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「倒産」から学ぶ経営理論

帝国データバンクによると、「倒産」とは「企業経営が行き詰まり、弁済しなければならない債務が弁済できなくなった状態」、つまり借金を返せなくなってしまった状態を指す。

倒産の処理方法としては、会社を消滅させるパターンと、事業を継続しつつ債務を弁済するパターンがある。会社更生法や民事再生法が適用されて再建をめざすのは、事業を継続するパターンのほうだ。

倒産の原因には成功体験にとらわれて重要な局面で変化に対応できず倒産した「過去の栄光型」と、成功確率の低い戦略で勝負に挑んで倒産した「無謀型」、競合を意識するあまり自滅した「焦りからの逸脱型」、マネジメントが適切でなかった「大雑把型」、トップと現場が遠すぎて組織としてうまくいかなかった「機能不全型」の5パターンある。

このうち、自分が独立した際に気をつけなければならないパターンは、「過去の栄光型」と「無謀型」と「大雑把型」になると思う。

前2者は、「戦略に問題があったケース」であると言えるが、守りに入って失敗すれば「過去の栄光型」と言われ、攻めに行って失敗すれば「無謀型」と言われるような気がして、結果論に過ぎないと言えなくもない。

これを防ぐには、徹底的な分析の上で戦略を練るのが上策とも思えるが、経営学者クリステンセンの著書『イノベーションのジレンマ』には、大企業が革新的技術を導入できない理由のひとつとして、「存在しない市場は分析できない」ことが挙げられている。重要なのは「分析」ではなく、新技術を世に出しつつ新市場の可能性を「学習」する姿勢だ。

つまり、7月5日の記事「スタートアップのほとんどが大失敗に終わるのはなぜ?」で私が述べたように、「最初から完璧なものをめざすのではなく、サービスには改善や方向転換が不可欠という前提で作るマネジメント手法」が有効であるといえる。

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