オープン・クエスチョンで答えが出ないとき

ファシリテーションやコーチングなどでは、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンの2つの質問を活用します。オープン・クエスチョンは、回答者が自由に答えられるもの、クローズド・クエスチョンは、イエスかノーかなど限定的に回答を求める質問です。相手に主体性や自由度を持たせたいので、オープン・クエスチョンを使用することは多いですが、一昨日のPTAサークル「ファシリテーションを学ぶ会」で、「オープン・クエスチョンで答えがないときどうしますか?」という質問がありました。少しまとめてみたので参考まで。

1「問い立て」を何にするか
何についてオープンに聴くのか、テーマである問い立ては重要です。「好きな食べ物は?」と言った答えやすいテーマでスタートすることが多いですし、A4サイズのミニホワイトボードを4つに分割して4つの質問に回答する「4つのコーナー」というワークで、最初に書いてもらう左上は、書きやすい質問にします。

2 クローズド・クエスチョンを使うこともある
オープン・クエスチョンが万能という訳ではなく、相手によってはクローズド・クエスチョンからスタートすることもあるでしょう。療養休暇から復帰するために職場復帰プログラムを活用した職員と毎日短時間の面談をしたことがあります。「昨日は眠れましたか?」「朝食は食べられましたか?」といったイエス・ノーで回答できるクローズド・クエスチョンからスタートしたこともあります。

3 待つことができているか
「何でもいいですよ」と伝えて、相手が答えるのを待つことができているかもポイントになるかと思います。沈黙に耐えられず、自分の話を始めてしまった失敗例もあることでしょう。

4 本当に何でも言って欲しいと思っているか
自戒を込めてですが、「何でも思ったことを言っていいですよ」と言いながら、正解を求めてしまっているケースがあります。正解から外れた発言を受け止めずに聞き流してばかりいると、自分が思ったことでなく、上司や先生や親が求めていることを探して発言する人ばかりになってしまい、本音の議論や主体性のある議論ができなくなるでしょう。

5 答えられなくてもよい
すぐに答えられなくても、考えている時間が大切なこともありますし、その場で答えが出なくても、問いが残っていることが重要なこともあるでしょう。相手の「強み」を問うのは、辛抱強さが必要と感じます。すぐに答えが出てこなくても、「得意なことは?」「何が楽しい?」「楽しくはなくても、比較的、苦にならずにできることは?」といった質問を、タイミングを見計らいながら投げかけたりします。

「問いかけるということ」という文章を以前に書いたので、こちらも参考まで。
https://note.com/kossyhr/n/n309e82da7401

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