん墓穴を掘ったり、、、
始めの教室の先生との相性もそこまでよくなく何もうまくいかない中で自分との適正が合わないバイトだと考えるとようになりました。
その教室も運がよく、冬期講習のみの契約だったので1週間後に別の教室に異動しました。
~大きな異動1回目~
2つ目の担当の教科は理科でした。正直知識はゼロです。一番予習に時間を要したのですが当時の社員の方がフォローを丁寧にしてくださり、社員の方とも生徒との信頼関係もかなり深まることが出来ました。理科社会は週に1回だけでたったの3カ月。つまり約12回のみの授業ではあったのですが、最後の挨拶で僕、生徒共に涙ぐみながら一緒に写真を撮ったぐらい仲が深まりました。この時に先生としてのやるべきことを明確化すると共に実力をつけることと最低限度の整った環境があれば、自分も先生としての威厳を保つと共に生徒に認められる存在になれることを学びました。
そして惜しみながらも3教室目、、
失ったものもありながらも今思えば、その経験が出来たからこその学び、成長が出来た教室に異動になります。
~大きな異動2回目~
異動先の担当教科は数学でした。僕の一番得意な教科です。しかしその中で担当していた学年が中学3年生でした。受験生です。一度も受験したことのなく、先生歴もまだ3カ月。そんな僕が受験生を教えるなんて無理難題だと思いました。しかし与えてくれた役割に何かしらの意図があると考え、受験生の数学を担当することになります。
正直めっちゃ大変でした。授業前の授業シートを先生に確認してもらうことから始まり、授業後は先生の前でデビュー前みたいに社員の方が生徒の役になり切り模擬授業を30分間。からの指摘意見を容赦なく言われ、1日終了の日々。
それを約半年間続けました。
大学生活もゼミの研究等に追われ両立するのが大変だった記憶があります。
~大きな異動3回目~
そんな2年半過ごしてきた教室ともお別れを告げ、次の教室は大学生活の最後の半年間いくことになった教室。担当は英語。
正直何もかもがうまくいきませんでした。
50日連続投稿の際に書いてるので詳細は省きますが信頼関係を築くという大きな壁にぶつかった半年間でした。
結果的に半年間の期間限定であったので、そのまま終わってしまった感があったのですが今までの教室では感じたことのない雰囲気や経験を感じた半年間でした。
そんな異動を繰り返した結果、大きく変わった2つの目的を最後にまとめます。
目的①
生徒の成果を上げさせるために行うこと。
自分が工夫して頑張った分だけ生徒が理解しその分だけ点数が上がることに非常にやりがいを感じていた。自分が行うことであるのであれば、自分の努力次第で点数も容易に上げることが出来る。しかし他者に対して点数をあげることは容易ではない。人によって話し方を変えたり、その生徒の解決するにあたってのボトルネックはどこなのかそのアプローチ方法にも多種多様の方法がありその生徒にとってどんな方法が得策なのか思考をしながら考えていた。難しくもあるがそのやり方がその生徒にハマり点数が飛躍的に上がった時は自分がバイトであることを忘れ、補修等も自ら生徒を呼び出し授業を行っていた。
目的②
自己成長のためにバイトを行うこと。
ある程度塾講師歴も長くなった中でよくも悪くも成績が向上することに対しての達成感が薄くなってしまった。同じ経験を何回も繰り返すということは多くの生徒の成績を上げているということにになるが、その反面僕自身のやりがいに直結しなくなってしまったのである。
それにより自分の塾講師のバイトが以前に比べてあまりわくわく経験が少なくなってしまった。それはちょうど半年ぐらいまで時に感じた。その時にちょうど僕の異動が決まったと同時に英語という新しい教科を教えることになった時期である。
その時の僕は授業の流れはある程度完成形に近づいていた。しかしそれは数学や理科に限っていた。再度中学英語の勉強を教えるためにテキストを開いてみた意外に難しい。さらにそれを中学生にわかりやすく教えなければならない。そんな時に始まった内定先の英会話講座。中学英語を駆使することで一定レベルの会話を外国人の方とすることができることを知った僕は、これまで当たり前ではあるが「生徒のため」という前提で学力向上のために先生を行っていた。しかし僕の英語の場合、自身の教養もつけることができるのではないかというマインドになった。
もちろん自分が知っている知識ではなければ生徒に教えることなんてできない。つまり予習から授業までの流れで、その勉強内容をインプットし、そして授業を通じてアウトプットできるのではないかという思考回路に帰結した。
最後に
これから社会人においても1つ1つの作業において自分の目的ややることに対しての価値付けをすることが必要になってくるのではないかと感じている。事務作業や客先訪問。そういったことに対しての価値付けをどうつけるかで自分に対してのモチベーションや作業の質も大きく変わってくるのではないかと考えている。
おそらく塾の講師のアルバイトにおいても当初の時給目当てという目的なら、受験生を教えることに対してのモチベーションも上がらず辞めたいと思っていたと思っている。中1を教えても受験生を教えたとしても時給は変わらないからだ。
しかしその状況下でも自分で思考し、いかに付加価値を付与できるかを考えたおかげで最後までやり切れた。
社会人になったとしても1つ1つの作業において自分がいかにやることに対しての価値があるのか考えて行動をしたい。
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