インフォーマルグループ

インフォーマルグループとは、公式(フォーマル)な組織に対する言葉で、人間関係を軸につながった非公式な集団です。
職場の部や課をフォーマルな組織とすれば、親睦会やサークルなどがインフォーマルグループになるでしょう。
私はインフォーマルグループとの関わりが多いと感じています。職場では主査会(主査の親睦会)の幹事長を2年務めました(そして解散したので最後の幹事長)。主査会もインフォーマルグループでしょう。職場の自主研究グループの制度を活用して、3年前に「ファシリテーションを学ぶ会」を立ち上げました。コロナ禍には職場のメンバーでオンライン懇親会を開催したりもしました。
プライベートでは、PTA会長を6年務めました。学校というフォーマルな組織に対して、PTAはインフォーマルグループでしょう。ただし、PTAも十分過ぎるほどフォーマルな組織です。私がPTA会長としてまずやったのが、「おやじの会」を立ち上げることや「PTAサークル(ソフトボールやバドミントン)」を復活させることでした。また、3年前に新たなPTAサークルを募集し、自身でPTAサークル「ファシリテーションを学ぶ会」を立ち上げました。PTAを公式な組織とすると、おやじの会やPTAサークルはインフォーマルグループになります。学校→PTA→おやじの会やPTAサークル、というように、フォーマルとインフォーマルな関係は入れ子構造になる場合があります。

なぜ、インフォーマルグループが重要なのでしょうか。
インフォーマルグループは、立場を超えて本音を語り合い、主体性を発揮し、トライアンドエラーをする訓練の場だからではないかと思います。そのエネルギーが公式(フォーマル)な組織に対して良い影響を与えているではないでしょうか。

「ホーソン実験」と呼ばれるアメリカのシカゴで行われた一連の実験と調査があります。実験の結果は、「外的要因や職場環境ではなく、人間関係が労働生産性に影響する」というものでした。人間の感情部分が生産性に影響しており、それを左右するのがインフォーマルグループだったというものです。

健全で前向きなインフォーマルグループの特徴として、
① 自発的に組織化されている
② グループに属することに、誇りを持っている
③ 公式な組織のリーダーから裁量を与えられている
の3つがあります。これを知って、すぐに私はおやじの会を思い浮かべました。メンバーは自発的で、おやじの会のことが好きで、PTAからも信頼されていると思います。この週末では、おやじの会のメンバーの皆さんに、地域のお祭りで力を発揮していただきありがとうございました。良いインフォーマルグループがなければ、自分たちでつくるのも大事なことだと思います。

【参考資料】海老原嗣生著、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』、プレジデント社、2015年

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?