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「Perfume Imaginary Museum "Time Warp"」 が繋げた過去と現在。そして未来。

2020年9月21日にメジャーデビュ―15周年を迎えたPerfume。
2020年はPerfume結成20年という大きな節目の年ということもあり、2020年2月1日から大阪の京セラドームを皮切りに「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」が開催されました。
ですが、大阪、福岡、愛知、東京とツアーで回っていくとともに、新型コロナウイルスが日本国内にどんどんと広がっていきます。
そして2020年2月26日。
ツアー千秋楽でもあったこの日の東京ドーム公演は、国からの要請を受ける形で開場の1時間前に中止のニュースがTwitterを通じて報告されました。

東京ドームの前には記念すべきツアーの千秋楽公演を見ようと、全国からだけではなく海外からもファンの方が集まっていました。
スタッフや警備員の方が常に中止のアナウンスをし続け、グッズ販売も終了。
中止を知った瞬間は現実味がなかったけど、次第に現実味を帯びて行きます。

「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」2020年2月26日千秋楽東京ドーム公演は延期ではなく中止。
息を引き取るように「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」は終了したのです。

そこから約半年後の2020年9月2日に「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」のBlu-ray & DVDが発売され、「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」に関するすべてが終了しました。

そして19日後の2020年9月21日。メジャーデビュー記念日でもあるこの日に「"P.O.P" (Perfume Online Present) Festival」が開催されました。
メンバーが様々な人とゲームや対談をしたり、3人だけで遅めの夏祭りをしたりと、7時間に及ぶオンラインフェスだったのですが。
最後のコンテンツとして用意されていたのが「Perfume Imaginary Museum "Time Warp"」でした。

2010年に行われた初の東京ドーム公演以降、Perfumeのライブでは必要不可欠となってしまったRhizomatiksのテクノロジー演出。
行われるツアーごとに新たな演出技法が取り入れられている中、「Perfume Imaginary Museum "Time Warp"」でもオンラインライブだからできるリアルタイムとの融合を基盤とした新たなライブ演出がみられると思っていました。

その通りでした。

しかし、核はそこではなかったのです。

「Perfume Imaginary Museum "Time Warp"」は3人の後ろ姿から始まります。
そして、新曲「Time Warp」のMVのラストに出てくるセットに近づく3人。
セットにはビデオデッキがあり、そこに差し込まれているビデオテープには「2020/2/26」という文字。
そのビデオテープをデッキに入れ込み再生ボタンを押すと、中止になった千秋楽のときの映像が流れ出しました。

東京ドームの前で落胆するファン。
常に流れる公演中止を告げるアナウンス。
中止が発表された際に発せられたツイートの数々。

すると、そこに映し出されている人や東京ドームがCG化され、フレーム状になり、そこに訪れた人々は光の粒に。そのまま全世界へと拡散されていきます。
そしてその拡散されていく粒を見守るデジタル化された3人。

実際の映像に戻り、
「14時22分リハーサルの途中でライブの中止が告げられた」
というテロップとともに中止を決断した際のPerfumeの表情。

「いつもはステージ上にいて観られない光景を誰もいない客席で見ることになった」
公演予定だったライブで使用する映像や照明を客席から観る3人。

もう一度フレーム化される東京ドーム。
2020/2/26から2020/9/21へと進む時間。
東京ドームに集まる拡散された光の粒。

「もう一度、あの日から始めよう。And then, to the future」
というPerfume3人の声

粒が作り上げる「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」のステージ
そして始まる「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」のオープニング楽曲「Opera」
Blu-ray & DVDとは異なり、CGで作り上げられた「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」のステージ
「Opera」が終了し、2曲目の「GAME」。
セットはすべてCG。しかし登場しパフォーマンスをする3人はリアルタイムの映像。
「GAME」が終わるとともに「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」でモチーフとして使われていたキューブに入った3人は別の場所に移動し、新たな世界を創り上げる。
そして始まる「エレクトロ・ワールド」。
そして、ここからは「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」からのバトンを「Perfume Imaginary Museum "Time Warp"」へと繋いでいきます。

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私は「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」の映像作品が出た時点で、千秋楽が無いというモヤモヤを持ったまますべてが終わってしまったんだなと思っていました。

しかし、Perfumeの3人は違ったのです。

一度2020年2月26日にファンを「Time Warp」させ、そこで途切れてしまった道をもう一度作り直して、2020年9月21日まで繋げ、「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」の千秋楽から「Perfume Imaginary Museum "Time Warp"」へと導いてくれました。

このオンラインライブを見ながら、ずっと涙が止まりませんでした。

自分自身が2月26日に東京ドームに行ってライブが見れずに関西に帰ってきた人間だったので、より感情移入をしてしまったという部分もあるかとは思います。

ですが、未来を明るく照らしてくれるだけではなく、暗かった過去までも明るくしてくれる3人を好きでいられることが本当に幸せだったのです。

中止が発表されたときの絶望感は今でも忘れられません。
しかし、一番辛いのはPerfumeの3人だってことはファンのみんなが思ってることだと思います。
周年、初の4大ドームツアー、そして千秋楽。
「要請」なのでやろうと思えばできる。
けど、MCでも言っていた「みんなが健康で」と言うように、3人が最優先で考えたのはファンの健康だったのだと思います。
そして、ファンが考えたのは、Perfumeが感染しないこと、Perfumeのファンが感染してPerfumeの3人が世間から叩かれることを防ぐということ。
この関係性が結成20年という長い月日を紡ぐことができた結果なのだと思います。

自分なりに13年間Perfumeを応援して、ライブに行き続けて、Perfumeの考え方だとか生き方に助けられて、自分が頑張れる活力になったグループはPerfumeだけしかいません。
30歳を迎えて今年度で32歳になるPerfumeの3人。いつ「解散」という選択肢を取るかはわかりません。
だけど、ファンの気持ちを汲んでか、安心させるためかはわかりませんが、ライブ中のMCなどで「これからもPerfumeとして生きていきたい」という言葉を発することが多くなって、その度に涙してしまいます。

個人的には辞める大変さよりも、続ける方が大変だと感じているので、売れるまでに7年間努力をし続けて、そこから13年間も一線として活躍し続けているPerfumeの3人を本当に尊敬しています。
そして、これからも一生好きでいるし、自分の中でPerfume以上のアーティストは出てこないと思っています。
この社会情勢の中で来年からどういう活動になっていくのかはわかりませんが、ずっと応援し続けたいと思います。

#Perfumeありがとう

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