クラスターより怖いモノ
こんにちは😃コッシーと申します。
愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。
さて、先日うちの事業所がある市内の高齢者施設において初のクラスターが発生しました。
報道によるとその施設の職員5名、利用者10名の計15名が感染されたとのことです。
市長が公式HP上で、「不特定多数の方が通う事業所でないことから、濃厚接触者の把握及び連絡は既に済んでおり、今後は市内の類似施設への注意喚起と指導を行っていく」とメッセージをされていました。
今回のクラスターの発生から、僕は二つの恐怖を覚えました。
一つ目は『クラスターは発生する』という事。
今までクラスターを決して他人事として捉えていたわけではありませんが、それでも自分の施設では起こらないだろうという慢心がありました。何の根拠もないにも関わらず。
しかし同じ市内の同じ高齢者施設で実際にクラスターは起きました。
どういう経路で感染されたかは分かりませんが、きっと今回クラスターが発生した施設でも、感染予防対策をしていたに違いありません。
それでも100%感染を防ぐ事は無理だという事です。
当然ですが、うちの施設でもクラスターが起きる可能性はゼロではありません。その事を本当に強く痛感しました。そして同時にとても恐ろしくなりました。
もう一つの恐怖は、『人』です。
今回のクラスターが起きた施設名を市は公表しませんでした。
ニュースや新聞に、『市内の高齢者介護保険施設で10日以降、計15人(利用者10人、職員5人)の感染が確認された』と発表はされましたが、その後の市長のメッセージや市の公式サイトなどでも施設名は今現在一切出ておりません。
するとどうなるかと言うと、『犯人探し』が始まります。
うちの施設にも「そちらではありませんか?」という数件の問い合わせがありました。
取引銀行からさえも「クラスターの施設はそちらではありませんよね?」と朝一番で連絡があったほどです。
おそらく他の施設でも同様の問い合わせがあったと推測されます。
市役所にはその何倍もの問い合わせがあったことでしょう。
僕も最初は躍起になってクラスターの施設を探していました。
知り合いに聞いたりネットなどで検索をしていました。
しかし、「あそこが怪しい」とか「あの辺の地域らしい」などと言った何の根拠もない噂話をしている職員の姿を見て、探すのをやめました。
市が公表しなかったのは、既に濃厚接触者の特定及び連絡は済ませており、これ以上の拡大は無いと判断したからでしょう。
つまり今回のクラスターの一件に関しては終息しているという事です。
終息した以上、施設名が分かったところでそれは自己満足に過ぎません。
これ以上の詮索は興味本位でしかなく、意味がないなと思いやめました。
今回のクラスターが仮に名古屋市などの大都市で発生していたとしたら、きっと施設は特定されネットなどで誹謗中傷されていたかもしれません。
現代のSNSの拡散力というのは恐ろしいモノで、下手をすればその施設は根も葉もない噂を立てられ利用者が減り閉鎖までに追い込まれる可能性も否定できません。
人の噂話にはそこまでの影響力があるのではないかと思います。
噂話をしている職員達は決して悪気がなくそこまで深く考えている人の方が少ないと思います。だからこそ余計に恐怖を感じました。
今回の一件はコロナは決して対岸の火事ではない事を再認識させてくれました。
どれだけ感染予防しても完全に防ぐことは難しいかもしれません。
それでも、今一度気を引き締めなおして、職員全員で協力して感染予防に努めたいと思います。
入居者を守るのは僕ら施設の人間の使命ですから。
現場からは以上です。それではまた。
コッシー
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