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生地の手配について その2

基本的な知識として

服を1着製作するのに

使用される生地分量を

用尺と言います。

要尺と書く場合もあります。

用尺は縫製する前には

実際の裁断場で型紙やデータで

実際の生地を参照して

型入れして設定しますが

生地の巾を参照して

データ上で型入れをします

これをマーキングと言います

要はパターンを制作し

生地が決まり、

生地巾が決まれば

マーキングが可能なので

その段階で用尺が設定できます


マーキング図

マーキングの時の型入れ図がこちら

右横方向が生地の地の目になります

これによって事前に用尺を設定し

この用尺を参照して生地を準備します

芯地の分量もマーキングで設定された用尺にて

資材を準備します。

またチェックなどの柄合わせの際や

量産時に可能な限り用尺を小さく調節したい場合は

裁断の現場で型入れで最終的な用尺を設定します。


また量産の場合は

2着分もしくは3着分以上の

パーツをバラバラにして

効率よく用尺を短縮させて

裁断したりする場合があります。

大量生産時やマーキング上の用尺設定が

困難な場合は量産時に現場で実際の生地の

状況に合わせてパーツを生地に配置して
(型入れ)

用尺を設定して、なるべく用尺を効率的に

小さくしてコストを落とす段取りが適切となります。


柄合わせについては

パーツごとに柄に合わせてパーツの配置を

調節する都合上パーツごとの隙間が多くなります。

その場合、同じ生地巾でも必然的に

柄合わせしないデザインより柄合わせする方が

用尺は大きくなります。

また生地を地の目に対してパーツの上下に

合わせて一方方向で裁断する場合(一方裁ち)と

地の目に対して上下関係なしに

パーツごとの隙間を詰めるだけ詰めて

裁断する場合(差し込み)とでも

用尺が変わる場合があります。

差し込みよりも一方裁ちの方が

用尺がかかる場合が多いです。

用尺はコスト直結するので

パターン制作時や裁断時にも

なるべく詰められて裁断できる方が

コストダウンにもつながりますので、

上記をご参考にご指示頂ければ

と思います。

弊社では上記に即して

用尺を設定して事前に依頼者様に

お知らせしています。

上記は生産工程上一般的な進め方ですが、

依頼されるアパレルOEMや縫製工場によっては

生地や原材料手配が前提で生地込みで1着何円~などの様な

料金設定の業者様が多数あります。

その場合はブランドにとってあまり用尺とか関係なくなり、

ブランド側で考えなくても製品は出来上がります。

生産業者とってもコストに合わせればいいので

あまり上記の様に専門的に裁断を調整するなどの

手間も無いかと思います。

その分コストのコントロールが難しかったり

生地や原材料の選べる幅が少なかったり、

そもそも持ち込みの生地では対応できなくなります。

細かい諸々の調節や幅広い原材料の選択などが

制限的になる可能性が高いと思います。

デザインやコストなどを含めたきめ細かい調整や

オリジナリティーを重視される様であれば

当社の様な業者をお選び頂いた方が宜しいかと思いますが、

可能な限り調節などを委託してしまって

極力手間を省いて効率的に売れ筋商品などを

多品種で生産されたいご希望のブランドは

生地や原材料手配が前提で生地込みで1着何円~の様な

アパレルOEMに依頼される方が楽かもしれません。

どちらがいいとか、どちらが悪いでは無く

ブランド側のコンセプトやビジネスモデルで

検討される事が適切と思います。

それではご参考にどうぞ


株式会社コロン