選挙に行って変わるのは世の中ではなく…

 若者が選挙に行かないことが問題視されている。その理由について、行っても何も変わらないと考えているからだ、としばしば言われる。本当だろうか。

 では、仮に自分の一票で世の中が変わるかもしれないという状況があれば、若者は選挙に行くのだろうか。むしろ、その責任感の重さに負けて、なおさら投票に行かなくなってしまうのではないだろうか。

 おそらく、選挙に行かない人は、若者に限らず、「得をしない」から行かないのであって、「変わらない」から行かないのではない。この二つの理由は同じようでだいぶ違う。

 いずれにしても、私は自分の一票で世の中が変わるとは思っていない。極めて低い確率では、選挙結果に影響を及ぼす可能性もあるだろう。だが、一時的に選挙結果が変わったところで、それによって国の在り方あり方が大きく変化するとも思えない。

 しかし選挙に行って変わるものがある。それは投票したその人の意識である。どこまで勉強するかは人によるだろうが、どの候補者を選ぶか、そしてどの政党を選ぶかは、必ず考えなければいけない。そして自分の投票行為に関して、多少なりとも責任感を持つことになるだろう。

 投票を決意した人は、情報を得るために他人とつながり、自分の見解を精査するために他人と議論を交わすかもしれない。その結果、他人に影響を与え、周りが変化し、ひょっとすると、それが回りに回って、社会全体を変革していくことになるかもしれない。

 民主主義国家に生きている限り、投票に行くか行かないかに関わらず、すべての国民が政治と向き合うべきであり、協力してこの国を運営していかなければならない。(これは地方自治体のケースも同じ。)

 というわけで、皆さんどうぞ選挙に行きましょう。

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