好意という行為に潜む罠

こんにちは😃コッシーと申します。

愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。

さて、先日所用で市役所に出かけた時の事です。

コピー機の前で悪戦苦闘されてるおじいさんに「やり方教えてくれ?」と声をかけられました。

おそらく僕が会社の名札を下げたままにしていたので、市の職員と間違えたのだと思います。

困ってる人は助けましょうと小さい頃から言われていますし、コピーなんて普段から取り慣れてるので、優しく教えてあげました。

どうやら銀行の通帳の支店名などが載っているページをコピーしたかったみたいで、そこはちょちょいのちょいとコピーしてあげました。

「それじゃ」と颯爽と立ち去ろうとしましたが、おじいさんから続けざまにこう聞かれました。

「給付金の申請にはこれを付ければ良いんだろ?」

当然僕は市の職員ではありませんので、給付金の申請書類に何が必要かは全く分かりませんので、「ごめんなさい。僕には分かりません。」と正直に伝えると、「職員のくせに分からんのか!何だ、職員じゃないのか!だったら最初からそう言えよ!」と怒られました。

おじいさんはプンプン怒って去っていってしまいましたが、割とデカ目の声で怒ったので、取り残された僕に周囲から冷たい目が突き刺さりましたし、良かれと思ってした行動で結果的に相手を怒らせてしまった僕はなんとも言えない気持ちになりました。

コピーを取ってやったのになんてヤツだと切り捨てる事は簡単ですが、ふと立ち止まり考えてみました。

僕の行動は果たしておじいさんにとって正しかったのでしょうか。

僕はおじいさんに声をかけられた時に、市の職員と間違えてるな、と感じました。例えばその時に僕が手伝うのではなく、市の職員ではないことを告げてお断りして、市の職員が手伝った方が後のトラブルは起きなかったでしょう。

実際に声をかけられた時点でそこまで想定するのは難しいと思いますが、「僕は職員ではないですけど」と相手に伝えた上で手伝うべきだったと思います。そうすれば、僕が申請書類のことが分からなくても相手は怒らなかったのだと思います。つまり今回の件は僕がもう少し相手の事を考えて行動していれば起こらなかったトラブルになります(いやそれでも短気すぎるだろとは思いますがw)。

このように人は善意の気持ちで行動をする時に、相手の状況を深く考えない時があります。

例えば、よく言われますが、被災地へ贈る千羽鶴。

折っている側は被災地が早く復興できるよう願いを込めて折っていると思いますが、被災地側からするとゴミ以外なんでもありません。受け取りを拒否すると「せっかく折ったのになんてヤツだ!」と怒る人までいます。頼まれたわけでもなく勝手にやったくせに本当に身勝手です。

あと、「めっちゃ美味しいから一口食べて」と言ってくる人。

本当に食欲がなかったり、それ自体が嫌いな食べ物だったりでお断わりすると必ず「一口だけでいいから!絶対おいしいから!」と言います。いらないと言っているのにもう訳がわかりません。その絶対という自信はどこから来るのでしょうか。

そして、僕は納豆が嫌いなんですが、それに対して、「納豆の本当の美味さを知らないからだよ。」と言って納豆絶対主義を押し付けてくる人。

納豆がいかに栄養があるかとか、こんなアレンジをすれば納豆の臭みや納豆の味消せるよとか言ってきますが、納豆の栄養は他の食物で補いますし、そもそも臭みも味も消したら納豆食べる意味あるの?っていう話です。

最後の納豆は少し話が逸れた気がします。ごめんなさい。

これらは全て悪気はなく好意からくる行動になりますので、その行為自体が良い事だと盲信してしまい、相手の状況や環境などを考慮出来なくなっているのだと思います。

介護業界でも、良かれと思う事からご利用者の状況や気持ちを考えずに行動してしまう事がよくあります。

食事支援でご利用者の意見をしっかりと聞かず自分の得意料理だからと濃い味のカレーを勝手に作ってしまったり、入浴介護で実は髪型をきっちりセットしていたにも関わらず手順だからと頭を洗ってしまったりと、介護者としてはご利用者のためになっていると思っても、そこにはご利用者がどうしたいかという気持ちが見えていません。

介護の技術や経験を積めば積むほど、ご利用者の気持ちを考慮せず結果を求めてしまいがちになってしまうので、今回のおじいさんとのトラブルから気を付けていきたいと深く思いました。

最後に幻冬舎の箕輪さんがブログでサプライズに関して興味深いことを記事にしていましたので、ご紹介させていただきます。

正に心理だと思います。気を付けて行動したいものですね。

長文駄文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

現場からは以上です。それではまた。

コッシー





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