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心の声、漏れています
新年度かどうか分かりませんがとにかく作成しないといけない書類が膨大にあって、毎日毎日PCとにらめっこしていますが、いかにも仕事をしているふりをしてnoteの記事を書いてたりします。多分バレてません。
こんにちは、記事を書くのも仕事の内だと思っているコッシーです。
さて、高齢者の入居施設と一口で言っても様々な種類の施設があります。いわゆる特養と言われる特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームなどの特定施設、グループホームやサービス付き高齢者向け住宅など本当に多種多様となっております。
当たり前ですがそれぞれ特色がありますし、同じ特養でも運営する法人よっていろいろな違いがあります。もし入居施設をお探しでお悩みの方は専門家の意見を聞くのが手っ取り早いと思いますので、地域包括センターや行政の介護保険課や高齢福祉課などに相談するのが良いと思います。
うちにも入居施設がありまして、うちの枠組みはサービス付き高齢者向け住宅で、どちらかと言うとある程度ご自身で身の回りのことを出来る方向けの施設です。もちろん介護度が高い方が住めないということはありませんし、要介護5の方もご入居されています。
あくまで施設の特色としては、介護度が低い方の方が過ごしやすい傾向にあるということです。
そのため、状態が変化し介護度が上がられたり、医療的処置などが必要になった場合は他の施設へ転居される方もお見えになります。
うちの施設の最高齢であるMさんも他施設への転居を検討されています。
Mさんは御年97歳の女性で介護度は最も高い5です。穏やかで誰にでも優しい方でうちの入居者推しランキングでも1.2を争う方です。
そんなMさんですが、ここ数か月ほど状態が悪くなってきており、これまで自身で出来ていたことが徐々に出来なくなってきました。
年齢を考慮すると残念ながら状態が良くなるとは考えにくく、介助量は増えていくと予想されました。
うちのような介護度が低い方向けの施設では、介助量がと比例してご家族が負担する金額も増えていきます。場合によっては介護保険内で賄えず自己負担が増えてしまうこともあります。
そう言った事も踏まえて主治医の先生から特養のような手厚い介護の施設への転居を検討した方が良いと言われました。
Mさんの長男さんは、実費が出てもいいからうちの施設に置いて欲しいと言ってくれましたが、Mさんの状態を考えるとうちよりも支援体制が充実している方が安心できますし、看護師もいる施設の方が良いように思えました。
長男さんの想いは本当に嬉しかったですが、Mさんの状態をお伝えし転居を勧めました。長男さんも納得してくれ、特養への申し込みを行いました。
ほどなくして、ある特養の職員さん2名が事前面談のためこちらに訪れました。簡単にMさん本人とお話をした後、こちらに詳細を聞き取りされました。
食事、排泄、更衣、日中の過ごし方、性格などなどいろいろと質問を受ける中で今回転居に至った経緯を聞かれました。
「介助量が増えて実費もかかってきているため、もっと手厚くMさんを支援できる施設の方が良いだろうということで転居することになりました。ありがたいことに息子さんは実費がかかっても良いと言ってくれましたけどね」
そんな風に特養の職員さんたちに伝えると、
「ええ!?実費が出ても良いと言ってくれてるんですか?」と驚かれ、そしてボソッと「お金持ちなのかな…」と聞こえたような気がしました。
まさかそんな不躾な事を言うとは思わず、聞き間違いだと思う事にしました。
その後、ご家族について聞き取りをされました。
実はキーパーソンである長男さんは獣医をされています。市内でも評判の先生でうちのスタッフでも何人かペットを先生に診てもらっています。
特養の職員さんにその事をお話すると、
「ええ!?あの有名な獣医さんですか!」と驚かれ、そしてボソっといや割とはっきりと「VIPですね…」と言われました。
「え?ビップ?」そう僕が聞き返すと、「いやいやこちらの話です(汗)」と慌てた様子でごまかしていました。
釈然としませんでしたが、気を取り直して話を進めました。
その後は特に問題なく進み、全ての聞き取りが終わりました。
「お時間いただきありがとうございました。また施設で検討して入居可能かどうかお返事しますね」
特養スタッフさんはそう言った後、「ただ…」と付け加えられ、
「私としては絶対に入居して欲しいと思っています!」
そう鼻息荒く言われました。
僕は苦笑いすることしかできませんでした。
Mさんは本当に穏やかな方で介護拒否や問題行動などほとんどありませんし、また息子さんが裕福なのも事実ですので、施設としてMさんのような方に入居してもらえるのはありがたいことなのかもしれませんが、そういう願望は口に出すのではなく心の内に閉まっておいた方が良いのになぁと思った次第です。そして自分も気を付けて行動していきたいと思いました。
…ただ出来れば今回の経験は、スタッフに対して「ポッコリお腹」発言をする前にしたかったと深く思いました。
心の声が漏れるとろくなことになりません。皆さんも気を付けてくださいね。
それではまた。
コッシー
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