【理工】融点がキー!埋没材の特徴
116C-87 融点がキー!埋没材の特徴
鋳造をするとき、まず考えなければならないのが「埋没材」の特性です。埋没材とは、鋳造のときに金属を流し込む型を作るための材料です。
今回の埋没材のグラフを見てみましょう。
加熱温度は650℃付近で熱膨張率が約1.5%まで上がることがわかります。
加熱温度が200℃で、急激に埋没材が熱膨張することもわかりますね。
ただ、この問題、この埋没材の熱膨張の状況がわかったとして、解けるわけではないと思います。
シンプルに
合金の融点がキーになります。
細かい融点を覚える必要はないですから安心してください。
重要な温度は1000℃です。
融点が1000℃以上の合金と1000℃以下の合金を覚えること。
1000℃以上の合金
・チタン全般
・コバルトクロム
・陶材焼き付け用合金
1000℃以下の合金
・金パラ
・金合金
これが基本ですから、ここは必ず押さえてください。
あとはシンプルで、
それぞれ使用する埋没材が異なります。
1000℃以上の合金
→リン酸塩系埋没材:膨張率2%くらい
1000℃以下の合金
→石膏系埋没材
→石英は1%
→クリストバライトは1.5%
まとめると、
融点1000℃で分けて合金の種類を分ける。
そこから使用する埋没材を判断し、膨張率を覚える。
ということになります。
今回の問題は、膨張率が1.5%ですね。
ということは、石膏系の埋没材のクリストバライトの話をしてるんだなって推測できます。
じゃあ使用される合金の種類は融点1000℃以下のものですね。選択肢を見ましょう。
すると、融点が1000℃以下のものは、
b.22K金合金
c.タイプ3金合金
d.金パラ
の3つに絞られます。
「あれ、正解3つあるじゃん」って感じですが、ここが国試の難しいところですね。
22K金合金とタイプ3金合金って、どっちが金の含有量多いでしょうか?
22Kですよね。(91%金含有です)
てことは、こっちの方が融点が高いわけです。
で、厳密にいうと、22Kって融点が1061℃で1000℃超えてるんですよね。
だから、特殊な埋没材が必要になってきます。
というわけで、正解は
c.タイプ3金合金
d.金パラ
になるわけです。