あなたにとっての「パンのかけら」は何ですか?
ヴィクトール・E・フランクル著『夜と霧』の読書会に参加しました。名著を読み返す機会に感謝です。『夜と霧』は心理学者でユダヤ人であるフランクルが、ナチスにより強制収容所に送られた体験を綴ったものです。
印象的な場面は多いのですが、その1つが、1日1回配給される小さなパンをどのように食べるかというところです。すぐに全部食べるという仲間たちも多いなか、フランクルはパンのかけらを翌朝まで取っておくことを選びます。
それは、収容所で最もおぞましいのが朝、目を覚ますときだからです。傷だらけの足で点呼場までむりやり向かわざるを得ず、仲間が子どものようにすすり泣く陰惨なひととき、取っておいたパンのかけらを食べるのがかすかななぐさめになっていました。
極限の状況のなかで、いかに一番苦しい時間をしのぐか工夫しているフランクルが素晴らしいです。
そして、私にとっての「パンのかけら」は何だろうと思うのです。
私の携帯の壁紙は、5月に家族で行った埼玉県の宮沢湖の写真です。美しい湖と緑の木々と青空と白い雲がホッとさせてくれます。奥に小さく映るのがカヌーを漕ぐ娘たちです。カナディアンカヌーを家族で楽しんだ時間を思い出させてくれます。
私の手帳には、高校時代の恩師からの手紙をコピーして差し込んでいます。その手紙は、「君ならきっと出来る」で締めくくられています。
あなたにとっての「パンのかけら」は何でしょうか?
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