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volca beatsだってSWINGしたい

まえがき

いつもお世話になっております、KORABO SHIBUYA の早川です。

volcaを楽しんでおられますでしょうか。
たしか2014年に発売された初代volca sample からだったかと思いますが、volcaシリーズにSWINGのパラメータが追加されました。

SWINGとは、要するにシャッフルともいうあの機能です。16分音符でタカタカ…というリズムが、タッカタッカとハネるアレですね。

少し加えるだけでグルーヴ感が出たり、ガッツリかけてファンキーなループを作成するのに必須なSWING機能ですが搭載していないvolcaも少なからずあります。

名称未設定.002

意外とあった

それでは、SWING機能の無い機種ではグルーヴを諦めなければならないのでしょうか。

やればできる

やればできます。が、必要なコトとモノがあります。
まずは以下をご覧ください。

1. volca本体のシステムをアップデート
2. グローバル・パラメーターの設定からSYNC 入出力単位を”1ステップに1回” に変更
3. パルスシンクの上流に、SWING機能を持ったvolcaを繋げる
4. SYNC 親機のSWINGパラメータを操作

順に見ていきましょう。

概念

まず、volcaはSYNC OUT 端子から出るパルス信号(バツッバツッといった音です)を他のvolcaに送ることでそれぞれのテンポを同期させることができます。
そのパルスの受け取り方は、工場出荷状態(=新品)では「SYNCパルスを1つ受けると2ステップ進む」モードになっています。
要するに一小節あたり8回、8分音符のパルスでシーケンサーが一周するということですね。

現在、volcaではすべての機種で「SYNCパルスを1つ受けると1ステップ進む」モードが使用可能です。
volca beats, bass, keys の3機種は前者の「パルス1つで2ステップ進むモード」しかなかったのですが、システムアップデートで追加されました。やっておきましょう。

各製品ページの、右側をマウスオーバーで出てくるウィンドウの…

スクリーンショット 2021-03-07 16.00.34

ここから

アップデータをダウンロードしてくださいね。

スクリーンショット 2021-03-07 16.19.06

SYNCパルス入出力の設定方法は説明書のここに書いてます。

もしお手持ちの説明書に書いてない場合には、上記のようにWEBから最新のPDF版マニュアルをダウンロードしてご覧くださいね。

ここからが本題

SWING機能を搭載したvolcaを「SYNCパルスを1つ受けると1ステップ進む」モードにし、SWINGパラメータを上げると、なんと「SYNC OUT から吐き出すパルスのタイミングもシャッフル」します。
バッバッバッバッと規則正しく送り出されていたパルス信号がバッババッバとGROOVYになるわけですね。

下流にある、SYNCを受けるvolcaは、バツッというパルス信号をひとつ受けると1ステップ進むので、パルス自体がSWINGしていればSYNC下流のvolcaのシーケンスもSWINGするということです。
この力技感がなかなか。

というわけで、シャッフルの様子を動画にしてみるとこんな感じです。

いいですね。

というわけでvolca beatsでSWINGする方法でした。皆様もぜひグルーヴを刻んでください。

もちろん、bassやkeys、fmやmodularでも同様ですよ。

応用編

この便利なSYNC方法ですが、乱暴な言い方をすると「パルスを突っ込むとシーケンスが進む」とも言えます。
というわけでKORG機材でも他社さん機材でも、"TRIGGER OUT" とか "GATE OUT" などの端子から連続的なパルスが出ている/出せるなら、それで同期できちゃう可能性が高いです。

ほか、例えばvolcaのSYNCパルスをサンプリングしてサンプラーのパラアウトから出して同期、とかシンセでパルス音を作って同期させる、ということもやればできるわけですね。

良い意味で原始的な仕組みですので、ぜひいろいろ試してみてくださいね。
個人的にはパルスを16分で鳴らすのではなく時々「歯抜け」にしてポリリズムのようにシーケンスを走らせるのも好きです。

最後にご注意

SWING機能を持ったvolcaをSYNCの下流に置いた場合、SWINGのパラメータを変えるのは最上流のSYNC親機だけでOKです。
また、すでにSWINGしているパルス信号にさらにSWINGを付与すると楽しいことになってしまいます。ぜひお試しください。

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