【補綴】ろう付けのタイミングを理解する!陶材焼付ブリッジの製作手順

116C-54  ろう付けのタイミングを理解する!陶材焼付ブリッジの製作手順

陶材焼付ブリッジの製作工程:正しい順番とその理由

今回は、陶材焼付ブリッジの製作工程についてお話しします。ここはこの10年くらいずっと続いていますね。CAD/CAMがメインになりつつある現在の歯科医量ですが、国試ではメタルボンドのブリッジはいまだに健在です。手順系が頻出ですからポイントを説明していきます。




正しい順番は以下のとおりです。

  1. メタルフレーム鋳造

  2. 舌面コア採得(d)

  3. ろう付け(b)

  4. ディギャッシング(e)

  5. 陶材焼成(a)

  6. グレージング(c)

  7. 装着


解説

では、なぜこの順番になるのか、一つ一つ詳しく見ていきましょう。

1. メタルフレーム鋳造

まず、メタルフレームを鋳造します。これはブリッジの基礎となる金属の土台で、強度適合性を決定する重要な工程です。

2. 舌面コア採得

次に、舌面コアを採得します。これはメタルコーピングをろうつけして繋いだとき、どういう位置になるのか?を正確に記録するために重要です。

3. ろう付け

続いて、ろう付けを行います。これは金属同士を接合する作業で、今回の症例では前ろう付け法を採用しています。前ろう付け法では、陶材焼成の前にろう付けを行います。

で、今回、どうして前ろうだと判断したのか?というと、上図の写真を見てください。前歯部のブリッジで、コーピング間の繋ぎ目が見えていないですよね。112のとき、これは『前ろう』として出題されました。
前ろうの方が後ろうと比較して審美性が高い。と教科書にも記載がありますので、こういったケースのときは、前ろうだと考えてください。(本当は色々言いたいこともあるのですが。)

で、下図の手順は必ず覚えておいてください。前ろうと後ろうの違いに注目するといいですよね。前ろうはディギャッシングの前にろうつけ。後ろうは、本当に最後にやるってイメージです。

4. ディギャッシング
ディギャッシング
では、メタルコーピングからガスを除去します。また、コーピング表面に酸化膜を付与します。これにより陶材と化学的にくっつくことができるようになります。
これは焼き付け用金属のスズやインジウムの影響ですね。

5. 陶材焼成

次に、メタルフレームに陶材を焼き付けます。
陶材焼成は真空中で、だいたい900~1000度です。
その前にコンデンスをすることも大事なので押さえておいてください。

6. グレージング

グレージングでは、陶材の表面を滑らかに仕上げます。これにより、自然な光沢と色調が生まれます。

7. 装着

最後に、完成したブリッジを口腔内に装着します。適合性や咬合を確認し、最終調整を行います。


前ろう付け法と後ろう付け法の比較

陶材焼付ブリッジの製作方法には、前ろう付け法後ろう付け法の2つがあります。それぞれの利点と欠点を理解しておきましょう。

前ろう付け法

  • 利点:

    • 審美性に優れます。陶材焼成前にろう付けを行うため、金属部分が目立ちにくくなります。

  • 欠点:

    • による変形のリスクがあります。陶材焼成の高温によって、ろう付け部が変形し、不適合になる可能性があります。

後ろう付け法

  • 利点:

    • 適合性に優れます。陶材焼成後にろう付けを行うため、熱による変形の影響を受けにくいです。

  • 欠点:

    • 審美性が劣ります。ろう付け部分が透けて見え、金属の影響を受けることがあります。


国家試験のポイント

  • 製作工程の順番を正確に覚えておきましょう。特に、ろう付けのタイミングは重要です。

  • 前ろう付け法と後ろう付け法の違いを理解し、それぞれの利点と欠点を説明できるようにしておきましょう。



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