願いのために
その絵かきさんの言うとおり私は色んな人にであったわ。
絵や文章だけのお金で生活している人、他の仕事をしながら、それでも絵や文章をかいたり、写真を撮って売っている人。売れなくて、大好きなのに、やるのをやめてしまったって言ってた人もいたわ。
現実は絵描きさんの言う通りだった。
自分の作品だけで食べている人にも、凄くお金を持っている人はほんのひとにぎりでほとんどの人ほそぼそと生活している、もしくは生活すら出来てないみたいだったの。
歩いて歩いて私はとうとう海に出たわ。
世間知らずな私だって知ってる。海の向こうには違う土地があって そこではまたここで会った人たちとは違う人たちが生活してること、でもそこにいくには空か海を渡らないといけないこと。
私にはどっちの力も持っていない。
「父さんみたいな不思議な力があったら向こうの土地までひとっ飛びなのに……どうして私には何の力もないのかしら」
海の前で私はぼやいた。
そんな時、ある文章書きさんが言ってたことを思い出したの。
「僕は今だって文章が上手いわけじゃないけど、昔はもっと下手だったんだよ。でも、毎日書いてたらここまでになった。好きなことや、やりたいことがあるなら、やるしかないんじゃないかな?」
そうよね。私ずっと飛びたいって思いながら空を見てるだけだったわ。練習も挑戦もしないでずっと憧れてただけだった、
やってみなきゃわからないわよね。1回でダメなら10回、10回でダメなら100回やればいいのよ。
私はそう思って、練習を始めたの。
*筆者の都合により次回の更新は来週の月曜日(9/22)です。