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利用者を守る

奇跡体験!アンビリバボーが感動しすぎて前が見えず記事が書けましぇん!#ババ君
#トラックドライバー素敵やん

こんにちは、コッシーです。


さて、先日入居者のお一人が退去されました。

退去理由は「この施設にいたくないから」でした。

もう少し詳細をお話すると、入居者はNさんという女性の方で、歩行にはシルバーカーを利用されていますが、身の回りの事はほとんどご自身でされており、コロナ前は積極的に外出をされていました。

しかしコロナの影響受け外出が禁止になってしまい、そのストレスからだんだんと不満を言い始めました。

「なぜ外に出れないの?マスクすれば大丈夫でしょ!」「コロナなんて誰もなってないじゃない!」「そんなに簡単にうつらないわよ」などなど、自分本位な言葉を並べてなんとか外出を試みようとされていました。

その度、外出が出来ない理由をしっかり説明をしていましたし、必要な日用品等があれば代行して買ってきたりしていました。

しかし、Nさんはそれでも納得できず、病院へ行った帰りに禁止にしている買い物に行ったり外食に行ったりと何度話をしても繰り返しておりました。

Nさんも毎度毎度僕に口うるさく言われるのに嫌気が指したのか、自分で別の施設を探して、こちらに全く知らせる事なく契約をされてきました。

こちらとしては、Nさんを含めた入居者全員をコロナから守るために最善を尽くしてきたつもりでしたが、僕の説明も悪かったかもしれませんが、それが伝わらないのであれば退去も致し方ないと思いますので、あえてNさんを引きとめたりはしませんでした。

次の施設では割と自由に外出できるらしく、Nさんはウキウキで転居の準備を進めておりましたが、しっかりしていると言っても後期高齢者の方です。次の施設が要求する資料等をなかなかお一人で準備が出来ないようでした。

Nさんのご家族は遠方におり、なかなかこちらには来れないとのことで、準備を手伝う事もままならない状況みたいでした。


そんなある日Nさんの弟さんから僕に電話がありました。

「退去をする立場でこんな事をお願いするのは筋違いかもしれませんが、姉のお手伝いをしていただけないでしょうか」

ご家族は電話等でNさんに指示を出して必要書類等を揃えてきたみたいですが、どうやら遠隔操作にも限界が出てきており、残りの書類をNさんが手配するのはとても難しい状況になっているとのことでした。僕が動いた分の経費はもちろんお支払しますと言われました。


僕はお断りしました。


弟さんはまさか断れるとは思っておらずとても驚いていました。うちのスタッフでさえ僕ならなんだかんだ言って絶対に手伝うと思っていたと言っていました。

結局Nさんの残りの書類は弟さんが遠方から駆けつけ準備をされたとのことでした。

退去の日、弟さんから、「コッシーさんがこんなに冷たい人だとは思いませんでした。もっと情が深い人だと思っていました」と言われ、退去されていきました。


僕が情が深いか冷たいかは僕には判断できませんが、僕がお断りしたのは、もうNさんが僕にとってご利用者では無くなったからです。

僕は僕の時間は僕のご利用者のために使いたいと思っています。

1分1秒でもご利用者ではない方のために使いたくありません。

仮に、状態の変化によりうちの施設では対応できず他の施設に転居となる方やご家族の転勤などでどうしても引っ越ししないといけないなどの理由ならば、僕は全力で退去のお手伝いをさせていただきます。

しかしNさんは、こちらのお願いを散々無視して、こちらの方針等にご協力していただけず、結局退去を選ばれており、言葉を選ばずに言わせてもらうとそんな奴はもうご利用者ではないと思うんです。


『介護保険がどうなるか?』とか『通所介護の未来は?』なんて記事を書いておきながらこんな事を言うのはなんですが、僕は介護業界を変えたいとか、介護職員の処遇を改善したいなんて大それたことは、1ミリも思っておりません。

将来的に介護業界がこういう風になるんじゃないかという予測は立てておりますが、それはあくまで自分たちが生き残るためです。言ってしまえば、うちの会社のスタッフやご利用者を守る事が出来るのであれば、他がどうなろうが知ったことではありませんとまではさすがに言いませんが(笑)、他の施設のために自分が一肌脱ごうなんておこがましい考えは全くありません。僕にそんな力は無いと思っています。

縁があって、うちの会社に入社してくれたスタッフやうちの施設を利用してくれるご利用者やそのご家族にとても感謝しています。

僕にはそんな目の前の人たちを助けるくらいの力しかありません。

でもそれに全力を注ぎたいと思っていますし、全力を注いでいるつもりです。

『利用者を守る』その気持ちにウソ偽りはありませんが、利用者かどうかは申し訳ないですが僕の一存で決めさせてもらいます。

そんな気持ちを確認させてもらえたNさんの一件でした。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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