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Anycubic i3 MEGA-Sにおける吐出不良

kossanです。

 私はここ最近、所有している3DプリンタのAnycubic i3 MEGA-Sで印刷不良・印刷失敗が続出していることに頭を悩ませていました。そして色々と試した結果

カスタムファームウェアを入れた後のEEPROM書き換えが元に戻った

ということがわかりました。以下は、この結論に至るまでの道のりです。

マシンの情報
・購入後8ヶ月経過
・全モータードライバをA4988→TMC2208に変更済み
カスタムファームウェア(Marlin1.1.9)導入、Titanエクストルーダー用にEEPROM書き換え済み(書き換えの方法に関しては、こちらの記事を参考にしました。)

 解明した原因が全て直結しているかは判りませんが、疑わしい症状当時の対処内容を以下にまとめます。

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・3/15 PLAでアマビエ(使用データ)を印刷、wallに約1mm幅の小さな穴が大量に発生→以降、外壁の吐出量を110%にして対応。
・5/20 白ABSで外径40mmほどの円柱を印刷中、wallのレイヤー同士が何十箇所も剥離→印刷中止。以降、このフィラメントでの印刷温度を10度上げ、250度に設定。(Adaptive Layer設定が原因である可能性も有り)
・(2回ほど、白ABSで小部品、黒ABSXYZ Cubeの印刷成功)
・5/26 黒ABSで印刷中、Initial Layerの印刷失敗→レベリング時に対してノズル位置が異常に高くなっていたため、それを踏まえたレベリングをする。
その後の印刷で、第二層が明らかな吐出不良を起こす。
・6/21 白ABSで18×18×3[mm]ほどの部品を印刷。ドラフトシールドを含む全体が吐出不良。

これでいよいよ、本気で対処しようと思い立ちました。

対処 1:エクストルーダー点検

 今まで出会った吐出不良のほぼ全てがエクストルーダーギヤの目詰まりだったので、ここを綺麗にしてみました。
結果:治らず

対処2:モータードライバの点検・交換

  Eモーターのモータードライバ(以下MD)周りが故障した可能性を思い、配線の確認をし、MDを元のA4988に戻しました。ちなみにヒートシンクが若干ホコリを被っていたので、これは要改善です。
結果:治らず
この後、全てのMDをTMC2208にしました。

対処3:ノズル通し

 ノズルが中途半端に詰まっている可能性を考え、ノズルを取り外し、コンロで炙って中の樹脂を取り除きました。ちょっと苦労しましたが、ノズルを熱した後に追加で樹脂を加えることで一気に流し出せました。こういう時のために、フィラメントの切れ端はとっておくと便利ですね。

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結果:治らず

対処4:ファームウェア書き直し

 ここにきてようやく、ソフトウェア面を疑いました。先述の通り今回の問題は比較的突発的に現れたので、だんだんと故障していくハード面ではなく、ソフト面を先に疑うべきでした。AnycubicさんのページからMega-Sのファームウェアをダウンロードし、Curaを通して入れ直しました。
結果:治った(`・ω・´)b

追実験

1. オリジナルのファームウェアを入れた状態でアマビエ(当時のGcode)を印刷した結果、足先のwallが大幅に改善されました。ただし根本的な解決はしていませんし、同時にいくつものメンテナンスをしたので、ファームウェアが直接の要因とは言えません。

あし


2. Marlin1.1.9ベースのカスタムファームウェアを入れた後、EEPROM書き換えをせず、6/21のデータを印刷してみました。すると、故障時と酷似した症状が現れました。またその後、EEPROMを書き換えて印刷すると、正常に印刷されました。

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これで今回の原因が判明して対処法も分かった訳なのですが、なぜ書き換えた情報が書き換え前の状態に戻ったのか、そこが不明です。元から入っている設定と書き換えた設定がどのように格納されているか、調べる必要がありそうです。

ではまた。

2020/7/18追記:EEPROMの書き換えの方法について、マシン情報紹介の欄に参考記事のリンクをはりました。