日商簿記検定2級攻略⑨~リース会計~
1 はじめに
今日の経済活動では、資産をリースして、保有コストを引き下げる経営に傾向があります。賃借といっても、リース期間や資産の耐用年数、割引現在価値で異なった処理になります。そういった基本的な会計処理を日商簿記検定2級の範囲で説明していきます。
2-1リース取引の意義
リース取引とは、固定資産の所有者である貸手(リース会社)が、物件の借り手(ユーザー)に対し、一定期間(リース期間)使用する権利を与え、借り手は使用料(リース料)お貸してに支払う取引を言います。
2-3 リース取引の分類
リース取引は、「ファイナンス・リース取引」と「オペレーティング・リース取引」に分類されます。さらに、ファイナンス・リース取引は、リース期間終了後リース物件の所有権が貸し手側から借りて川に移転するか否かで、「所有権移転ファイナンス・リース取引」と「所有権移転外ファイナンス・リース取引」に分類されます。
・ファイナンス・リース取引
リース期間中に契約を解約することができない。
借手がリース物件の経済的利益を享受でき、かつ、使用に伴うコストを負担する。
・オペレーティング・リース取引
ファイナンス・リース取引以外のリース取引。
日商簿記検定2級では、それぞれのリース取引の借り手側の会計処理が範囲です。
3 ファイナンス・リース取引の会計処理
ファイナンス・リース取引は、 売買取引に準じた処理を行います。
・リース取引開始時
リース取引開始時に、リース物件とこれに係る債務をリース資産及びリース負債として計上します。借り手が貸してにしはらリース料総額には、取得原価相当額と利息相当額が含まれていますが、リース資産・リース債務を計上する場合に、この利息相当額を含めるか否かにより、利子抜き法(原則)と利子混み方の二つの方法があります。今回は前者について説明します。
例題
問1
当社は、次の条件により、X3年4月1日にA社のリース契約を締結した。リース取引開始時の仕訳を、利子抜法により示しなさい(年1回決算、3月決算)
(条件)
① ファイナンス・リース取引
② リース期間:5年
③ リース料:1,800円(毎年3月31日に現金で支払う)
④ 機会装置の見積現金購入価額:8,300円
答1
(借)リース資産 8,300(貸)リース債務
・リース料支払日
リース料に含まれている利息相当額について支払利息を計上するとともに、リース債務の返済とします。日商簿記検定2級では利息の配分方法は定額法により行います。
例題
問2
上記問1における、X4年3月31日のリース料支払時の仕訳を利子抜き法により示しなさい。
答2
(借)リース債務 1,660(貸)現金 1,800
支払利息 140
・決算時
決算時に、リース期間を耐用年数とし、残存価額を0として減価償却を行います。
例題
問3上記問1,2のリース資産について決算日(X4年3月31日)における減価償却費を示しなさい。
減価償却方法:定額法(間接法)
耐用年数:5年
残存価額:0円
答3
(借)減価償却費 1,000(貸)減価償却累計額 1,000
4 オペレーティング・リース取引の会計処理
オペレーティング・リース取引については賃貸借取引に準じた処理を行います。
例題
問4
当社はX3年4月1日にB社と機会装置のリース契約を締結した。本リース契約はオペレーティング・リース取引に該当し、リース料は毎年3月31日に1,800円を当座預金口座から支払う。
答4
(借)リース料 1,800(貸)当座預金 1,800
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