陰キャさいこう
去年、上京したばかりの私は東京に友人が居ないという事に焦りを感じていた。
元々地元でも信頼出来る友人としか遊ばないタイプだったが今の仕事を始めたばかりで不安な気持ちもあり、東京に心を許せる人間が一人も居ないというのは良くない事だと勝手に考えていた。
内向的な自分を変えて友人を増やそうと同じお仕事の方がいる場に顔をたくさん出すようにして、社交的な自分を演じていた。
"社交的に外向的に、周りの人に合わせなくっちゃ"
そんな風に自己暗示をかけていたら、いつの間にか人から「明るいね」と言われる事が増えた。
子供の頃から人に明るいなんて言われた事がなかったから少し不思議な気持ちだった。
でも、そんな表向き社交的人間は当たり前に脆い。心を整理する時間がなかなか取れていない時に、人が多い場に行くとどっと気疲れしてそのまま引きこもってしまったりするし、それでも無理やり人と関わろうとすると勝手にあたふたして独り言が多くなって「変わってる〜」と言われたりする。
明るいってせっかく言われるようになったのにも関わらず内向的な部分が残っている自分がとても嫌だった。
そんな事を親友に話すと、また始まったなみたいな顔をしながら「あんたは昔から内気な方だったけど陰キャとか内向的って自分の世界があるっていう事だし別に悪いことじゃなくないー?」と肯定してくれた。
確かに自分は家で考え事をしたり本を読んだり映画を観たり一人でお散歩したり、自分自身で気持ちを整理する時間が好きだし、そこで得た物を心を許してる人だけにこそっと話したり…それが私にとって無くてはならない大切な時間であるしそうやってバランスを取っている。
今では私のAV作品の内向的や内気みたいな作品が評価されたり、私の性質を理解してくれるファンや周りの方々のおかげで人から「陰キャだよね」とか「内気だね」と言われても否定的な意味合いで受け取らなくなり、今では内気で陰キャな部分がある自分も自分だと受け止められるようになってきた。
少しずつ堂々とするようになってきて、ビジネス陰キャ(?)と言われる事があったり、環境も変わっていくけれど、今になってようやく根の内気な自分も認めながら少しずつ許して生きている