NICOがいなくても、地球はまわってる。

僕の大好きだったバンド、NICO Touches the Wallsの時間が止まってから、1年近くが経った。

あれだけのファンだったのだから、突然の活動休止を発表されてからというもの、1度たりともNICOのことを忘れることはなかった。
と言いたいところだけれど、結局僕も人間で忘れたり、ふと思い出して聞いたりしながら過ごしていた。

そして最近、やっとライブが出来るかもしれない、という状況になりつつあり、もしライブが出来るならば、僕がまず初めにコピーするアーティストはNICO Touches the Wallsだと決めていた。

これを機に、また改めてNICO Touches the Wallsへの想いがふつふつと煮えたぎってきたので、また忘れてしまう前に、noteに遺したいと思う。

僕がNICOを好きなワケ

まず、僕が何故NICOをここまで好きなのか自分なりに考えてみた。

①光村龍哉への共感

まず第一の理由に、NICOのギターボーカルである光村龍哉を尊敬していることが大きい。
尊敬、というよりも共感、に近いかもしれない。

彼はあまり物事に対して期待をしない人間だ、ということは歌詞を見れば分かる。

例えばタイトルからしてわかりやすい
「僕がいなくても地球はまわってる」
だったり、
タイアップにもなった「ニワカ雨ニモマケズ」の歌詞、
「君が笑った 明日は雨かい?」
にもある通り、歌詞は曲調に関係なく、ネガティヴな要素が多い。

僕の勝手な予想だが、NICOの活動休止は光村龍哉が限界を感じたからだと思う。
彼はそのくらいネガティヴな思想を持ち、期待値が低く、思い悩みながら曲を作っていた。
それが僕は非常に好きな所だった。

自分語りになってしまい申し訳ないが、僕もあまり人や人生に期待をしないように生きている。
その方が生きやすいからだ。
誰かに期待したり、人生に期待しすぎたりすると、その期待値より低い結果が返ってきたときに怒りや悲しみが生まれてしまうからだ。

恋愛なんかでみても、例え幸運なことに僕のことを好きな人がいたとしても、「僕がいない世界では別の人を好きになってるわけだし。」みたいな極端で卑屈な考えを持っていた。
幸せな時間だとしてもそれなりのリスクヘッジをしておかないと行けなかった。

その点でいえば僕はとても臆病な性格なのかもしれない。

そんな自分の考えを光村龍哉は思い悩みながら言語化してくれていた。だからこそ僕は自分の救いのためにNICO Touches the Wallsを聞き、この思想は正しいと自分に言い聞かせることで、中学生、高校生だった思春期の自分を慰めることが出来た。

このように、光村龍哉と自分を重ね合わせていたことが好きな理由の1つだと思う。

②毎回違うアレンジ

第二の理由はバンドをやる上で、完成形がないバンドとして尊敬していたからだ。

もちろん彼らの音源自体は不変だが、彼らのライブは毎回違う。むしろ音源通りにやることの方が珍しいくらいだ。

つまり音源が作られた時点で完成ではなく、常にアップデートされ続けていた。

高校生から軽音楽部にはいり、バンドをやっていた自分にとって、音源通りやることがライブじゃないという教えを授けられたような感覚だった。

彼らの教えの通り、コピーした上で、不器用ながら自分なりの歌い方やアレンジを追求していた。

高校生からオリジナルを作ることもあったが、そのきっかけもNICO Touches the Wallsが大きいと思う。

もちろん好きな理由は挙げだしたらキリがないが、大きな理由はこの二つだろう。

休止後に起きた忘れられない出来事

NICO Touches the Wallsを語る上で、どうしても遺しておきたいことがもうひとつある。

それはリードギター古村大介から奇跡的に機材を買い取った、ということだ。

突然の活動休止を発表してから、僕はリードギター古村大介のInstagramのアカウントをフォローした。

それは単純になぜNICOが突然休止したのか、という問いの答えを求めていたこともあったし、これからどうするのだろうと言う興味もあった。

そしてある日、突然のフリーマーケットをしますというストーリー。

その日は確か日曜日で、土曜から日曜にかけて友達が泊まりがけで遊びに来ていたが、寝ている彼らを家に置いてまで、僕はそのフリーマーケットに参加しに行った。

現地に到着して驚いたのが、渋谷のフリーマーケット会場にはファンで溢れかえっていた。僕の想像をはるかに超えていた。
行列に並ぶと、スタッフの既に古村さんの商品はほぼなく、サインや写真撮影のみだという声が聞こえた。
僕は酷くショックを受けたが、せめてサインだけでも、と思い並び続けた。

1時間ほど並び、古村さんをみつけ、もう販売している商品がないことを確認した。
そして古村さんと話せるまであと1人、となった途端、古村さんが席から離れた。

頭には?ばかりが浮かんだが、ただ待ち続けるしか無かった。

数十分後、古村さんは沢山の服や機材を持って帰ってきた。
どうやら売るものを家に取りに帰っていたらしい。

僕はなんと、ほぼ先頭で古村さんの機材を買うことが出来たのだ。本当に奇跡としか言いようがない。

購入した機材はスイッチャーとスパイスというエフェクターとボリュームペダルだ。

全て、いまの僕のボードのレギュラー入りを果たしている。

その機材を使い、僕は今度、NICO Touches the Wallsをコピーしてライブに出ようとしている。

残念ながら、
NICOが居なくても、地球は回っている。
だけど、
NICOを一部を受け継いで、僕は歌ってくる。

NICO Touches the Walls、僕にとって彼らは永遠に消えることは無い青春だ。

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