必要なのは「情報発信力の強化」なのか

多摩地域の30歳前後の自治体職員を対象とした「政策提案研修」のクラス講師を務めてきました。あるグループで「情報発信力の強化」を政策に掲げていました。
意地悪なようですが、私は研修効果を高めるためにいくつか質問をしました。
「情報は行政情報だけですか?」
「情報発信するのも行政だけですか?」
「プッシュ型といっても、プッシュ型の情報もあふれています。行政のプッシュ型情報だけきちんと受け取ってもらえる根拠は何ですか?」
情報発信力の強化が重要でないと言っているのではありません。しかし、せっかくの研修なので、市民や他団体との連携の視点を入れたいと感じたのです。そして、発信すれば受け取ってもらえるという考えだとしたら、それには懐疑的です。
私自身、講師をしていますが、講師が話せば、参加者に話した内容が伝わると安直に考えてはいません。コミュニケーションは受け手との協働作業です。一方通行ではなく双方向です。それは市民協働や共創の場面でますます重要になっています。だからこそ、ファシリテーションを学んでいます。発信者の音量を増やすことではなく、発信者と受信者を双方向でつなぐことこそが重要な場面が多いかもしれません。

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