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どうする?POC貧乏にならない為に Part2 -組織間の壁-

前回、同じテーマで記事を書いたところ、同僚からツッコミがあった。「それって本質は違くない?どう思う?」「あーたしかに現実では、そう現れるよなー」という気づきがあったので、それについて追記しようと思う。

僕としては「ビジネスとしての価値がない」ことかPOC貧乏の本質という主旨だったけれども、「組織間の壁(予算の性質の違い)」が本質なのではないかという指摘だった。この指摘は、「なぜPOCはできるのに、その後は出来ないのか」という問いへの回答だ。

なぜPOCは出来るのかと言えば、それは成果を出すことを約束しない予算からお金が出ているからだ。主にこの予算の出所は2つで、AI検討がミッションの部署か、現場のどちらかである。この予算は、部門長や担当役員の決済範囲にて行われる。そのため、テーマとしては「部門全体の生産性を下げている気がする」「業務によって部員のモチベーションが低下している」といった部門長の問題意識や認識によって、影響を受けることになる。課題のない部門は存在しないから、それに対応するデータさえあれば何かしらPOCは出来ることになる。

では、POC後の予算はどうかというと、これは概ね情報システム予算に該当し、初期費用は設備投資となるケースが多い。会社から設備投資予算を引っ張り出すには、部門長決済ではなく情報システム部門長の了承の上で、然るべき会議体(例えば、役会や経営会議等)に上申される必要がある。この会議では重要なのは、2つで1つ目がどれくらい実現可能性があるのさ、そして2つ目がどれくらいビジネスにインパクトがあるのかだ。PoCが1つ目ばかりをフォーカスしており、2つ目を適切に上申するための材料が足りない場合、PoC後のステップに進めない。(もしくは、ビジネスへのインパクトがないことが分かった場合)

まとめると「組織間の壁(予算の性質の違い)」によって、執行に必要な情報が違うということだ。これを意識しないと、プロジェクトの全体的な設計を誤り、一面では成果が出ているが次に進むには必要な情報が足りないという事態に陥ってしまう。

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