【補綴】Applegateの法則とは?
116B-17 Applegateの法則とは?
Kennedyの分類、覚えていますか?欠損歯列を分類する重要な方法ですよね。今回は、実際の歯式を見ながら、どうやってKennedyの分類を判断するのか、一緒に考えてみましょう。
まず、こんな歯式が示されたとします。下顎の残存歯が、6543 | 45 7
(以下は問題文)
さて、これを見てKennedyの分類を判断するにはどうしたらいいでしょうか?
ポイントは2つです。
1つ目は「遊離端欠損」の有無と位置、2つ目は「欠損領域の数」です。
この歯式を見てみると、右側の7番が欠けていますね。これが「遊離端欠損」です。しかも右側だけなので「片側性」です。ここまでで、Kennedyの分類の2級だとわかります。
次に、他の欠損を数えてみましょう。
右側の2から左側の3まで。
と
左側の6番が欠けていますね。
これらは別々の欠損領域として数えます。つまり、全部で2つの追加欠損領域があります。
これらを合わせて考えると、答えは2級2類となります。
なぜ2類なのか、もう一度おさらいしましょう。Kennedyの分類では、遊離端欠損以外の欠損領域の数を「類」として表します。この場合、2つの追加欠損領域があったので「2類」となるのです。
ちなみに、Kennedyの分類を正確に適用するには、Applegateの法則も知っておく必要があります。例えば、「最も後方の欠損から分類を始める」といったルールがあります。
Applegateの法則とは?
これは1955年にアップルゲートさんが提案した8つのルールで、ケネディーの分類をより正確に使うためのものです。
歯を抜いた後に分類する
親知らずが抜けていて、そこに入れ歯を作らない場合は無視する
親知らずが残っていて、それを支えとして使う場合は考慮する
7番(第二大臼歯)が抜けていて、そこに入れ歯を作らない場合は無視する
複数の場所で歯が抜けている場合、一番奥の抜けた部分で分類を決める
→「最も後方の欠損から分類を始める」主な分類以外の抜けた部分は、その数で表す
→ケネディ分類の「類」のこと抜けた部分の数が大事で、大きさは関係ない
IV級の場合、その後ろに抜けた部分があっても、後ろの部分で分類を決める
→これが難しいですよね。ちょっと深掘りしますね。
まず、IV級とは何でしょうか?これは前歯が抜けていて、その抜け方が口の真ん中をまたいでいる状態を指します。例えば、上の前歯が4本抜けているような場合です。
ここで、Applegateの法則の8番目のルールが関係してきます。このルールは、IV級の特殊な状況について教えてくれます。
具体的には、こんな状況を想像してください:
前歯が抜けていて、その抜け方が真ん中をまたいでいる(これがIV級の条件)
そして、その後ろの方の歯も抜けている
この場合、どう分類すればいいのでしょうか?
実は、この状況ではIV級として扱わないんです。代わりに、後ろの方の抜けた部分で分類を決めます。つまり、前歯の抜け方よりも、奥歯の抜け方を重視するということです。
なぜこうするのでしょうか?それは、部分入れ歯を作る時に、後ろの方の抜けた部分がより重要な影響を与えるからです。
この規則があるため、IV級には「類型」というものがありません。類型とは、主な分類以外の抜けた部分を数字で表すものですが、IV級の場合は後ろの抜けた部分が主な分類になってしまうので、類型を使う必要がないのです。
覚え方のコツは、「IV級は特別扱い」と考えることです。前歯が特徴的に抜けていても、後ろの抜けた部分がある場合は、そちらを優先して分類します。
さて、ケネディーの分類とApplegateの法則。
この2つの違いは何でしょうか?
ケネディーの分類は、歯の抜け方の基本的なパターンを分けるものです。一方、Applegateの法則は、その分類をより細かく正確に使うためのガイドラインです。
ケネディーの分類は歯の抜け方をシンプルに4つに分けますが、Applegateの法則は分類を使う時の細かい条件や例外を示しています。
ちょっとややこしい話になったかもしれませんが、Applegateの法則は、ケネディーの分類をより細かく正確に使うためのガイドラインです。という点を押さえておけば十分かと思います。
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