
心地の良い時間を提供したい | 人見 孝さん | 居酒屋 人見屋 オーナーシェフ
〔表紙写真/居酒屋 人見屋を切り盛りするお二人。左:人見 孝さん、右:めぐみさん〕
是好醤(コレイージャン)の取扱店様を取材し、そこで働く人々を紹介させていただきます。第1回目は、茨城県ひたちなか市の「居酒屋 人見屋」の人見孝さん。
では、どうぞご覧下さい。
提供したいのは、心地の良い時間
「美味しい料理やお酒を提供したいのはもちろんなんですが、一番はお客さんにとって心地の良い時間です──。」そう語るのは、茨城県ひたちなか市元町にある居酒屋 人見屋のオーナーシェフ 人見孝さんだ。

インパクトがあって記憶に残る料理よりも、友人との楽しいひと時を邪魔しない料理。確かに人見屋のメニューは、どこか控えめで、どこか優しい。接客をするめぐみさんも会話を遮らない絶妙なタイミングでオーダーを取りに来てくれる。


レストランでスタートしたキャリア
東京から茨城にUターンし、地元に自分のお店を持つことを考えた人見さんは、イタリアンレストランでの修行から料理人としてのキャリアをスタートさせる。そこで教え込まれたのは「トータルで完成する料理」という考え方。
一口食べての「旨い」ではなく、一皿・一コースを食べての「満足感」を大切にすることを学んだ。お酒に合う濃い味付けやインパクトのあるメニューとはひと味違う人見屋の料理のルーツはそこにあるようだ。
「例えば、焼きそばを作るにしても、1人で食べるのか4人で取り分けるのかが見て分かれば、味の濃さを変えたりしています」とお客さんに合わせて料理を微調整しているというから驚きだ。また、出来たてを提供する・基本的に作り置きはしないということを徹底している。塩味の強さなどではなく、素材そのものの風味を活かすためだ。
「だから申し訳ないですが、料理の提供は少し遅いんです」と人見さん。常連さんの1人は「飽きが来ないし、毎日でも食べられるよね」と饒舌に語ってくれた。


その後、逢時人(アジト)で独立
イタリアンレストランの後も、カフェレストランやワインバー、居酒屋などで修行をした人見さんは「逢時人(アジト)」(水戸駅南口、現在は閉店)を創業し独立を果たす。その屋号のとおり「人と人が逢う時間」を提供する居酒屋というコンセプトだったという。その当時から、人見さんの「楽しい時間を提供したい」という想いは変わっていないようだ。
「もともと『俺の料理を食え!』ってタイプでもないんでね」と笑う人見さん。料理人は自己顕示欲が強い人が多い印象(筆者主観)だが、人見さんのキャラクターはそういった飲食業界において逆に貴重なのかもしれない。

その後「茶ノ逢(ちゃのあ)」(ひたちなか市、現在は閉店)を経て居酒屋 人見屋のオープンに至る。
燻製ナッツで自宅にも楽しい時間を
最近は「燻製ナッツ」で人見屋を知る人もいるかもしれない。新型コロナウイルスによる外食離れの中で、お店になかなか来れなくなった常連客に燻製ナッツを手土産で渡したところとても好評で、現在商品化を進めている。
SNSなどでも「香ばしくて美味しい」「食べたら止まらない」などの評判が良い。中には刻んでサラダにかけるなど、おつまみ以外に使うファンもいるそう。
「楽しい時間の提供は、お店を通じてやるものだと思っていたけど、燻製ナッツという商品を通じてそれができるのは嬉しい」と人見さんも予想外の反応のようだ。

燻製ナッツは取扱店を募集しているそうなので、気になった方はぜひ問い合わせしてほしい。ただし、完全手作りのため大量生産が出来ず、品薄になることも多いようだ。
今後について
「新型コロナウイルスによって、お店という空間で楽しい時間を提供するのが、以前に比べて難しくなったし、今後もその流れは変わらないと思う」と、今後も人見さんはさまざまなアプローチで「楽しい時間」の提供を続けていきたいという。
燻製ナッツを始めとした、楽しい時間を演出する人見屋製の商品・サービスに期待してしまう。
店舗情報
居酒屋 人見屋
住所|〒312-0044 茨城県ひたちなか市元町8−12
電話|029-272-7815
定休日|月曜日
営業時間|17:30〜23:00
※社会状況により変更になる可能性がありますので、事前にご確認ください。
(©文・写真/是好時報 編集部)