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英語を読んでみる with SEP——Husserl #1

1. 本記事の目的

 本noteの目的は、スタンフォード大学哲学専修形而上学研究室(The Metaphysics Research Lab.)が提供しているStanford Encyclopedia of Philosophy(以下の共有ページ参照)を利用して、英文法や英語表現を学ぶことである。

2. 注意書き

・本文の和訳はすべて本記事作成者によるものである。
・本記事の和訳を他者に添削してもらうことはないため、誤訳があることが考えられる。その場合はコメントなどで報告していただきたい。

3. 読解文章のページ

4. 英文読解

§1. 和訳と文構造の把握


★イントロ第1文
Edmund Husserl was the principal founder of phenomenology——and thus one of the most influential philosophers of the 20th century.
(エトムント・フッサールは現象学の中心的創始者であり、それがゆえに二十世紀でもっとも影響力をもつ哲学者の一人である)

 読解の基本は主語(S)・動詞(V)の判定にある。Sになることができる品詞は名詞と代名詞である。名詞とは「事物の名称を表す語」(杉山, p.18)で、代名詞とは「名詞のかわりに用いて、名詞を用いても表せるものをさす語」(同前, p.95)である。この規定を考慮に入れつつ、英語の基本語順が<S→V>であることを考えると、この文のSは<Edmund Husserl>で、Vはwasとなるだろう。
 Vは今回be動詞であり、それに後続する要素は補語(C)か前置詞句である。Cになることができる品詞は名詞・代名詞・形容詞である。<the principal founder>は名詞句であるためCと判断するべきだ。したがって、当文はSVCの第2文型ということになる。
 <of phenomenology>はofという前置詞から始まるカタマリであるため前置詞句であり、文の要素でいうと修飾語(M)である。前置詞句は形容詞か副詞の働きをするが、ここでは「現象学の創始者」というように直前の名詞founderを(後置)修飾していることから形容詞の働きをしていることがわかる。
 ダッシュ以下はどのように解すべきだろうか。まずは「——(=ダッシュ)」の基本的機能は「情報の追加」である。「情報の追加」という機能があるため、例えばダッシュ以下では「情報の具体化」などが起こされる。
 ダッシュに続くandは接続詞である。接続詞とは「語・句・節を連結する働きをする語」(同前, p.579)である。この接続詞という品詞には種類があるが、andは等位接続詞に分類されるものである。等位接続詞とは「語・句・節を対等の関係で連結する」(同前)接続詞である。つまり、andで結ばれるのは同型の構造ということである。例えば一の前置詞句は他の前置詞句と結ばれ、一の名詞節は他の名詞節と結ばれるということである。今回、and以下は副詞thusを除き名詞句となっている。ここからandが同型構造をつなぐかぎり、名詞句と名詞句がつながれていることがわかる。前出の名詞句はSVC構造のCにあたる名詞句<the … founder …>であり、同部分と<one of …>がつながれていると判断すべきだろう。

§2. 知っておきたい英語表現


・one of the 最上級+X(=複数名詞)
=もっとも…なXの一つ[一人]
e.g.) His seminar to peruse an academic book is one of the most exciting classes at the university.
 (一冊の学術書を精読する彼のゼミは大学の中でもっとも刺激的な授業の一つである)

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