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【Coffee break】女性会計士の働き方

今回はKOSOの女性会計士メンバーの小川さんと桑原さんの対談記事を掲載させて頂きます。

お二人は会計士試験合格後、監査法人に入所、その後、桑原さんは常勤監査役へ、小川さんは単身シンガポールへと移りキャリアチェンジされ、様々な経験を積まれた後、昨年KOSOの立ち上げに参加されています。桑原さんは社外役員としてもご活躍中です。

多彩な経歴をお持ちのお二人に、女性会計士の働き方についてお聞きしてみたいと思います。


桑原:まず、小川さんの略歴を教えてください。

小川:監査法人にて会計監査を7年半、シンガポールと東京の事業会社にて内部監査を5年それぞれ経験した後、2022年に独立開業しました。現在は、上場企業への会計コンサルティングの他、M&AやIPOを目指す企業様への経営・財務戦略、ガバナンス強化等、幅広い領域でのご支援を行っています。

桑原:小川さん、ありがとうございます。さらっと職歴をお話し頂きましたが、シンガポールに単身渡り、シンガポールで仕事をされたという大きな決断をして、そして実行されたのが凄いなと思っているのですが、どのような経緯からシンガポール行きを決断されたのでしょうか。

小川: 高校時代にシンガポールに短期研修に行ったのですが、現地企業訪問で訪れた会社で若い女性会計士の方がバリバリと活躍されていた姿に当時強烈に憧れました。女性管理職の割合が高く、子育てと仕事を両立できる働きやすい環境が整っている点が大きな理由の一つでした。

桑原:そういった理由からだったのですね~。私も会社にいる時に短期留学させてもらいましたが、海外に住んで、更に、仕事をするというのは全然違うんだろうなと思います。文化の違いもあったのではないでしょうか。

小川:そうですね。かなり、ありました(笑)。仕事でもシンガポーリアン以外にもマレーシアや中国、インド、オーストラリアのメンバーとも接する多国籍の環境だったのですが、どの方も日本人からするとすごくはっきりと自己主張される方ばかりなので、最初は面食らうことが多かったですね。期限を守ってもらうことも日本にいた時よりもかなり苦労しました(笑)。

桑原:私も国際部だったので、海外とやり取りがありましたが、その気持ちは少し分かります。その後、日本に戻られたきっかけは何だったのでしょうか。

小川:シンガポールで第1子を出産したのですが、医療面で不安を感じた点が一番の要因ですね。日本の医療水準の高さと国民皆保険制度のありがたみを痛感しました。

桑原:子供を育てる時は母親が心地よいと思う環境が結果子供にもよい環境ですからね。日本では、どのようなお仕事にされたんですか?

小川:日本では飲料メーカーの内部監査部にて再スタートしたのですが、入社後に大規模な経営統合があり、PMIのために新設された部署において、業務改善プロジェクトの管理者として、業務標準化・効率化推進を担当しました。

桑原:小川さんは色々な業務をご経験されていらっしゃるのですね。監査という面から監査される側、内部監査という違った面をご経験され小川さんの糧になっているのですね。
その後は、監査法人に戻られていますが、これはどういった理由からなんでしょうか。

小川: 経営統合後のミッションがひと段落して、次は何に挑戦しようかと考えた時に、会計からだいぶ離れてしまったなと感じたんですね。会計士資格をあんなに苦労して取ったのに、会計士のベースとなる会計分野で自信を持てていない状況に焦りを感じて。子育ても少し落ち着いて、まだギリギリ30代だったので、もう一度監査法人で鍛えなおそうと(笑)。

桑原:なるほど、そうでしたか。その後は独立されていますが、小川さんは様々な経験があるので、色々なお仕事を引き受けられますね。また英語が出来るので、そこが強みとなりますね。
今、現在は、お二人のお子様を育てながらお仕事もされていますが、会計士を取っていて良かったと思われる事はありますでしょうか。

小川:会計士を持っているから独立する勇気を持てました。また、独立すると自分で仕事を選べるので、どういったタイムスケジュールを組みたいかというプライベートに柔軟に合わせられるのが非常にいいなと思っています。

桑原さんは今は社外役員としてご活躍でいらっしゃいますが、監査法人退所後は常勤監査役になられていましたね。どのような経緯で常勤監査役、社外役員へとなられたのでしょうか?

桑原:20代半ばで、仲のいい同期の女性会計士の方が常勤監査役に就任していた事もあり、前々から興味がありました。そんな時に、私ではなく、私の周りで常勤監査役をやりたい人はいないかと別の同期の会計士から聞かれ、かつ、私も常勤監査役にチャレンジしてみたいタイミングだったので、就任する事となりました。
その後、国際部にいた経験も活かしてIFRSの監査、開示支援、セミナー講師、コンサルの仕事もスタートしていきました。
社外役員には、女性活躍推進の波もあり、大学の先輩や会社のCFOの方から直接お声がけ頂き、就任する事となりました。

小川:そのような経緯だったのですね。昨年は娘さんも出産されて、お仕事との両立はいかがですか?

桑原:妊娠中の就任でしたので、社長の方の理解を得られるか、心配な面もありましたが、理解のある社長様で、リモートでの開催を提案して頂くなど、配慮頂き大変感謝しております。
出産後も、娘が2か月の頃から保育園に行ってくれているので、日中は保育園でお世話になっており、かつ、社外役員なので会社員のようにフルで時間を奪われる事がないので、今のところ両立が出来ております。周りの家族や友人の助けもあり、娘が保育園から戻された時も仕事に穴をあけずに済んでおります。

小川: 会社によってはリモートでの取締役会開催もかなり普及しているようですね。最近は桑原さんのようにママ会計士で社外役員に就任される方も増えてきていますよね。

桑原:ママ側に立って考えると、取締役会や監査役会等の重要会議の時間を押さえる必要はありますが、会社員として仕事をするより圧倒的に時間の融通が利くという点がありがたいなと思っています。最近は、コロナ渦を経たため取締役会もリモートでの開催が当たり前になり、子供が病気の時は家から出席が出来ること、そして、毎日の稼働がなくても安定した収入が入る事、はとてもいいことだと思います。

会社側に立って考えると、女性を登用する事で、女性役員比率をあげる事が出来ますし、会計士の女性であれば(社外監査役であればですが)、コーポレートガバナンスコードで求められている財務・会計に関する十分な知見を有している者を登用できるので、CGコードの充足も出来る事になります。個人的な見解ですが、子供を育てるというのはコントロールできないものと常に接していますから、包容力もつきますし、子供に対する責任感も強くなります。その包容力や責任感が仕事にも結び付く面があり、困難な状況があっても乗り越えられるという面もあるかなと思います。そんな困難な状況は起こらないで欲しいですが(笑)

小川:昔と比べて、子育てや介護をしながらでもキャリアを継続できる仕組みが少しずつ整ってきていますね。コンサルティングでのお仕事でも、コロナ禍を経てからはクライアントの帳票電子化が進み、リモートでできる業務もかなり増えて、紙の時代に比べて作業が大幅に効率化されました。自由な働き方ができる環境や選択肢が昔に比べてかなり増えてきているなと思います。

では、最後にこちらの記事を見られた会計士や会計士受験生の方へのメッセージをお願いします!

小川:監査法人を出てから、会計士資格があることで活躍できるフィールドがこんなにも多いんだと驚きました。会計士を目指す人や監査法人以外の世界が気になっている会計士の方にはぜひ色んなフィールドでチャレンジしていって頂きたいですね。

桑原:会計士は、女性であっても、きちんと報酬を頂けて、仕事を選んでいけば、時間の融通が効く仕事だと思います。会計業務に従事しなくてもひとつの看板となってくれる資格ですので、是非ご検討ください!


さいごに

今回はKOSO女性会計士メンバーのお二人の対談記事を掲載させて頂きました。

今後もKOSOパートナーズ公式notedではさまざまな情報発信を月に1回の頻度で行ってまいります。

ご意見・ご感想ありましたらぜひお声をお寄せください。

▽お問い合わせはこちらから
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