与える事が必ずしも良い事とは限らない

こんにちは😃コッシーと申します。

愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。

【30万から一律10万へ】

先日、政府が新型コロナウイルスの緊急経済対策で減収世帯への30万円の給付から、国民1人当たり現金10万円の一律給付への方針転換を表明されました。政策に賛否両論は付き物で何かを行う場合には必ず批判は起きます。今回も案の定、「高額所得者への配布はいらないのでは?」「コロナ騒動でむしろ稼いだ方もいるのでは?」などなど少なくない批判が寄せられました。

【自分は得も損もしていないのに】

こういった批判をしてしまう理由としては、おそらく自分よりも苦しい思いをしていないのに、自分と同等の施しを受けるのはいかがなものか!という怒りからくる批判なのだと思います。気持ちは理解できないわけではありませんが、批判をする前に少し考えていただければ分かると思うのですが、批判をしても批判をしなくても、自身の状況は全く変わらないんですね。高所得者に配布しなかった分自身の給付金が増えるわけではないし、高所得者に配布したからといって自身の給付金が減るわけではないのです。つまりどちらにせよ全く得も損もしていないんですね。キングコング西野さんもおっしゃっておりましたが、逆に批判をすることでお金持ちが日本から離れてしまい納税額が減ってしまったら損をするのは最終的に自分という事に気付いていないのだと思います。

【一律給付に潜む影】

数年前のお話になります。うちのサービス付き高齢者向け住宅が初めて満室になった時に会社からスタッフに慰労金を贈ろうという事になりました。介護スタッフに贈るのか、正社員だけにするのか、金額はどうやって決めるかなど、いろいろと検討をした結果、やはり関わった全スタッフに分け隔てなく給付するのが良いだろうという事になり、一律1万円を全スタッフに給付することになりました。正社員もパートも介護スタッフも厨房スタッフも関係なく全員に一律1万円を給付いたしました。僕はあまり深く考えておらず、「いい会社だな、みんな喜んでくれるといいな」と思っていましたが、事はそれほど単純ではありませんでした。一部のスタッフから「なぜ一律なのか!」という不満が出てきたのです。

【みんな一緒でみんな悪い】

スタッフの言い分は今回の政府の給付金の批判と主旨は同じで、パートや厨房のスタッフと一律なんておかしい、私らの方が貢献している!という事でした(もう少しオブラートに包んで言っていましたが要はそういう事)。言いたいことは理解できますが、給付するのは給与ではなく慰労金です。元々無かったお金です。額は少ないかもしれませんがいわゆる臨時ボーナスです。(金額が)安い高いの話はあっても、あの人と一緒はおかしいという類のものではありませんし、金額等は給付する側が決める話です。それこそ「あざーす!」で終わる話です。ですが、人間は不思議なもので「なぜこの私があいつと同等なのか!」という心理が働いてしまい、全く損をしていないのに(むしろ得してるのにも関わらず)、不満を言ってしまうのです。

【与える時には注意が必要】

仮に特別ボーナスをスタッフに与える機会がありましたら、その配分方法には細心の注意が必要だと思います。介護業界では処遇改善加算や特定処遇改善加算など職員に分配しなければならない加算があります。スタッフにいくら金額は他の人に言うなと注意しても絶対に漏れます。120%漏れます。そんな時に納得がいく理論武装していないとせっかく給付したお金も意味がなくなってしまうかもしれません。

現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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