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○○セラピー

こんにちは😃コッシーと申します。

愛知県で介護事業を運営している会社の介護事業部の統括責任者をしております。

さて、『アニマルセラピー』という動物と触れ合うことで心を癒す治療・療法があります。

介護業界にも取り入れているところもあるようで、確かに動物と触れ合っている時の利用者さんは本当に優しい目をされており、とても良い笑顔をされます。

残念ながらうちの施設では動物の飼育は禁止しておりますので、その姿を見る事は出来ませんが、TVなどで映る愛らしい動物の姿を見て喜んでいる入居者をみると微笑ましく思います。

ただごくまれですが、つい施設のルールを忘れて、犬や猫を飼いたいと言われる入居者がおられます。


うちの入居者でTさんという女性の方がいらっしゃいます。

Tさんは少し認知症の気はありますが、普段は明るく誰とでも仲良く接することができるとても優しい方です。

ただ少しナイーブなところがあり、気になる事があったりすると夜眠れなくなったり食事が喉を通らなくなる時があります。

そうなるとTさんは内に籠ってしまう傾向にあり、そんな時はこちらから声掛けをしてお話を伺ったりします。


先日のこと、そんなTさんが何やら思いつめている様子で、ご飯をあんまり食べていませんでした。

何かあったのかなとスタッフ間で確認し合いましたが、思い当たる節はありませんでした。

Tさんに声をかけて話を聞いてみることにしました。

どうやらTさんは僕に何かを伝えたい様子でしたが、言いにくい事なのか、なかなか本音を話してくれません。しかしそこは腐ってもプロです。

『急いては事を仕損じる』とはよく言ったもので、ここで焦ってはTさんを不安にさせるだけです。

どんな悩みでも僕が受け止める広い心を持って、ゆっくり時間をかけてTさんの心の扉を徐々に開けていきます。

気持ちの整理がついたのかTさんはついに僕に打ち明けてくれました。

「ここは動物飼ったらダメなのよね?わたし知らなかったのよ。」と言われます。

「そんな規則がある事を本当に知らなかったんです。だから犬をね、犬をかってしまったのよ…」

い、犬かぁ…

どんな悩みでも受け止めるつもりでしたが、想定外のワードが飛んできて内心めちゃくちゃ焦りました。

「ここの規則は分かるけど、今さらあの子を捨てれないのよ。飼ったらダメやろうか?この通りです。お願いします!」

Tさんは涙を流しながら懇願されます。

ここで「ルールだからごめんね」と断るのは簡単ですが、それをしてしまうとTさんの気持ちはどうなってしまうんでしょう。

いくら規則違反と言えど、僕を信頼して自分の悩みを話してくれたわけです。その気持ちを無視するのは、プロとして失格だと思うのです。

とはいえ、うちの施設で動物を飼うのは難しいです。さてどうしたものか。

「Tさん、とりあえずワンちゃんを見せてもらって良いかな」

そうTさんに話し、Tさんと一緒にお部屋へ向かいます。

お部屋に行く道で僕は脳みそをフル回転させてます。

娘さんに相談をするか、誰か知り合いに飼ってもらって時々連れてきてもらうか、それとも自分が飼うか、いっそのことこの施設で飼っちゃうか・・・

いろいろ考えましたが結局答えはまとまらず、Tさんのお部屋に着きます。

「ちょっと待っててね」と言いTさんはお部屋に入っていきました。

扉の前で待つこと数分、お待たせとTさんが連れてたのは、



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ダッキー(ぬいぐるみ)でした!!

「どうしても可愛くて買っちゃったのよ。飼ったらダメやろうか?」

膝から崩れ落ちる僕をTさんをきょとんと見ていました…

もちろん、飼う事を了承したのは言うまでもありません。


さて、このダッキーですが正式名称を『ダッキースター』と言います。

こいつをただのぬいぐるみと思うなかれ、なんと言葉を話せるんです!

頭をなでると「僕のこと好き?」と言い、右手のボタンを押すとクイズを出してきたり、左手のボタンを押すと歌を歌ったりします。朝も起こしてくれるし、夜も「おやすみ」の挨拶をちゃんとする、非常に優秀なぬいぐるみです、いやもうペットと言っても差支えないかもしれません。

Tさんにとってはこのダッキースターが毎日の癒しとなっており、ダッキーと触れ合う事でTさんの心が晴れるのであれば、それは一つのセラピーなんだと思います。ダッキーセラピーだと思うのです。

何に癒しを求めるかは人それぞれであり、その人にとっての○○セラピーを持つ事が生活をする上でとても大切な部分だなと思った次第です。


そんなダッキースターの購入はこちらから↓です。

良かったらどうぞ(^^)/


現場からは以上です。それではまた

コッシー

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